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夢を食う





獏の群かと思った...

イングランドの牧草地。

夢を喰らう動物。
子供心に、怖かった...

ある文化が、悪夢を食べてくれる動物を必要としたのは、夢が超自然的な存在からのお告げであり、現実と直結した無視できない媒体であると考えられていたからだろうか。



光源氏にしろ、ヤコブの子ヨセフにしろ、オイディプス王の父親ライオス王にしろ(あれは神託か)、ムハンマドにしろ(あれは啓示か)、夢によって重大な決断を下したり、行動を取ったいうケースは枚挙にいとまがない。

おそらく、夢も、神託も、啓示も、仕組みとしては同じようなもので、多くの場合、抑圧された考えを開放した状態なのだろう。
(モーゼが啓示された十戒のエピソードは、心理学で言う「投影」であったのではないかとマックス・I・ディモントが『ユダヤ人』の中で書いている。もしそうならば、モーゼは彼の「夢」を獏に食べて欲しいと願ったかも)


そういえば、夢のお告げが科学的に解明されているという記事があった...見つかった!

『夢を見ているときは、大脳皮質のうち視覚や動きの感知に関わる部分が活発に活動する。情動に関連した部分の活動も活発だ。

対照的に、意思を伴う行動や、論理的・社会的に適切かどうかの判断に関係した領域(前頭前野背外側部)はあまり活動しない。このひとつの解釈は、思考を論理的で既知の事柄に制限している「思考の抑制作用」が弱まり、常識にとらわれない思考をすることで、独創的な発想や、問題解決が導かれるというものだ。』

(「夢のお告げ」は実在する 脳科学で仕組みを解明 日経サイエンス 2013/9/25)


つまり、普段の人間は、社会的な規範や常識や前例にとらわれがちだが、レム催眠時にはその「たが」がはずれ、より自由になれる、と。その中にはもちろん発明や創造など陽の面もあり、例えばこの記事にはベートーヴェンが夢から目覚めた時には新しい曲ができていた、というエピソードが含まれている。
そうでなくても、「神が降りてくる」「ミューズが降りてくる」時は、似たような脳の状態なのだろう...

が、一方、暗い欲望もあるわけで...そこで獏。 夢を食う動物。


上の写真の動物は牛です(笑)。
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