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Brugge Style
雲丹の天ぷらとセレブ・シェフ
ロンドンはパーク・レーンの「Nobu」で食事をしていたら、まつひさ氏ご本人が新しく出版された本のインタビューと写真撮影に登場した。
彼はセレブリティ・シェフ(兼ビジネスマン)の第一人者で、一冊目の料理本にもロバート・デニーロから高倉健まで、超有名人のお友達の名前が出るわ出るわ出てくるわ。
それだけでお腹がいっぱいになりそうである。
まつひさ氏、にこやかで余裕のある素敵な方であった。
....
大好物の「雲丹の天ぷら」などが食卓に次々に運ばれ、幸せをかみしめていると、店員の接客態度からして、どうもわたしが有名人に間違われているようである。日本国外では時々起こるのである。しかし誰に間違われているのかはよく分からない。理由が何であれ大切にされるのはよいことなので、勘違いは勘違いでそのままにしておく。
わたしの真横には本物のエレン・デジュネレス(米の有名女性コメディアン)が座っていたのになあ~。
雲丹の天ぷら、お茶漬けにして食べるのが夢である。
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恋の季節?
先週からロンドンに滞在している。
ロンドンも毎日すばらしい陽気。わたしうきうき。
メディアはメディアで、皇太子とカミラさんご婚礼の話題でうきうき浮き立って(?)いる。
下々のものたちも、ぽかぽかした日ざしを浴びつつ公園の芝生で恋を語らう。
ああ、恋の季節。
.....
先日、ロンドンのナイトクラブで、友人から、彼の彼女候補であるパリジェンヌを紹介された。
フリーのフォトグラファーをしているという、大柄で知的で積極的で気さくでおしゃべりな彼女のことがわたしはとても気に入ったし、彼のことが好き!という気持ちがにじみ出た「はしゃぎよう」も、かわいいなあ、わかるわあ~その気持ち、と思っていたのだが。
後日、その場に居合わせた男性達と「恋愛論」をかわすことになり、新顔のその彼女の話になると、なんと全員が「でしゃばり」「しきり」と(口ごもりながらも)ネガティブな反応を示すではないか。
おまけに当の彼も「うんざり。あまり会いたくない。」などと言う。
おいおい。
君ら、ひどすぎるわ。
どんだけ裏表あるねん。
女性が好きな女と男性が好きな女はやはりタイプが違うのか?
あるいはそういうことを乗り越えられる男女もいるし、乗り超えられない状況もある、ということか?
「でしゃばり」とか「しきり」とかいう形容詞に耳が痛いのはわたしとて同じこと。
ひょっとしてキミたち、影でわたしの悪口を言ってないか(笑)?
それにアメリカ人の女にも、イギリス人の女にも、ベルギー人の女にもあれくらい存在感がある女はごく普通である。
あるいは何かい?控えめで、自分の意見を主張しない、男にそっと寄り添う、おとなしい女がいい、とか言いたいのか(<喧嘩腰)?
結局、スタンダールの結晶作用の逆作用で、ちょっと虫が好かない人間は、何をしてもどんどんイヤになる、という感じなのだろう。
坊主が憎いと袈裟まで憎くなるんですな。
それにしても男って分からん。
別に分かりたくないけど。
でも恋愛は楽し。
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春の海
今日はひさしぶりに予定がない日である。
朝からすばらしいお天気だったので、ひとりで北海方面へドライヴに行った。
ブルージュから5分も走ればのどかな田園風景が始まり、どこまでも続く漠々とした平野の中に、ぽつりぽつりと村が点在する。どんな小さな村でも中心には教会が建ち、それを見るのが好きなのである。
この季節の海は閑散としていて、うすっぽいブルーグレー色の水面が光に輝いていてとても美しい。
Nieuwpoort, Oostende, De Haan, Blankenberge, Zeebrugge, Knokkeと走っていると、そのうち気温は13度まで上昇。
ドライヴィング・グラブを持ってこなかったのを激しく後悔。焼ける~。
もし観光中、一日自由時間があればお勧めである。北海へのドライブ。
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橋
ブルージュの旧市街を守る街壁と運河。
現在残っているのは、入街するのに使われる5つの門(街壁の一部だった)。
中世の頃、水上貿易で世界有数の都市に成長したブルージュだったが、運河が土砂で埋まってからは見捨てられてしまった...
とは言え、今でも街を取り囲む運河を往来する船舶は多く、何十メートルもある輸送船がコンテナや砂利その他の物資を運ぶ。
また夏になると自前のヨットでブルージュを訪問する人たちも(金持ち層に許された娯楽ではないのである)。
ただ、運河を行く船のためにはね上がったり回転したりする橋はブルージュの旧市街住人にとっては不満の種だ。
羽橋あるいは回転橋で旧市街とリングを繋いでいるため当然車や自転車の往来も激しい。特に朝の通勤通学時、さらにはお昼時(昼飯を自宅で取る人は多い)、夕方...そんなとき、橋が上がると大渋滞である。
「わざわざラッシュ時に橋をあげることもなかろう」と住人は口々に言う。
今朝9時半ごろ、郊外の大型スーパーを目指して家を出ると、ちょうど大型船の通過中で橋が上がった。まあとりあえず5分くらいのことか、と思っていたら...
橋を上げるのみならず、水位まで調節しなければならないほどの大型船であったため、結局べんべんと20分くらい待たされた。
迂回しようにも、わたしの後ろには長蛇の列ができていて、それも不可能。
その船がやっとこさ行ったらば、やおら橋の下を掃除するおっさん登場。
「そんなことは通行量の少ない夜間にでもすればいいのに...」。日本人の発想なのか。
彼がのんびり掃き掃除をしているうちに次の船舶が迫ってくる。
そしてまた。
そしてまた。
今朝の渋滞は結局かなり長引いた。
もしわたしが大切な用件に向かう途中だったら...自分の短気が怖い。
ひとつだけでも上がらない橋(つまりヴェニスのリアルト橋のような)を考案してはどうか?鉄筋コンクリート製の(写真の)羽橋より外観も美しいし、機能的であると思う。
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雲の中
マルクト広場の州庁舎/Provinciaal Hofで、"In de Wolken/12 West-Vlaamse Kinderboekilustratoren" "雲の中/12人の西フランダース児童書イラストレーターたち"という絵本原画展が開かれている。
日本でもベルギーの絵本は人気が高く、数多く翻訳されていると、その筋の人に聞いたことがある。
わたしは個人的にベルギーの絵本が好きである。
特にCarll Cneat やKatrien Thantが。
マンガとは対極にありながら、シュールで抽象的、そして黒い味付けがされている、とでも言おうか。
私見だが、強いて言うなら、ベルギーの芸術家エンソールや表現主義の芸術家達-特にティットガットやドゥ・スメット-を彷佛とさせる雰囲気である。
当然と言えばそうなのかもしれないが、わたしには日本やアメリカの絵本とは全然違うように思える。
勧善懲悪、PC、そんなお話に興味はないが、「世界は(あなたが考えているような意味秩序なんかなく、単に)こういうもんなんですよ」ということをあらためて教えてくれるお話は大好きだ。
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