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カ・ドーロのミラクル




ヴェネツイアでは、どなたもカ・ドーロには行かれると思うが、わたしも何十年かぶりで行ってみた。

夫が内部を見たことがないというので、建物内部はともかく、あのマンテーニャの聖セバスティアンを見なければ、と。


カ・ドーロは、大運河沿いにレースのようなファサードが黄金に輝いていたという、最も美しく、最も有名なパラッツオのひとつだ。
15世紀にヴェネツイアの大貴族、コンタリーニ家のために建てられた。

1月とあって、どこもかしこも閑散としたヴェネツィア、アカデミア美術館も、聖マルコ寺院にも行列は全くなかったが、ここもお客はわれわれとフランス人の中年の優雅な男性カップルだけだった。


入り口のチケット売り場でオヤジさんがとてもうれしそうに言った。

「セニョーリ、今日は特別ですよ。ミラクルですよ! 地上階のロッジア(運河に面して船の発着をした階層レベル。写真上。床のモザイクがまるで絨毯のよう!)を公開していますよ。ミラクルですよ!」と。


ほんとうにミラクルなのかどうかは知らない。どの頻度でこの階層が公開されているのか、それはどうでもいい。

わたしはこういうミラクル話ばかり覚えているからどこを旅しても楽しいのである。


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