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小雨降るベルヴェデーレ





クリムトの描く世紀末ウィーンの女は
何かの絶頂にあるものに忍び寄る必滅の予感が克明に描かれていて
どれもとても魅力的だった
(ベルヴェデーレはクリムト作品を最も多く収蔵する)


クリムトの最も有名な作品と言っても過言ではない《接吻》は
西洋絵画が執拗に追及してきた「3次元を2次元の上に復元する」意思を破棄して画期的な作品になったが

絵の中にただひとつある女性の立体的な顔が
意匠の中に溶けて消えて、いずれは意匠のひとつになってしまいそうな
「時間」が画面上にあることがクリムトの特徴のひとつではないかと
シロウトは思った


そういうわけでベルヴェデーレ上宮の写真もフィルム・ノワール風に加工してみた

左右対称の最も静的な建築が、次のシーンがあるかのように、動きと動きの間の一コマに見えたら

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