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Brugge Style
あちらの世界 Trifonov
日曜日、人っこ一人歩いていないロンドンのシティの逢魔が時を車で通り抜けて。
王立裁判所やテンプル教会、セント・ポール寺院などが屹立して迫り、あちらの世界へ入ってしまったかのよう...
バービカンにTrifonov(以下トリフォノフ)のシューマンのピアノ協奏曲を聴きに行った。
彼はすぐにあっちの世界に行ってしまう憑依型ピアニストといえばいいのか。
霊的な体験をしている憑坐(よりまし)風だ。
神秘への没入感が彼の唯一無二の個性かと思う。
時空間をねじるような独特のテンポ感、ルバート。
シューマンのピアノ協奏曲イ短調 Op.54は、神秘的でもあり、構築的でもあり、自由でもあると言われ、特にその神秘で幻想的側面がよく伝わってくる。
ロンドン・シンフォニー・オーケストラが、彼による別世界への手引きに着いて行ったかどうかはわたしにはとうてい判断できないが、たまたま家で聞いたばかりのアルゲリッチによる同曲の野生みと情熱、愉快さ、自由さを保ちながら、常にオーケストラと対話しているのとは全然違っていて、ほんとうにおもしろかった。
第1楽章:テンポは比較的ゆったりめで、音色の変化を最大限に活かしながら、霧の中で音楽が浮かび上がるような表現。たった今見てきたセント・ポール寺院がライトアップに浮かび上がるような。
第2楽章:時間の歪みのような表現により、異世界をさまよっているかのよう。
第3楽章:幻想的なロマンを一番感じた。
あいかわらず下手くそな感想で恐れ入ります。
Programme
Robert Schumann Piano Concerto
Gustav Mahler Symphony No 7
Performers
London Symphony Orchestra
Daniel Harding conductor
Daniil Trifonov piano
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