THE TEST DRIVE!! クルマ好きによる試乗記&動画 (旧クルマ本を斬る!)

車の試乗記&レポート、インプレ、動画、お薦めの本等。OCNブログサービス停止に伴い、こちらに引っ越しました!

【比較試乗】ホンダ PCX160 vs ヤマハ NMAX155 スクーター通勤快速王 決定戦!

2024-03-20 17:00:00 | ★比較試乗★

Honda PCX160YAMAHA NMAX155 を比較試乗してきました!

両方とも2022年モデルです。

 

1.居住性対決

●NMAX★★★

 見た目はコンパクトに見えますが、実寸は他の2台とあまり変わらないですね。

 これはNMAXのデザインがフロン寄りにぎゅっと圧縮されているからでしょう。

 フロント13インチなので車高も低く見えますし、スポーティな印象です。

 シート高は765mmなので足つきは良好。

 車重も131kgと軽いので取り回しも楽です。

 乗り心地はPCXより明らかに硬めですね!マンホールや路面の継ぎ目・段差でも結構跳ねるので、あまり快適とは言い難いです。

●PCX ★★★★

 NMAX155ではパワフルさを感じ、やはり以前乗ってたPCX150とは違うなぁと思いつつ、PCX160に乗り始めた感想は、

「ああ・・・なんて落ち着くんだ・・・」でした:)

 全然遅くないのに、このあたりの柔らかい感じ、落ち着いた挙動・・さすが売れ行きNo.1ですね。

 足つきも良好ですし、車重はNMAX並みに軽いので取り回しも苦になりません。

 乗り心地もいいですね。どの速度域でも安定感を感じます(とはいえ、スピードレンジが上がってくると跳ね気味になってきますが)。

 大柄に見えますが、実は車重はNMAXと変わらないので意外に取り回しは楽です。

 フェアリングの効果も高く、風もあまり感じないです。

 

ということで、居住性はPCXの勝ちです!

 

2.動力性能対決

●NMAX ★★★★

 アクセルの初期からグッと応答して車体が前に出ますね!他の2台とは明らかに異なるセッティングです。

 ギア比が低い感じ。スポーティな走りが楽しめます。

 他方、最高出力は普通というか、ちょい低めですね。

●PCX ★★★★

 このアクセルに対してコンマ何秒か遅れて加速するところがまたいいんですよ!

 決して、レスポンスが遅いなぁと感じさせない程度に、ズレを予測すれば思い通りに過減速できるところに気持ちの余裕ができます。

 吹け上がり自体はリニアですし、パワーもトルクもNMAX以上なので、実は結構速いです。

 

ということで、動力性能対決は より活発なNMAXの勝ちです!

 

3.ハンドリング

●NMAX ★★★★

 軽快ですね!フロント13インチが貢献して、曲がり初めからグッとフロントが路面に食いついて旋回していきます。

 PCXよりフロント優勢でグイグイ回る感じですね。

●PCX ★★★

 落ち着いてますね。

   と言ってもダルな訳ではなく、リニアに、車体を倒した分だけ素直に曲がりますし、コーナーでも非常に挙動が安定しています。

 フロントリアが同じように路面に張り付いてる感覚です。

 

ということで、ここもスポーティなNMAXの勝ちです!

 

4.総合評価対決

●NMAX★★★

 街中をグイグイと機敏に走りたい方におすすめの1台です。

 PCXがマイルドな味付けなのに比べ、NMAXは明らかにスポーツ路線です。

 反面、乗り心地は良くないので、長い距離を走る方、落ち着いて乗りたい方には不向きです。

●PCX ★★★★

 いやー、これは人気になる訳です。PCX150の頃は、ちょっと中速のトルク感とレスポンスが寂しいなぁと思いましたが、この160はそこが改善されてますね。

 まさに万能という感じ。次に買うなら、NMAXにしてみようかな、と思ってたのですが、乗ってしまうとやはりPCX160の方が楽ですね。

 クラスを超えた質感の良さを感じます。

 

ということで、非常に悩ましいのですが、総合評価はPCXの勝ちです!

各部の質感や動的質感の上質さ、メットインスペースの広さ等、総合的にはPCXの方が万人向けですし完成度も高いですね。

両方良いスクーターなので、キビキビした走りならNMAX、落ち着いた上質な走りならPCXというところです。

 

それでは動画をどうぞ!


GB350 vs ハンター350 どっちがいい?(動画あり)比較試乗5番勝負!

2023-06-28 17:00:00 | ★比較試乗★

ホンダ GB350とロイヤルエンフィールド ハンター350 どちらがいいか比較しました!

動力性能・ハンドリング・居住性・鼓動感・総合評価で判定。

完全に独断と偏見ですが白黒つけてみました!

両者とも非常に似ている上、どっちも良いバイクです!


日産アリア vs スバル ソルテラ 比較試乗、5番勝負! 外装・内装・居住性・動力性能・ハンドリングをチェック!

2022-05-27 17:00:00 | ★比較試乗★

日産アリア vs スバル ソルテラ 比較試乗、5番勝負です! 

