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Brugge Style
manon2019 sarah lamb
昨日もバレエの話を書いたし、続けてどうかと思うのだが書く。
昨夜はロイヤルバレエ2019・2020シーズンのオープニングナイトで『マノン』だった。
マノンはSarah Lamb 相手役のデ・グリューはVadim Muntagirov。
振付家のケネス・マクミランがマスネのオペラのマノン曲を使わず、マスネの他の曲を継ぎ合わせて構成したのはやはり音楽的才能、天才的だと思う。
モンタギロフは、何度も書いているが、わたしは何年か前まではそれほど注目していなかった。
当時は他の男性プリンシパルがとても華やかだったのもあるだろう。このところ急にその年代の男性プリンシパルが一気に入れ替わってしまった感があり、また、Marianela Nunezという稀代の女性プリンシパルと息がぴったり合い、今、彼のダンサー絶頂期、大輪。
マノンは男性の欲望や希望やセンチメントをブラックホールのように吸い込む、空っぽの「箱」のような女だが、彼女でさえもあの神がかりに美しい踊りで求愛されたら後先なく駆け落ちしようという気にそりゃなるだろうよ!
マノンは空っぽの箱のような女だというのは、彼女がジンメルの言うような「自然物」で、おびただしい関係を介して環境世界へ関わってい、彼女から「無限とも言えるほど、何千もの糸が出ており、それらがひとつひとつのものを結びつけてい」るからである。だから彼女には「その領域が最終的な形で区分されたものなどない」。それが彼女が「魔性」であるゆえんである。魔性の女は決して自分が魔性だなんて思ってやしないのだ。当たり前だが。
ところで、わたしの座席のすぐ前にピアニストのスティーヴン・ハフ氏がおられ(素敵な方だった。承諾を得ています)、昨夜は一人だったためその興奮を伝えるツレがおらず、かなりのフラストレーションになった(笑)。
隣のバレエファンだという女性はこっそり「どなた?」と聞いてくるし、夫も「その方は知らないけど、あなたがハッピーならそりゃよかったね」などとテキストに返事をしてくるし、娘にテキストしても忙しいのか数時間後まで返事が返ってこないし...
ロイヤルオペラハウスではチャールズ皇太子ご夫妻からイングリッシュ・ナショナル・バレエのダンサーまで、セレブリティを見かけることは多いけれども。
(写真はROHより拝借)
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