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3ヶ月ぶりのロンドン...ナショナル・ギャラリーが目当て。



Welcome Back...ナショナル・ギャラリー正面玄関。こちらは普段出口だが、完全に封鎖されている。




英国では3月23日のロックダウン後、徐々に経済活動が再開されつつある。

先週末(4日土曜日)は、パブなどの酒場、飲食店の営業再開が許可された。
ロンドンの繁華街ソーホーのパブに集う人々の、お祭りのような密集写真がニュースになった。ご覧になった方も(そしてびっくりされた方も)おられるだろう。

4日に営業再開が許可された施設の中には美術館も入っており、昨日6日はナショナル・ギャラリーのメンバー(<年会費で誰でもなれる)向けのオープン日だった。
一般には明日8日からの営業再開となる。

わたしにとっては待ちに待った日だったので、特別展『ティツィアーノ 愛・欲望・死』を見に行った。
とてもよかった展覧会の話は明日以降に...




Danae(1553) The Wellington Collection




無鉄砲なわたしでも、出かける前は正直不安だった。不安はもちろん人混みに対する不安です。

街なかや地下鉄チューブを含む公共交通機関は人の流れが普段の1割、といったところか。人がぱらぱらと歩いている。
ロンドンは日本の大都市並みに混んでいるのです、普通は。

午前中10時ごろと、午後4時ごろの電車の車両には1両に自分たちを入れて8人ほどの人。
公共交通機関利用時には顔をカバーするマスクや布の着用が求められており、9割以上の人が従っている。

道を歩いているとき、マスクから顔の上半分を出した若い男性の瞳がとても美しいことに気がついた。マスクは美貌を何割か増しにするのだろうか。


ロンドンのこちら、週末や休暇中は真っ直ぐは歩けない、車の大渋滞もおなじみのリージェント・ストリートはこの通り。







まるで公共交通機関も止まるクリスマスイブの夕暮れから当日のようだ。

百貨店リバティに至っては、お客さんはフロアに1人、2人、店員さんたちが暇そうにしていた...大丈夫か? リバティ!!

レストランや小売店も目線で半分ぐらいは営業して入るものの、道を歩いている人自体がいないので...
唯一、行列ができているのが理容店・バーバーだけだった!


ナショナル・ギャラリー特別展は、ティツィアーノの大きい作品6枚をゆったりと壁に並べられるくらいの広い会場一室のみで、おそらく15人ほどで人数制限があったのではないか。

普段、特別展は激混みになりがちだが、十分社会的距離が取れる。

メンバーのみに対しての公開にしても、常設展もガラガラで、もしも自分が宮殿に住んでいて、絵画をコレクションしていたらこんな感じなのでは? と思った...




こちらでプッサンに見惚れて長滞在していたら、怪しまれたのか監視員の方に張り付かれた(笑)。お仕事お疲れさまです




3ヶ月ぶりにゆっくり見られたのはとてもよかったが、3ヶ月ぶりに3時間以上館内を歩き回ったので、なんと足の裏が痛くなった! 




リノベーションしたて




ナショナル・ギャラリーの中では普段は一番混雑している印象派の部屋も...







ゴッホの『ひまわり』が写真に置き換えられており、2020年6月18日から10月18日の日程の、東京の国立西洋美術館『ナショナル・ギャラリー展』のために貸し出し中とあるではないか。
企画は新型コロナによるロックダウンより前からあったとは思うが、さすが英国、転んでもただでは起きない感がある。

目録を見たらなんと61点も日本へ行っている。しかも満遍なく。
「美術館展」は「作家展」に比べて、オーガナイズがさほど難しくないと言われているが、これは結構おもしろいかも...
クリヴェッリの『聖エミディウスを伴う受胎告知』も、それこそティツィアーノのNoli me Tangereも、日本で人気のフェルメールも、レンブラントの素晴らしき34歳の自画像も、プッサンも、ヴァン・ダイクに続く英国肖像画群も、入っている。

そうだ、今日という日にふさわしい、ティントレットの『天の川の起源』も!!

もし機会がおありならぜひぜひ!
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