先日のモーターファンフェスタ2022で、両者に同日乗り比べる機会がありましたので、

外装・内装・居住性・動力性能・ハンドリングをチェックしました。

 正直言って、両車とも甲乙つけがたい素晴らしい性能ですね。

詳しくは、動画をどうぞ!


S2000とRX-7(FD)、どっちがオススメ!? 比較試乗!!

2018-06-15 21:18:12 | ★比較試乗★

*2000年頃に記載した文章です。

 

◎S2000とRX-7

 HONDA S2000とMAZDA RX-7。クルマ購入を検討する時、この2台を比較する人は、実は少ないのかもしれない。両者ともそれぞれのメーカーを代表するスポーツカーであり、それぞれに根強い固定ファンがいる。当然、そういった人々は指名買いで、他車を比較試乗することなどないだろう。しかし、多くのスポーツカー好きにとっては、この2台は非常に気になる存在ではないだろうか。確かにS2000はNAの2座オープンカーであり、RX-7はロータリーターボのピュアスポーツ、とボディタイプの違いは大きい。しかし、両車とも純粋に走りの楽しさを追求した車であり、両方とも捨てがたい魅力、というかオーラを放っている。そこで、今回車の買い替えを考えている筆者が、それぞれディーラーの試乗で感じたことをレポートすることにした。両車の購入を検討されている方に、少しでも参考になれば幸いです。

○概要

RX-7:世界唯一のロータリーエンジン搭載車であり、国産随一のピュアスポーツカー。瞬時に吹けあがる280馬力ロータリーターボユニットと、1200kg台の車重、50:50の重量配分と、まさに全身スポーツの塊。個人的には、日本でピュアスポーツカーといえるのは、RX-7だけだと思う。エクステリアデザインも秀逸。

S2000:ホンダが30年ぶりに作ったFRスポーツカー。あの素晴らしいVTECエンジンを搭載したFRスポーツがあれば!!というスポーツカーファンの期待に応え、ついに昨年発売開始。しかもオープンボディで!

2車の概要については、おそらくご存知の方が多いと思うので、ここでの説明は簡潔に済ませることにした。ちなみに、試乗前の個人的な長短所を記載すると、下記のようになる。

RX-7の長所
-ターボパワーによる、絶対的な動力性能。しかも、マフラー交換レベルで簡単にパワーアップ可能。
-色あせない流麗なエクステリアデザイン。
-おまけ程度でもリアシートがある。手荷物を置くのに便利だし、子供ができても小さいうちは大丈夫。
・短所
-燃費の悪さ。ガソリン代が高騰する近年、これは正直つらい・・

S2000の長所
-世界に誇るVTECユニット。NAのレスポンスと伸びは最高。
-オープンの爽快さは、なにものにも変え難い長所!
-ガンガン飛ばしても、リッター10kmはいくらしい。
-注目度、ブランド力はバツグンで、あまり車に興味のない人でも知ってる。
・短所
-2シーターは、やはり色々と不便。

 正直に言うと、個人的にはFCオーナーであったこともあり、RX-7に軍配を上げていた。マツダのスポーツカー作りは、なんというか体にフィットする気持ち良さがある。そう、あたかもドライバーの意思に直結されているかのようなハンドリングと味付けは、スポーツカー好きにはたまらない魅力だ。たしかにS2000は非常に気になるが、いかに250馬力とはいえ、NAユニットで1200kgのボディではRX-7の敵にはならないと思う。むしろ、トルク不足で、日常ではつまらないだけの車のような気がする(まあ、FDのトルクも低いけど)。S2000が発売されたとき、一度本社のショールームで実物を見たが、想像以上に大きなボディに軽い失望を感じた。しかも、座ってみるとサイドシルが高いせいで開放感に欠ける。これではなんのためのオープンなのか。スペックを追求するあまり、楽しさをスポイルさせてしまっている・・・これが正直な感想だった。

○居住性
 RX-7:★★★

タイト。このヒトコトに尽きるが、これは誉め言葉だ。着座位置、シフトの位置、メーターからインテリアデザインにいたるまで、全てがスポーツするためにデザインされており、ドライバーに軽い高揚感を促す。座った時点から、スポーツは始まっているのだ。ちなみに後部座席は、人を乗せるには不向きで、手荷物置き場程度。
 S2000:★★★

案内されたS2000は、個人的に一番好きな白だった。たしかに外見は大きい。ドアを開け、シートに座る。ホールド性は悪くないが、まあ普通のシートだ。インテリアは、デザインといい、質感といい、きわめて常識的で、スポーツムードに少々欠ける。キーをひねるが、無音。あれ?あ、そうそう、イグニッションボタンを押すんだっけ。変なところで凝ってるなあ。ワンプッシュ、と同時にVTECエンジンがヴォンと目覚める。思ったよりスポーティなエンジン音で、最近の静かなエンジン音に慣れた体には新鮮に感じる。やはり、ホンダ車はエンジンが全て、という想いが自然とよぎる。軽くレーシングすると、スムーズに、しかし想像以上に存在感を感じさせながらエンジンは呼応する。RX-7以上にエンジンの存在を主張するクルマだ。カタログではオモチャっぽいと感じていたデジタルタコメーターも悪くない。いや、正直にいうと、インテリアデザイン等の瑣末なことは、右足から伝わるVTECエンジンの鼓動による興奮にかき消されていたというのが本音だ。

