↑週間金曜日 9/21(土) 育鵬社教科書への教員の声をまとめた報告書。「極めて使いづらい」「押しつけている」などの文言が並ぶ。
育鵬社の教科書が全国に拡散して使われ始めたとき、
元教師として(ああ、とんでもない時代が始まる)とガックリきました。
育鵬社は「新しい歴史教科書を作る会」(あの杉田水脈が理事の)が
もともとの出所です。
歴史教科書には、
縄文時代を「世界4大文明に匹敵する」と位置づけ、
(日本は昔から大国だったのだ)と生徒の頭に刷り込む記述があり、
公民教科書には、
『日本の歴史には、天皇を精神的な支柱として国民が一致団結して、
国家的な危機を乗りこえた時期が何度もありました』とか、
『自分を犠牲に住民守った公務員』について掲載するなど
国家への自己犠牲やナショナリズムを煽る内容が記述されています。
また、やたらとアベ総理大臣の写真を多用しているので、
「アベ総理大臣ファンブック」と呼ぶ人もいるとのこと。
この教科書が21世紀に入り、
突然に採用され出したのには不正疑惑も多いのです。
例えば、大阪では育鵬社社員が採択権のある教育長6人に接触し、
事前に育鵬社の教科書を閲覧させていたことや、
教科書採用アンケートで不正を働いたこともバレています。
強い力を持つ政治グループが暗躍している感満載のこの教科書ですが、
学校で実際に授業をする教師たちは何を思って使っているのだろう、
もう、若い世代の教師たちは何も感じなくなっているんだろうか、と
疑心暗鬼の気持ちもありました。
しかし、プロの教師たちはきちんと判断していることが
下の記事で分かりました。
「先生たち、偉い!」と言いたいところですが、
喜んではいられません。
こんな教科書で教育を受ける子どもたちは
国家の望む国民像にどんどん近づくのが目に見えています。
実は、中国の教育もこれととても似ているんですよ。
育鵬社の公民教科書に教育現場から批判の声
9/21(土) 6:10配信 週間金曜日
神奈川県横浜市や藤沢市などの教育委員会で採択され、7年間にわたって公立中学校で使われてきた育鵬社の教科書について、今年2月までに藤沢市の市民団体がアンケート調査を実施。現場の社会科教員の圧倒的多数(8割)が「使いにくい」と回答した。8月の教育関係の集会でレポートが報告された。
育鵬社の公民について報告書には「立憲主義の理解に誤解を生じかねない内容」「国際協調と平和主義といった人類が到達した理念が軽んじられている」「全体的に押し付けがましい」「わが国という主語を用いているが、様々な国から生徒が集まっているので、全員にとって『わが国』とはしっくりこず違和感がある」など意見が並ぶ。
そんな中で特に印象深かったのが「生徒は教科書はすべて正しいと思っているので、知らず知らず刷り込まれる」「生徒は教科書を読み込んで覚えようとしがち」「まじめな子どもたちほど教科書を学ぼうとするので不安」「教科書をそのまま教えるわけではないが、子どもたちはテスト前にこの教科書で勉強する」という声だった。
自立した市民・主権者としての立ち位置をないがしろにし、国家主義の姿勢が色濃く投影されている育鵬社の公民教科書は歴史教科書よりも影響が大きい。もちろん皇国史観に貫かれた歴史教科書も懐古趣味的などと疑問視する声があり看過できない存在だが、同社の公民教科書には「人権・立憲主義・法の支配」への知見や認識が著しく欠如しているといった批判的な意見が多い。政権与党・国家に唯々諾々と従う子どもの育成に直結するのではとの不安もある。
教員に問題意識と力量さえあれば、どんな教科書が採択されようと何とでもなる、工夫した授業はできるのではと思われがちだが、実際には子どもたちは教科書に左右され、影響される。学校現場の苦悩が改めて浮き彫りになった。
(池添徳明・ジャーナリスト、2019年9月6日号)
私は敗戦まで頭の先から爪の先まで軍国少女でした。
教育の恐ろしさを身をもって知っています。
権力者たちは今また、戦争へのレールを着々と敷いているとしか思えません。
気づきましょう・学びましょう。
教育内容を国家がコントロールしたら、民主主義国家の国是はただの空文句になります。今、日本の学校はそれに限りなく近い状態ですね。共産党独裁国家中国をお手本にしている言えるでしょう。「共産党」だけとっぱらって。