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Brugge Style
ヴィクトリア・スポンジ・ケーキ
英国の料理は全くハナシにならないレベルだが、アフタヌーン・ティーはそのコンセプトが売りで、なかなかいける。
アフタヌーン・ティーや英国パブは世界中にあるが、どこを探しても「英国料理の店」はないでしょう...
日本でもアフタヌーンティーは根強い人気があると聞く。
ところで、ティー・ルームやカフェならどこにでもあるケーキ類は、スコンを筆頭に、チョコレート・ケーキ...
こういう記事があった。
英国人の好きなケーキ、ベスト30。
トップ10を見るとこういう感じ。
バナナ・ブレッド
ヴィクトリア・スポンジ
チョコレート・ケーキ
レッド・ベルベット・ケーキ
スティッキー・トフィー・プディング
キャロット・ケーキ
チーズ・ケーキ
フラップ・ジャック
ベイク・ウェル・タルト
コーヒーとクルミのタルト
わたしはそこまで甘いものが好きではないので、このリスト、手を出したことがないものばかり...
英国で11歳から女子校に通った娘にとっては、どれも馴染みのあるものばかりだそうだ。
しかし、どれも「激甘で、重くてバサバサ」で、おいしいと思ったことはほとんどないと。
「激甘で、重くてバサバサ」、弁護するとしたら、紅茶を何倍もおかわりしながら食べるのには、ふさわしいのだろう。
オランダの農家で買った、手作りのとてもおいしいフランボワーズジャムが消費しきれないほどあるので、初めてヴィクトリア・スポンジ・ケーキを作ってみる気になった。
「激甘で、重くてバサバサ」を避けるべくして焼いた、私家版「ヴィクトリア・スポンジ・ケーキ」。
フランボワーズのジャムと、バタークリームをはさむ。
バタークリーム、上質の無塩バターとイタリアン・メレンゲ、ゲランドの塩、少量のホワイト・チョコレートで。
手作りのバタークリームって、ほんとうに美味。
デコレーションもかわいく...と努力したが、歯を剥き出しにしているモンスターみたいになった(笑)
しかし、「甘くなく、ふんわり軽くて、しっとり」は、達成し、あっという間にお客さんと家族が平らげた。
バター・クリームのような色合いのオールド・ローズ。
ヴィクトリア・スポンジケーキは、19世紀に繁栄を極めた大英帝国を象徴するヴィクトリア女王が好んだというケーキである。
毎日のアフタヌーン・ティーで必ず所望されたとか。
英国人が「英国の伝統」と考えている、少なくないものが、この時代に作られたといっても過言ではない。
アフタヌーン・ティーも19世紀に生まれて定着した。
うむ、この家庭的なケーキ、「家庭」を重要視し、そのイメージを積極的に君主制の一部として打ち出したヴィクトリア女王にふさわしいかもしれない。
「家庭」は、19世紀ヴィクトリア朝的な価値観、道徳観と密接に関係している。
女王が君主としてだけでなく、家庭の一員、母親、妻として、親しみやすさや、また地に足ついた安定的な姿を示すことが、国民の支持を得るために重要だった、と。
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