毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「ミズ劉のド迫力」  2012年6月14日(黙) No.371

2012-06-14 16:30:19 | 中国事情
自分の予定では、今日はコーヒーを飲みながらテストの採点をしたり、
静かに今学期の反省をする日だった。

しかし、物事はそんなに上手く運ばない。
昨夜からまた断水だ。

今週の管理人室の当番は、厳しい文言が学生に評判のミズ劉だ。
しかし、彼女はなぜか私を「朋友」と呼び、
「おや、買い物に行ってきたの」
「今日は授業はないのかい」
「お帰り。お疲れ様」
などと声をかけてくれる。
彼女とは不思議なことに中国語会話が成り立つ。
(実はボディランゲージが主なんですけどね)

朝8時半、訴えに行くと早速部屋に来てくれたミズ劉は、、
断水原因が水道のプリペイドカード認知機付近にあると判断し、
直ちに、この宿舎の何でも修理してくれるお馴染みの王さんに電話した。
私の部屋から電話しているので丸聞こえのその声の調子はほぼ怒鳴り声で、
「水、水、水が出ないんだよ!早く来い!」
と聞こえた。
学生がビビるのもよくわかる。
電話を切った彼女は、
「あいつは『今日はできない』だの「水なんか出なくても問題ないだろう』だの抜かしやがる。」
と怒っている。
それは怒ってくれてありがたい。
今日は久しぶりに晴れた朝だ。シーツとかいろいろ洗濯もしたいのだ。

5分後、ムッツリした表情の王さんが登場。
今日は二日酔いかなんかで機嫌が悪いのかと最初考えたが、
思えば以前も、この二人は私の部屋で喧嘩したことがある。
2年前の夏、南昌に到着したての我が部屋は、傍を通っただけでテレビがついたり消えたりする
ホーンテッドハウスだった。
一度できちんと直らず、繰り返し部屋に来て修理をする王さんに対し、
「この下手くそ!安い部品ばかり使うからだ!」
と、罵倒したのがミズ劉だった。
その迫力に私は、これからの道のりの厳しさを思わずにはいられなかった。
意外とこの2年間、すんなりやってこられたのは
やはりワタクシの人徳であろうか。

今日もミズ劉と王さんは台所でしゃがみながら、喧嘩としか思えないやりとりをしていた。
器具を交換しなければならないという大それたことになってしまったらしい。
先週のパソコンケーブルに続き、大きい故障だ。
ミズ劉は
「中国の品物は何でも、本当にろくなものがない。
作る人間が、金(かね)、金、金しか考えないから手抜きの良くない品物が出回るんだ。」
と嘆いた。中国の庶民の心からの声だと思う。

その後、ド迫力のミズ劉と王さんは、わりと仲良く帰っていった。
それだけでもちょっとホッとした。
ミズ劉、あんまり怒鳴っていたら血管切れるで~。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「霧に煙る朝」  2012年6月... | トップ | 「有意義な一日だった」  ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

中国事情」カテゴリの最新記事