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Brugge Style
ハービー・ハンコック目当てで

野外フェスティバルは天気が読めないのと、トイレが汚いことには耐えられない性分(笑)なのでいつもはあまり行く気にならない。
タンブラーで回ってきた話、わたしだけでなく、日本人は一般的に、食事がおいしくトイレさえ清潔であれば文句を言わないのだそうですよ。
今回は夫のクライアントにご招待を受け、天気がよければ行くつもりにしていた。必殺雨女なのでね...
そうしたらすばらしいヨーロッパの夏の天気! これぞフェスティバルにふさわしい気候! 暑くなく、寒くなく、最高。
ハービー・ハンコックは20時半開始だったので18時くらいに到着した。
ものすごく混み合っているわけでもなく、地面はドロドロでもなく、ゴミもあまり散乱しておらず、屋台のごはんやスナックはおいしいわ、子供連れは多いわで、ラブ&ピースな雰囲気。
最近はグランピングなんかもやってるんですね。
白髪をボブにしたお年を召した女性がいらした。痩せていて、スウェットのパンツにぺたんこのミュール、そしてフェイクのミンクのロングコートを羽織り(夜冷えるからだろう。わたしもダウンコートを持って行った)大きいサングラス、めちゃくちゃカッコよかったですっ!

音楽。
音楽というのは音そのものもそうだが、会場の雰囲気を含め生で聴くものなのだと、当たり前のことをあらためて思った。
演奏は聴衆の呼応なしではありえない。
娘が出場する音楽コンクールでも、どの審査員も常に「コミュニケーションが成立しているかどうか」を大きく勘定に入れると言う。
だからバックステージに椅子を用意してもらったものの、会場が楽しくてそのままアリーナで立って見学した。
ああ、断酒中なのが残念!
また、小さいテントで見かけたドイツ人アーティストMicheal Wollneyの演奏に覚醒をうながされるほどショックを受け、その音の迫力によって内臓が一新されるかと思うほどだった。ちょっと礼儀正しいポゴレリチみたいな演奏だった。
この演奏も、例えばCDで聞いただけでは何も思わなかったかもしれない。でもCDは買った。生演奏の100分の一も良さを伝えてくれないけど。
これからこちらに住んでいる限り、ジャズ・フェスティバルには行こうかなあと思った経験だった。8月に娘が行くつもりにしているオペラのフェスティバルにわたしも行こうかなあ...フェイクのミンクコートを古着屋で探そうかなあ。
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