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Brugge Style
have yourself a merry little christmas
イングランドで、新型コロナウイルス感染者数が、とうとう南東部で激増し始めた。
今までは北部に比べて比較的少なかったのである。
ロンドンは、今週始めにティア・システム(感染者の多寡などによってルールに強弱があるシステム)のうち、最も厳しいティア3に移行。
続いて昨日、ロンドンをドーナツのように取り囲む周辺の州でも、明日土曜日からティア3へ移行するとの発表があった。この処置により、イングランドでは人口の三分の2が最も厳しいルール下に暮らす勘定になるそうだ。
英国では、世界に先駆けてワクチンの接種が始まり、昨日の時点で14万人以上の人が受けたとのニュースは福音としても、クリスマス前のお祭りムードなのなだろうか、12月に入ってから感染者数などが爆発的に増えている。
ヨーロッパは大陸でも似たような状況だ。
北アイルランドでは、クリスマスが明けた26日から6週間のロックダウンが決まった...(感染者の多さではなく、医療へのプレッシャーがかかってるため)
ジョンソン英首相は、クリスマス後の3回目ロックダウンを匂わしている。このままでは当然かと思う。
わたしが住んでいるロンドンに隣接している州も、土曜日からティア3に移行する州に含まれるが、一部例外的に除外されるエリアに入っており、今のところはクリスマスの計画が狂うことはない。
どうせ今年の年末は、楽しみにしていたバレエもクラシック音楽会もキャンセルになり、毎年恒例のベルギー里帰り、友人家族の訪問、パーティーも旅行も何もないし...
ティア3のエリアに囲まれているのだから、市壁で出入りを制限しない限り(カミュの『ペスト』のように)、隣接するエリアの影響を受けないはずはない。時間の問題なのかなと考え、食料品の買い出しなどもできるだけ地元で済ませようと思う。
毎年、主婦としては、年末までには虚しくなり、ほとんど「もう料理なんかしたくない」心理になるのだが、今年は適当でやりすごすチャンスかと思っている。
出かけない分、食器の欠けていた枚数を買い足し、ケーキのレシピを実験し、いつもは躊躇うようなイヤーのシャンパーニュを注文しよう。
普段のようにお菓子を届けたいのだが、今ひとつ許される範囲が何なのかが不明で困っている。
このような状況下でもまだ集会しようとしている人が多い(曰く、これが祖父母との最後のクリスマスになるかもしれないとか)そうで、メルケル独首相が「このクリスマスを祖父母との最後のクリスマスにしてはいけない」、これに尽きる。
have yourself a merry little christmas
こぢんまりしたクリスマスを
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モスクワはグレイの雨
英国のスパイ小説家、John le Carréが今月12日に亡くなった。
彼原作の最近のシリーズには『ナイト・マネージャー』『リトル・ドラマー・ガール』、映画は『われらが背きし者』などがあり、ご覧になれらた方も多いのでは。
その夜、わたしはお菓子を焼いていて遅くまで起きており、BBCニュースの追悼を聞きながら手を動かし、ル・カレのスパイものと、70年代と、ペレストロイカまでの80年代にまつわるあれこれを思い出していたのだった。
アンカレッジ経由の飛行機、モスクワの物理的にも心理的にも遠い異国を象徴したような街角、スパイの巣窟だったヨーロッパのとある首都、MI6のスパイ(ル・カレの描くスパイは、ボンドやバンコランのようではなく、くたびれて目立たない中年の男性だった)というミステリアスなイメージ、やたらとタバコを吸い、強い酒を飲む人々、暗号、心理的な駆け引き、二重スパイというヤバい仕事、ベルリンの壁、黒電話、現地連絡員との接触、隠れ家、ハニー・トラップ...
今の欧米に憧れはないが、当時はもう、憧れだった。
わたしの世界への憧れは、スパイもの映画と『ベルサイユのばら』、船医をしながら世界中を旅していた大叔父、神戸の街、ロシア・バレエや音楽などで熟成されたのではと思う。
自分個人が生きられる範囲は時間的にも空間的にも小さいが、映画や読書を通すと、それを少し広げることができる。
東西冷戦時代の、オックスフォード卒の、イングリッシュの、妻に不倫され、陰謀に巻き込まれて引退した男性のスパイ、という人物とわたしの間には巨大な径庭があるにもかかわらず、だ。
何年か前に見た映画やシリーズを最近になってまた見たが、やはりとてもよっかった。
全部見てしまった後は中毒症状が出て、次に新しい作品が出るのはいつか、とにかく長生きしていただきたい、と思っていたのだった。
(上の写真は冬の雨のモスクワではなく、2年前の冬のワルシャワ。モスクワ、行ったことありますん。行ってみたい!)
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スカンジナビアの松ぼっくり、そしてkrystian zimermanの...
