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美術館に行くには







年末遊びに行ったリバプール。
ロンドン周辺から車で4時間弱かかる。ブルージュの方が近いのである。

明日からマンチェスターに行く予定で、帰りに隣のリバプールにも立寄ってみるつもりだ。目的はウォルカー・ギャラリー再訪。


リバプールのウォーターフロントは再開発が進み、アルバートドッグにはテイトが入っているし、3美神 (three graces) と呼ばれる新古典主義スタイルの高層建築と最新ピカピカの商業施設が混ざり合って建っている。

一方その反対側地域ウィリアム・ブラウン通りの方は、まるで一昔前の東ヨーロッパにワープしたかのような雰囲気が残っている。黒くすすけたウォルカー・ギャラリーの建物もその一部だ。



前回。
赤ん坊の頃から美術館をひきずり回されてきた娘は、わたしの提案に対して「また絵を見に行くの?」とうんざりして言った。
特にブルージュにあふれかえるほどあった中世絵画(主に祭壇画)は「世界中どこの美術館に行っても追いかけてくる」と言って嫌う(笑)。

「(入館無料だから)レンブラントだけ!レンブラントの自画像だけ見せて。わたしは目が悪いから探すの手伝ってくれる?あなただったらすぐ見つけられると思うわあ」とおだてつつごまかしながら入館した。
結局はあれもこれも見つけて来、「もっと見てもいいですよ」などと言いながら、グレコもホガースもムリーリョもプサンも...
次回からはこの手に限る。「あたしゃあ年のせいで小さい字を自分で読むのが大変なのさ。ぜひ助けておくれ」と。
無料の場合だけだけど(笑)。


レンブラントの若き日の自画像。
マウリッツハイスにある最後の肖像画を思い浮かべる。。
「ほら、あなた、マウリッツハイスで見たでしょう?この人によく似た人。え?覚えてないの?信じられない。ほら、ちょっとちゃんとご覧なさい。あの光と影...」とか娘にうるさく言うから嫌われるのだろうか。


リバプールに立寄ることを知ったら、娘は「どうして?」と聞くだろう。
「レンブラントだけ、レンブラントだけ見せて」と母はまた言うつもりなのである。
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英国と言えば...二階建てバス







子どもの頃、赤い二階建てバスの映像を見て、英国人という人たちは公共の乗り物を愉快な二階建てにしてそれを綺麗な赤に塗るなぞして、われわれとは全く違った感覚を持っているんだなあ外国とはこういうものなんだなあ、と思った記憶がある。

今でもこのバスを見かけるたびにはっとする。
もしこのバスがごく普通の形で変な緑色だったりしたら、ロンドンの街の魅力は数割減だろう。

などと言いながら一度しか乗ったことがないのだが。
乗るものではなく見るものなのである。

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「場」




元々、以下のハナシは先週2日の記事の「起承転結」(わたしの文章にそんな上等なものがあるとして、だが)の「起」の部分だったのだが、なんとも座りが悪いので最終的に切り離した。



ロイヤルオペラなどの建物は、ただの「建物」というよりも「場」という感じがし、「場」がロイヤルオペラの出し物そのものにも強く影響を与えるように感じる。

人間の諸業(芸術、政治、そして家庭生活やブログまでの諸々)に、「場」は圧倒的な影響を及ぼすと思うが、たぶん日本人には馴染みのある感覚だろう。


西洋人の夫と初めて新幹線に乗った時のことだ。

車掌が車両に出入りする際、誰も見ていないのにもかかわらず常に敬礼を欠かさないのを見て、夫はその美しい所作に感心しつつも「しかし、あれは誰に敬礼してるのですか?」と聞いて来た。

わたしは「あれは「場」に敬礼してるのです。自分を成長させる「場」である仕事場に対して。」と答えておいた。「ほら、例えば道場に入場する時、たとえ先生がそこにいなくても日本人は道場に向かって敬礼するのだ、というのはイメージできるでしょう。それと同じ」

夫は理解できたのかできないのだかというような顔をした。



たぶん、授業の最初と最後に「起立、礼」をするのも同じ理由からではないかと思う。


ああ、こんなこと書くまでもなくみなさんはとうの昔に了解済みのことだったかもしれません(礼)。

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冬将軍到来








昨夜からちらちら舞い始め今朝はこんなに積もっていた。


ロンドンの展覧会へ行くつもりだったのだが、どの程度交通に影響があるのか分からず(ロンドンをぐるっと囲む高速道路M25で一晩中足止めを食った車も多かったそうだ。お気の毒)、今日はあきらめることに...

あまりに退屈で近所のパブに行こうとするも、飼い犬が雪の中を歩くのを嫌がりそれも断念。

夫と娘は雪だるまを作り雪合戦に興じ、わたしはケーキを焼いた。

そして早からワイン飲み始め。

冬の過ごし方。
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冬のテラス








この秋冬、西ヨーロッパはずっと温暖だった。
このまま角を曲がったらそこで春と出会えるかも...という感じでここまで来たが、イングランド南部でも今週末は雪の予報。

ブルージュはマイナス5度だとか。


写真は最近何かと利用しているロンドンの Somerset House 内 Tom's Kitchen から見た冬のテラス(夏はこのテラスで食事ができるらしい。楽しみ)。先はテムズ川。

以前も切々と書いたことがあるが、わたしは「冬のテラス」とか「水の入っていないプール」、「静かな遊園地」などの撞着語法(オキシモロン)的風景が好きなのだ。
「老嬢」とか「やさしい悪魔」とかもええですな。

この写真気に入っているのです。






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