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Brugge Style
根津美術館の蝉しぐれ
7月から8月にかけて日本へ一時帰国していた。
ほとんど毎年一時帰国はしているものの、夏の日本を訪れるのは20年ぶり。東京は13年ぶり!
まずは日本のみなさんから「慣れてなければ暑さで死ねる」と脅されていたのだが、英国への帰途、気温46度湿度60パーセント以上というアラブ首長国連邦に立ち寄って遊んだので
「うん、たしかに明治神宮や兼六園を散策した時は『逃げ場がない』という感じで疲労したけど、ドバイやアブダビに比べたら夏の趣」という感想に変わった。
暑さは他の国にもあるが、日本にあって他にはない独特なのは蝉しぐれだ。目を瞑ってあの声を聞いているだけで、マドレーヌを紅茶に浸したように日本の夏を感じることができる。
わたしにだけでなく、夫にも娘にも蝉の鳴き声という「音」には特別の印象を与えるようで、短い動画が無数にある。
水琴窟や滝、風鈴の涼しげな音も...
ここにもぜひ載せたいのだが、日本の方には珍しくもなんともない音だろうし、一人肌寒くなって来た英国の空の下楽しみたいと思います。
ちなみにアラブ首長国連邦の「音」はアザーンですな。
あの心地の良い音は瞑想に人を導く。
......
根津美術館では「優しいほとけ・怖いほとけ展」を見学することができた。
「ほとけは、その姿と役割からほぼ三種類に分類することができます。それは、仏教の真理を体現する厳かな「如来」、人々を苦難から救い福楽を与える慈悲の「菩薩」、そして、教えに従わない者や怨敵を屈服させる忿怒の「明王」です。さらにこの忿怒相のほとけのグループには、武将の姿で外敵を撃退する四天王のような「天」も含まれます。」とパンフレットにある。
人間とは人間と世界をどのように解釈するのか、人間とは何か、を考える重要な指針だ。
東京の夏の催し物の混雑具合についても脅されていたのだが、根津美術館は(東京国立博物館も)とてもすいていて、都会のオアシスとして有名な庭も蝉の声も独り占め状態だった。
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