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フランス縦断イタリアまで








数年前の夏、10年ぶりに車でフランスをゆっくり縦断してイタリアまで行く旅行を企画した。しかしある事情で取り止めになり、計画はお蔵入りになった。

週末訪れたイタリア料理屋でイタリア人ウエイター氏と楽しい会話をしたのがきっかけで、満場一致で今年の夏の近場旅行第一弾は大陸の南を目指すことになった。


わたしは長時間の車の旅行は苦手だ。でもルートだけ大雑把に決めて、もう今日はここでいいやん、という地点で適当気ままに泊まり歩きながら目的地を目指すという条件ならば好きだ。
夏の夕暮れ、まだ暑さが残る村のテラス席でワインを飲み始めたらあまりの居心地のよさに時間を忘れてしまい、今夜はこの村で泊まる?じゃもう一杯...というののどれだけ楽しいことか。

旅人が旅の途中飲み過ぎて寝込んだ途端、奇想天外なあれやこれやが起こる...というシチュエーションは昔話によくある(邯鄲とか)のに、残念ながら特にそれらしいことは経験したことがない。カンタベリー物語やデカメロンのように語ったこともない。いつか巡って来るかもしれないチャンスのために、ネタはしっかり用意しておこう。


そんないいかげんな旅でもやっぱり立寄りたい街、ぜひ泊まりたい宿、世界遺産、ランドマークはある。それらを大雑把にピックアップして後は成り行き任せ...
地図を広げてグーグルマップの助けを借り、ガイドブックを拾い読みするのはわくわくする。最初の準備が旅の醍醐味の大きな何割かに違いない。



今回は英国発なのでユーロトンネルの仏側地点のカレーから南下。
コートダジュールがフランスの最終目的地ゆえに(その後、イタリアン・リビエラを抜けてジェノバ経由でフィレンツェまで全部で1ヶ月くらいかけて)フランスの東側を南下する。
別の機会に譲らねばならないが、西側を横断してスペインに入るルートも素敵だ。


ノールのカレー(は通過)(家からユーロトンネルも勘定してカレーまで3時間弱)
ちなみにここから最終目的地フィレンツェまで直で車を飛ばしたら13時間の距離

シャンパーニュのエペルネ(カレー/エペルネ 3時間)

ブルゴーニュでディジョン(エペルネ/ディジョン2時間45分)
ディジョンから足を伸ばしてボーヌ(ディジョンから40分)

ローヌ・アルプでリヨン(ボーヌから1時間半)

プロバンスでアヴィニョン(<夫が今回一番訪れたいところ、リヨンから2時間半)
アヴィニョンから足を伸ばしてオランジュ(30分)
わたしの好きなモンペリエ(アヴィニョンから1時間半)
ニーム(モンペリエから50分)
アルル(ニームから30分)
東へ移動してエクスアンプロバンス(アルルから50分)

コートダジュールの夏は激混みなので
サン・トロペ、アンティーブ、マントン辺りを軽く流し(エクスアンプロバンスからサン・トロペまで1時間45分、サン・トロペからアンティーブ1時間半、アンティーブからマントン50分)、バカンス中の友人家族を訪れ、
エズ、グラース、サン・ラファエルにも寄れるか...

わたしにとって思い出のマントンを過ぎたらもうイタリアン・リビエラ、サンレモ(マントンから30分)が見えて来る。
ジェノヴァ(サンレモから2時間だが、海沿いを止まり止まりするだろう)
フィレンツエ(ジェノヴァから2時間半)
フィレンツェではゆっくり過ごしたい。


以上がわたしが付箋をつけた土地。
これから足すことはほとんどなく、のんびりしすぎで引くばかりになり、結局はたぶんこの半分くらいになるだろう。
それでもいつもの旅行中は一カ所にずーっと滞在してほとんどうろうろしない派なので、こんなにアクティブに動くのが新鮮な感じがする。移動するための旅。それもたまにはいいのだ。

帰路は行きに立寄れなかったところを拾いながら北上するか、フィレンツエからはミラノを目指してスイスに入り、仏ストラスブールあたりに出るのもいいかも...
帰路は物悲しいからひとつふたつ観光目玉を残しておくのがいいかもしれない。ああいくら時間があっても足りないじゃないか。


他にもどんな服どんな靴どんなアクセサリーを持って行くかあれこれあれこれ考えるのも楽しみのひとつだ。エスパドリーユを買い足すか現地で調達するか、洗濯もなかなかできないだろうからカットソーのマキシドレスを何枚か買い足しておこうとか。アクセサリーはこれがぜひ欲しい。だらっとしたTシャツや白の綿シャツにつけるの。


旅の途中では絵はがきを書きまくり、おいしいものをたらふく食べ、一瞬をカメラに収め、美しい布をまとい、ゲーテの「イタリア紀行」、ヘンリー・ジェイムスの「郷愁のイタリア」「フランスの田舎町巡り」、バブルの頃から読んでみたかったピーター・メイルの「プロヴァンスの12ヶ月」を読みたい。
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