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海神ポセイドンの街・パエストゥム



ポセイドン神に捧げられた神殿
偶像を祀ってまだまだ使えそうな状態
中まで入って見せてもらえた



誕生月の旅、今年は南イタリアに来ている。

目的のひとつは、イタリア南部サレルノからまだ少し南へ下ったところにあるパエストゥムPaestum(イタリア人はパストゥムと発音)を訪れることだ。
こちらはアマルフィ海岸を訪れるたびに足を伸ばしたいと思ってはいたのだが、何度もタイミングが合わず、今年は満を持してついに。


パエストゥム とはずばり「ポセイドンの街」という意味だ。

海神ポセイドンに捧げるギリシャ神殿が建っているからだ。なんとかっこいい名前!
もちろん海辺にある。
モッツアレラを作る水牛が放牧されているのもこの海辺。



ポセイドン神殿、正面から
神託が聞こえて来そう



ポセイドン神殿の他にも、最初に建築されたヘラ神殿(バジリカとも)、アテナ神殿があり、ドーリア式の建築はどれも驚くほど保存状態が良く、美の「黄金法則」のためだろうか、全く、全く見飽きない。ただ心地よい。



3つの中では最小、バランスが美しいアテネ神殿


この辺りは太古から気候も地形もよく、先史時代の遺構が多く残っている。
ギリシャ時代も相当の規模だったのが遺構から分かる。
ある時期から海水面が上昇。たびたび沼化に悩まされるようになる。またこの辺りに自生する木材は造船に適しており、当然住民は海洋民族で、乱伐された土地にはたびたび洪水が起き、とうとう彼らはこの美しい街を捨てたのだそうだ。


この名前すらロマンティックな海神の街の写真を見たのはもうずいぶん昔のことで、18世紀イタリアの建築家にして画家ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージの版画でだった。
パリのオルセーにもあったし、ロンドンのわたしの大好きな「国内最小の」国立美術館、サー・ジョン・ソーンズ美術館にもピラネージ作品が展示されているし、今調べたら東京の国立西洋博物館にも収蔵されているそうだ。



気難しい女神アテネもすばらしい青空を背景に



紀元前6世紀前後に建築されたこの神殿群は98年に世界遺産に登録された。


南イタリアは雨が降ったり止んだり。さすがの晴れ女モエも勝負は五分五分といったところ。でも上の写真のように、肝心なところでは晴れパワーを炸裂させる(笑)。

ヴェネツィアはこの冬1966年以来の洪水で、いっとき187センチに達したとか(わたし、外国でローカルニュースや料理番組を見るのが好きなんです)。

去年の今頃、誕生月の頃はビエンナーレを見るためにヴェネツィアにおり、サン・マルコ広場の冠水もまだ「ロマンティック」とうっとり言っていられるようなレベルだった...
今週のニュースでは「今こそプロジェクト・モーゼスの実現を」とやっていたが、水没する街を救わんとするこのプロジェクト、莫大な予算は次から次へとほとんどが消えているそうで、汚職解決から手をつけないとならないようだ。



ヘラ様はごきげんななめ...雨雲が迫る



水没する美しい街...昔から人間の文明と切り離せないものだったのだろう。



興奮のあまり写真載せすぎ...
載せても載せても実際の美しさにはほど遠い



昨日は午前中お天気が冴えなかったので、朝食の後、エスプレッソを飲みに行っただけでホテルに退散、雨にけぶるティレニア海を眺めつつ書いた。
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