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年始年末にたくさん飾ってあった花や枝の類を始末した。

クリスマス直後にロンドンの花屋で見つけた、日本の松っぽい植物だけはいまだに青々して元気なので(それがめでたい植物に数えられるひとつの理由だろう)大きな花瓶にざっくり活けなおしていたら、夫が「和風」といってテーブルのセンターピースにしてくれた。 
枝に和紙を巻いて紅白の水引をつけたいくらい。

器は日本の友達が焼いたもので、とても気に入っている。
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le corsaire 『海賊』




1月が過ぎるのは早い。
もう先週末の話になるが、金曜の夜もイングリッシュ・ナショナル・バレエの『海賊』を見た。

その前々日の水曜日の夜、加瀬栞さんが非常に美しかったので、彼女が主役メドーラを踊る回の金曜日の夜を楽しみにしていた。


シロウトの感想としては、加瀬さんは特に回転全般の類が特にすばらしい。体躯に一筋のずれもなく、スピード感と抑制があり、垂直に飛んでいく天使かと錯覚するほど引き上がっていて、見ているこちらが満足感広がる。グラン・フッテも気持ちいいくらい綺麗だった。
パートナーの方のサポートがどうなのと思った個所がいくつかあったものの、すばらしかった。

Erik Woolhouseは、水曜夜、海賊の首領コンラッドを裏切る友人ビルバンド役もよく、金曜夜のコンラッドの奴隷アリ役も、なんというのかな、絶望感さえ漂う献身の演技がとてもよかった。

一方でオダリスクのグループは水曜日のグループの方がよかった。
特にJulia Conwayが。彼女は去年、イングリッシュ・ナショナル・バレエが毎年開催する若手ダンサーの発掘コンペティションを受賞したそうだ。
そこに立つ姿形だけで最も美しいというわけではないが(失礼)、技術の確かさと美しさには驚かされた。

『海賊』、ロンドンでの公演が短いのが残念。もう一回は見に行きたいくらいだ。
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the gilbert scott@st.pancras


お詫び:投稿した記事が反映されない不具合が起きていました。申し訳ありません。現在は解消されているようです。



お客さんをお見送りにセント・パンクラスのユーロスター駅へ。

時間があったので、この国際列車が発着する駅と一体化しているルネサンス・ホテルのレストランThe Gilbert Scottへ行ってみた。

ユーロスターのコンコースに直結しているレストラン・バア(パブ)Booking Officeしか利用したことがなかったので知らなかったのだが、上写真のちょっと知られた大階段はホテルの玄関とレストランThe Gilbert Scottの間にあった。


駅全体、ホテルの建物、パブやレストランのインテリアも、有名なランドマークを多く残したジョージ・ギルバート・スコット卿の設計によるネオ・ゴシック様式の建築が活かされている。

食事のレベル自体は平均的なロンドンのレストランに過ぎないが、内部の雰囲気は、ヴィクトリア女王時代のイギリス帝国と産業革命の絶頂期の面影を味わえてよい。
産業革命によって急変した都市生活の風俗を描いたフランスの印象派の作品群の中に入り込んだかのよう。


「ミッドランド鉄道のターミナルとして1868年に開業した。駅舎には高い時計塔があり、宮殿のようなヴィクトリア朝ネオ・ゴシック建築は、セントパンクラス・チャンバーズと呼ばれ、ジョージ・ギルバート・スコット卿の設計によるものである。ホームの全長210メートルの大屋根(トレイン・シェッド)はウィリアム・バーロー設計である。このシェッドは後にユーロスターの乗り入れに合わせて拡張されている。」(ウィキペディアより)



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ロイヤル・オペラ・ハウスへ初詣 sleeping beauty




三社参りの三社目は...

ロイヤル・オペラ・ハウス。

昨夜はロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』だった。

主役は名コンビMarianela NunezとVadim Muntagirovで、歓喜が会場に轟き、盛り上がりまくって三社参り最後の祝祭にふさわしい夜だった。

ロイヤル・バレエの『眠れる森の美女』の振り付けはプティパをベースにFrederic Ashton, Anthony Dowell, Christopher Wheeldonの手が加わっている。

何と言えばいいのかな...シロウト判断で誤解を招く言い方をすれば、主役の踊りには下手な人が踊ると振りがスカスカに見える部分が多い。よく言えば、空間をぎちぎちに埋めてしまわない余白が十分にあり、それこそが風流を醸し出す。
その変になりうる間の余白部分をドタバタしないように埋めてこそのプロだと思うのだが、さすがのMarianela Nunez、余白の活かし方がほんとうにうまくって唸ってしまった。

オーロラ姫登場からローズ・アダージオ、喜びと恥じらいと誇りに輝く姫の姿そのもの。何かが胸から込み上げてくる。


また、Vadim Muntagirovの美しさがどこから来るのか、今回のフロリムンド王子役を通して少し理解できたような気がした。
優雅とはつまり抑制と自制なのであるな! と。
普通の人間でも、優雅な人とはつまりコントロールと抑制が効いている人のことだ。その逆が「ぶっちゃけ」である。
彼は綺麗なだけでなく、しかもあの包容力。包容力があふれているMarianela Nunezをさらに包むような。ただものではない。


リラの精の金子扶生さんの高貴さ、気高さが昨夜もただごとではなかった。リラの花の清らかで上品ないい香りが漂ってきそうなほど。
姿形の美しさだけでも世界中のどんなバレエダンサーよりも美しい! 
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ロンドン・コロシアムへ初詣 le corsaire




初詣に三社参りをする地域が西の方にあると聞いた。

わたしもあやかろう。

昨夜はイングリッシュ・ナショナル・バレエ『海賊』鑑賞で、ロンドン・コロシアムへ。
これが二社目。ミューズ拝ということにする。

バレエやオペラ、クラシックのコンサートやリサイタルに年間60回以上出かける(今、すでにとってあるチケットをざっと数えてみたら、6月までで30枚以上あった)。
特にイングリッシュ・ナショナル・オペラのパトロンの末席を汚しているので、ロンドン・コロシアムの扉をくぐるのは相当な回数になる。その中でもその年最初の演目を鑑賞するときは、やはりあらたまった気持ちになる。


イングリッシュ・ナショナル・バレエの『海賊』、話の筋立ても、踊りも、音楽も、舞台装置も、衣装も、登場人物も、すべて華やかで楽しく、美しい。
オリエンタリズムだとか、女性蔑視だとかいったん括弧の中に入れ、昔はこういう筋書きを元に舞台芸術が成立したのだということを楽しむ。

Alina Cojocaruがキャンセルになったのは残念だったが、特に海賊の首領コンラッド役のFrancesco Gabriele Frolaや、その仲間のビルバント役のErik Woolhouse、加瀬栞さんがすばらしかった。音楽性に優れ、透明感があり、強く優雅で狂いもなく正確で、新春のきりりとした空か風のようだった。

観客席からは絶叫のような喝采が連続。
間延びの一瞬もない、最初から最後まで練られた舞台だった。

わたしの座席のすぐ近くに魔法使いのガンダルフ師が。声をかけた人たちとにこやかにセルフィー撮影しておられた。
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