来週はもうクリスマス。
飾りつけに関しては、クリスマス直前にヤドリギを調達するくらいで終了。
ヤドリギ、寄生している木から切り離すとみるみる枯れてしまう...
うちの近所にも寄生しているのがたくさんあるのだが、なんせ猿か鳥でもないと辿り着けないような高さにあるので、お店で買うことになる。
写真は今年、一目惚れした松ぼっくり。
クリスマスだけでなく、香合のノリでお正月まで飾れるかなと。
この青、清々しく美しくて、吸い込まれそうだ。
......
美しくて吸い込まれそうと言えば...
昨日、今年最後のお楽しみとしてKrystian ZimermanとSir Simon Rattle with LSOのBeethovenシリーズに行く予定が、ロンドンがより厳しいルールのティア3に移行したため全ての公演がキャンセルになり、かなり気落ちした話を書いたが、明日17日、19日、21日に、以前の録画が公開されます。
17日がベートヴェン・ピアノ・コンチェルト1番と3番
19日が同2番と4番
21日が同5番。
あなたのお好きなのは何番?? (5番が一番多いかなと予想)
Krystian Zimerman、Beethovenファンは世界各地で盛り上がりましょう!
オンラインの全日程はこちら。
チケットが必要ですがぜひぜひ。
放映の始まる時間が英国時間なので、日本は深夜(深夜のベートヴェン、すてきだが)。わたしのように「絶対に当日見るぜ」という方以外は後日公開されるロンドン・シンフォニー・オーケストラのYouTubeチャンネルでご覧になることも。
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クリスマス前のロンドンでルール強化へ
12月2日にイングランドは、2回目の部分的ロックダウンから脱出し、地域ごとの感染者数などによってルールに幅のあるティア・システムに移行したばかりだ。
その2回目の部分的ロックダウンが明けてからの週末は、ロンドンの商店街などはクリスマス前の買い物客で溢れ、このままではお正月が、いや、クリスマスそのものがダメになるのではと、予想した人は多かったのではないか。
社会的距離が取れていないのを見て、屋外であっても人混みではせめてマスクくらいはして、リスクをゼロにはできなくても、最小にするくらいはしようよ、と...
21歳の娘に、「わたくしが若い人にマスクをしていない人が多いように感じるのは、
わたしが年寄りだからだろうか。
『新型コロナなんか怖くないぜ!』という『自分は冷静です、怖がってません、気になりません』などのアッピール、一種のマチョイズムなのか。
どういう場合に着用すれば適切なのかという判断が自分でできないくらいの頭なのか。
新自由主義的な考えの方々なのか。
あるいは何も考えてない? 今楽しければ!
のうち、どれだろう?」と聞いてみたら、
「たぶん5だと思う」との回答が。一番怖くないですか。
多くの人の「これってヤバくないですか」の予想は当たった。
ロンドンは昨日14日の夕方になって、16日午前12時1分から、現行のティア2をティア3に強化すると発表。
クリスマスまであと10日...
ティア2では人数などを規制することによって営業を再開したレストランも、ティア3ではテイクアウトや出前以外は閉鎖。
観客を半分にして営業を始めたばかりの劇場や競技場、イベント会場やコンサートホールも閉鎖。ホテルも全面閉鎖になる。
屋内と例外的な屋外でも別の世帯(バブル)の人とは集会できない。
一方で、商店などは引き続き営業できるので、週末の買い物客が減ったりはしないのではと思う。
屋内で数時間単位で人が混ざるのがいけないという判断なのだろうか。
上の写真はアーケードにお店がたくさん入っているコヴェント・ガーデン、商店が営業しているということは、このような混雑状況がティア3でも続くということで、大丈夫??
また、美容室の営業はオッケーで、観客を半分にしてのクラシック・コンサートがダメというのは?? (クラシック・コンサートで声を出す人はいない)
誰も彼も、自分に利益があったり関係の深い業界の継続を贔屓目で見てしまうのだろうか?
ティア・システムは確かに分かりにくくて不評である。
11日には9ヶ月ぶりに観客を入れての公演を始めたばかりのロイヤル・バレエ(昨日の記事)もまたしばらく閉鎖だ。
明日、16日と17日に踊り出したくなるほど楽しみにしてたKrystian ZimermanのBeethovenのピアノ・コンチェルト・マラソンも...
17日はベートヴェンのピアノ・コンチェルトを全曲一挙に演奏するゴージャスなプログラム、ちなみに16日は1番と4番演奏の予定で、午後と夜の部、両方行ってクリスマス気分を満喫し、現実逃避する予定だった。
「ティア2の、うちの村の公民館に来てくれたらいいのに...」
イングランド南東部では、新型コロナウイルスの変異型が流行っているのでは、というニュースもあり、不安な年末なのである。
みなさまもくれぐれもお気をつけて。
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