毎日蒸し暑くて寝苦しい日が続く中での、わたしにとって一服の清涼剤のような時間。
今回は逐語録検討から。
カウンセラー役の方にとって初めての逐語録録音。
にもかかわらず、とてもはじめてとは思えない、しっかりしたカウンセリング振りにまず驚きました。
もちろん、個人個人の資質や、育ってきた歴史や、そういうものすべてをひっくるめたパーソナリティがあるのだから、「初めてはこの程度」なんてものは存在しないのですが。
ポイントとしては、クライエントが使った言葉そのままで返す。
これが徹底されていると、気持ちよく聞こえてきますね。
これは形だけのことかもしれませんが、こういう形を大事にしていくことからマインドにつながっていくでしょうから。
今期の研修会は参加者が少ないと言うこともあり、実践の時間がいつもより多くとられていますし、やはり回数を重ねていくことでうまくポイントをつかんでおられるんだろうなと思います。
後半は実践の時間です。
私は逐語録でもクラエント役をされていた方とのペア。
録音は数週間前でしたが、そのときの自分の気持ちと逐語録で出会い、それを通した今の気持ち、以前との対比を話してくださいました。
まさに、今のホットな気持ちですので、すごく湧き上がってくるところが聞かせてもらえました。
途中から関連はあるけれど別の話題に代わりましたが、そうすると少し「周囲をなぞる」というか、言葉にはしていても戸惑いがあるような感じを受けました。
もしかすると、その方とわたしの今までの関わりが、今この時間だけではなく歴史として、また印象として持っているものがあるから感じたのかもしれません。
カウンセリングとしてはどうかなって思いもあるのですが、そう感じたのが「今の私」ならば、そこを誤魔化すことなく、そのままの感じで聞いていた気がします。
振り返りで、そのこともお伝えできましたしね。
代わって、クライエントとして話をしました。
「特にこれを話しようというものがない」ということからスタートしたのですが、まぁホットなところで関心のある話題を話し始めました。
しばらくその話題を、二つのエピソードで話していたのですが、急に「もっと話したい」という気持ちが湧き上がってきます。
話題のテーマは同じなんですが、最初は頭の部分での興味で話していたことが、心の何かに触れて「そう、これが話したかったんだ」というものにつながった感じとでもいいましょうか。
面白いもので、最初は正座して(それはそれで私にとっては楽な格好です)ゆったり話していた態度が、「よし腰をすえて話しよう」というか、足を崩して幾分前のめりになって話している自分がいます。
それは意識したことでなく、後で振り返ってみるとそういう変化が勝手にあったと。
カウンセリングをしていますと、クラエントさんが話したいと思っていることを大事に聞かせてもらうことは当然なのでしょう。
しかし、その関係性において、なにかしらの警戒・戸惑いがあれば、いきなり心を開いて話すことは無いでしょうし、また通じるように頭を駆使して整理して話しようと力が入るのも当然でしょうね。
そこに、「話してもいいんだ」「話しよう」というものが生まれてきたならば、むしろ整理されない形で、湧き上がるままに言葉を発し、あとから自分の頭でそれを聞いているということが生まれてきます。
おそらく、それにはカウンセラーさんの力量があり、それがクライエントに受け取っもらえるという関係の成長が必要なんでしょう。
ミニカン研修会の場合は、この時間と空間の設定時点で「大丈夫」というものが出来上がっていますから、カウンセラーさんがその力量で関係を作ることはあまり出来ていなくても成立します。
ちょっと伝わりにくい感じのことを書いていますが、ミニカンの場では開けはしても、普段の関係ではなかなか開けない…そのことは私の中で明確になっていますから、課題としてもハッキリしています。
そういうことを、態度の変化ということで体験した感じですかね。
言葉では説明しにくいことですが、ぜひその身で「関係が出来ている」という感覚を体験してください。
7月に京都でワークショップがあります。
締切は今週末。
迷っている方はぜひどうぞ。