春期研修会 4回目
今回から逐語録検討が始まります。
あらかじめテープ(最近はボイスレコーダーなどが使われますね)に録音した15分間のミニカウンセリングを、テープ起こししたテキストを見ながら聞いていきます。
このときにカウンセラーの立場になって、クライエントの感情の動きを追っていきながら、自分ならどのようにつぶやくだろうか、ここでレスを返すだろうか、カウンセラーさんのうなづきやレスの具合はどうかなどを書き留めていきます。
次に参加メンバーでそれぞれの感想や着目点を出し合っていき、代表者がそれをまとめて発表。
最後に先生が、押さえた点を教えていただき、自分の抜けているところ、受け取り違いをしているところを確認します。
今回のクライエントさんの話は、テキストで追っていくと心の動きがよく判りました。
話の芯がハッキリしていることと、主張したいことが感情の言葉になって出てきていること。
話題が変わって行っても、そこから元に戻っていくところ…そこに主張の根っこが見えてきます。
おもしろいもので、「あぁ、ここを受け止めて欲しいんだ」というキーになる言葉を、カウンセラーさんがレスしそこなっていると何度も同じ言葉が繰り返されてきます。
何度目かでカウンセラーさんがそのキーワードを拾い上げると、安心したように話題が進んでいきます。
カウンセラーさんの感想によると、そのレスをしたときにクライエントさんの話し方に変化があったそうです。
やはり「これを受け止めて欲しい」というところに注意を向けることは大事ですね。
ともすれば、話題の流れをいっしょう懸命に追いかけていきがちですが、その話題を通じて「聞いて欲しい主張」があるんですね。
それが感情の言葉となって出てきたら、拾い上げていくことで、クライエントさんが再び自分でそこ言葉を受け止めて、味わって、更なる「主張の芯」に近づいていく。
ここを、本人の言葉でなく、カウンセラーの言葉に置き換えてしまうと、クライエントさんは自分の主張と比べてしまったり、悪くするとその言葉に引きずられて「主張」がぶれて、見失ってしまう。
カウンセラーの言葉を刷り込んでしまって、もうそこまで出てきそうになったものが引っ込んじゃうんですね。
これが力のあるカウンセラーさんだったら、そのクライエントとの面談の歴史から、本人の言葉に出来ない感情をも汲み取ってレスしていくこともあるかもしれませんが。
ミニカウンセリングであるならば、やはり「今のクライエント」を大事にしていくうえで、言語化された言葉をそのまま返していくのが大事だと思いました。
たまに話題ばかり飛び出してきて、なかなか感情の言葉が出てこないこともあります。
私がクライエント役をするときにも経験するのですが、それは感情が動かないのじゃなく、感情の言葉を言語化するために、またより正しく受け取ってもらうために、そこまでの流れや状況を説明したいんですね。
ここはカウンセラーは待つ。
変に感情を想像して「それで悲しかったんですか?」などと先走りするとろくなことがありません。
と、今回がそうだったと言うことじゃなく、久しぶりに逐語録検討に参加して、今まで体感してきたことを反芻して味わっていることを書いてみた感じです。
同じ逐語録検討であっても、僅かであっても経験を重ねてきていることで、私の中に積み重なってきているものがあるかもしれません。
もちろん、うぬぼれは厳禁ですが。
後半はペアを組んでのミニカウンセリング実践。
今回は参加者が奇数人数だったので私はタイムキーパーでした。
実践できなかったのは残念ですが、この時間、この空間にいることで、ゆったりと味わっている私がいました。
その味わいの中にはポジティブなものもあれば、関連することから一転ネガティブに陥ることもあります。
でも、その両方が、「今、ここの私」であることがはっきりしていますので、心の落ち着きどころがありますね。
さて、そんな自分とゆったり向き合える時間でもある、真宗カウンセリングワークショップが後1ヶ月と近づいてきました。
まだ定員までは空きがありますので、ぜひお申込ください。
1泊2日、少ない人数でじっくり過ごす時間は、普段の生活では味わえないものがあります。
気軽に、体験してみてください。