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love, death and war




最近来日公演もすませたベジャールを観た。
出し物は”Zarathustra"。


わたし、何と記憶違いしているのか、6、7年前にも観たような気がして...でも新作なのである。

御大78歳。ますますメフィストフェレスのような風貌。
前評も良かったし、観客の湧き方も最高だったので、こんなことを書くのは気が引けるが、期待していたわりにはごくごく普通な出来だったのでは、というのがわたしの感想である。


彼は総合芸術を目指していて、この作品は音楽とダンスと言語(もちろんニーチェ)を舞台の上に載せた結果、だったようである。
プログラム、買えばよかった。


まずフランス語の無駄に多い台詞がワタクシには理解できず(笑)。外国公演の時は字幕でもつけるのだろうか。

ニーチェの思想を2時間の舞台芸術にしたため、シーンやダンスがやたらと細切れになり、前後の脈絡がない。

盛りだくさんが過ぎてフォーカスが弱い(宮崎作品にも言えることだが、ある種の芸術家は老いとともに、あれもこれもと欲張り始めるのか?それとも自分の言いたいことが分からなくなるのだろうか)。

だけならまだしも、底を流れるテーマが古くさい(それがlove, death and war)。人間のテーマは古今東西「生と死」、これに限るので、テーマが古くさいというより、その表現が古くさい、と言えばいいかしらん。

振り付けも、最後に世界中を旅するというコンセプトで、世界中のダンスが披露される場面なぞ、古典バレエのくるみや白鳥のフィナーレと同じやんか。


.....ベジャールに何を期待すればいいのか、と言う点が勉強不足だったのかもしれない。


今更、衰えた頭で「ツァラツストラかく語りき」を読み直す気力もないので、この新作のレヴューが出そろったらお勉強して、考え直すことにしよう。わたしが完全に間違えているというレビューがぜひとも読みたいものだ。



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