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Brugge Style
picasso 1932
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すでに9月で終わってしまった展覧会、感想を書くタイミングも逃してしまっていたのだが、先日ある所で好き嫌いの話になって思い出した。
テイト・モダンで開催していた「ピカソ 1932」展。
ピカソは時代や画商の要求でスタイルをコロコロ変えることができる芸術家でもあり、この展覧会はオルガ・コクロヴァとの結婚に影が差し始め、新しい愛人マリー・テレーズ・ウォルターとの出会いによって、作風をどのように変えて行ったかということに焦点を当てていた。
ピカソはその作品に史上最高値がつき、展覧会は毎度大盛況になる一方、「あんな絵のどこがいいのだ」「あんな絵はだれにでも描ける」という反応も引き起こすとても不思議な芸術家だ。
ピカソの展覧会を開くならテーマや話題に事欠かないだろう。
なんせこの巨匠は制作年数およそ80年、油絵だけで1万三千点、油絵以外の作品十三万点超え、遺産は8千億円(遺産リスト完成時の3年後にはすでにこの数倍以上になっている)、八面六臂な創作スタイル、結婚2回、関係した女は数知れず...という最もカラフルな芸術家だからだ。
レストランの紙ナプキンにサインしても売れたというくらい売れた人なので、創作もおもしろくてしかたなかっただろう。あるいは「触れるものすべてを金に変える」能力は本人の創造力を蝕むだろうか。凡人ならば蝕まれただろう。
好き嫌いや芸術価値よりも投機目的(これも価値)として買われたケースも。
わたしはピカソの展覧会は「天才の仕事」が見たい、という気持ちにドライブされて毎回行く。
好きかどうかは未だによくわからない。
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