○動力性能
 RX-7:★★★★★

ロータリーターボの吹けあがりは凄まじい、のヒトコト。セカンダリータービンが回り始める6000回転以上の加速は、正直私の感覚では追いつけないほどの吹けあがりを見せる(絶対的な加速性能では、インプレッサの方がすごかったけど)。ハンドリングもシャープ&ダイレクトで、スポーツカーとしても絶対性能はS2000を凌駕する。
 S2000:★★★★★

シフトを1速に入れ、静かにクラッチを繋ぐ。普通に前に進む。まあ、9000回転まで回るハイチューンエンジンとはいえ最新のクルマだ、予想通り、30km以下は極めて普通の車だ。交差点を右折すると、見通しのいいストレートが広がる。迷わず2速で全開!!小気味のいいビートを奏でつつ、スムーズかつリニアに速度を上げる車体とタコメーター。さすがホンダのスポーツカー、よく回るエンジンだな・・と感じた瞬間!!タコメーターが6000回転を超えると同じに、ターボのような加速が!!うわっ!こ、こいつは・・・速い!!私はVTEC搭載車に乗るのは初めてではない。シビックSiRやプレリュードSiRでは、そのスムーズかつ上質な吹けあがりに感動したものだ。しかし、こいつは・・・格が違う!シビックやプレリュードが、高回転域でも2次曲線を延長するように、そのまま回転を上昇させるのに対し、S2000のVTECは高速側に切り替わった瞬間、あたかもターボ車のように加速を倍増させる!誰だ、S2000のVTECを大人しいエンジンなんて言った奴は!確かに低速から高速域までスムーズに吹けあがるという表現には間違いない。しかし、高回転側カムへの切り替わりは、スムーズだが確実にそのポテンシャルを爆発させる。正直言って、街乗りの試乗では、9000回転まで回すことはおろか、6000回転以上回すことさえ、2回しかチャンスがなかった。それだけパワフルなエンジンと言える。2回目は上り勾配での2速フル加速だったが、S2000は1240kgの車重を全く意識させることなくその車体を加速させていく。比較してみれば、トルク感及び絶対的な加速スピードはRX-7に及ばない。しかし、街中レベルではその優劣を明白にさせる機会はほぼない。むしろ特筆すべきは、そのエンジンレスポンスの素晴らしさ!たとえそれが2000回転レベルの常用低回転であろうが、高回転側カムの作動した7000回転であろうが、僅かなアクセルのオンオフにも、まるで脳と直結しているかのごとくダイレクトな反応を見せる。こと気持ち良さ、リニアリティという点では、VTECエンジンの素晴らしさの前には、さしものロータリーエンジンもかなわない。エンジン屋、ホンダの面目躍如といったところだろう。
 シャーシについては、噂どおりオープンボディを意識させない高剛性ボディだった。私は評論家ではないので、理論的にボディ剛性の高さを説明できない。しかし、走り始めれば、おそらく誰もが車体のしっかり感を体感できるだろう。それは、例えばフロントウィンドウが揺れないとか、内装のきしみ音がしない、とかいった些末な剛性感とは次元が違う。加速、減速、コーナリング、すべてに時点において、あたかも一枚の巨大な金属の板に乗っているような、そんな感覚が感じられる。


 ハンドリングについては、非常にリニアといえる。うーん、説明が難しいのだが、なんというか、味付けが絶妙!としか言えない。低速でも高速でも、ハンドルはただありのままインフォメーションを伝えてくれる。パワーアシストも、重過ぎず、軽すぎず。なんだか当たり前のことのようだが、そうではない。タイヤのゴム、サスのブッシュ、ギヤやパワステオイル、そういったあらゆる機械的なデバイスの存在を感じさせず、路面情報を伝えてくれるのだ。伝えてくれるのは外部情報だけではない。入力に対し、いまクルマがどのようなアクションを取り、どのような状態にあるか、そういったことまで伝わってくる。つまり、ハンドルにすべてのクルマとの対話がこめられているといっても過言ではない。私は今まで、ノンパワーの愛車205GTiのハンドリングが、ことインフォメーションに関してはベストだと思っていた。しかし、S2000と比較すると、ガサツな感じがぬぐえない。ダイレクトだと思っていたノンパワーの手応えも、不必要な徒労に思えてきてしまう。RX-7ですら、不必要なアシスト感を感じてしまう。さすがNSXで世界一のハンドリングマシンと評価されただけある。非常に高いレベルにおいてだが、S2000が一枚上手だ。コーナリング性能については、私のレベルではその優劣を論ずるとこまでいかなかった。すなわち、両者とも全く不満がないレベルで、これ以上はサーキットにでも持ちこんでみないと何ともいえないというレベルにあるということだ。ただ、タイトターンレベルではRX-7の方がややフロントミッドシップらしい感覚が強かった。
 そしてオープンであることについて。ホンダ本社で座ったときは、やや閉塞感を感じたが、何故か走ってみると開放感が強かった。フロントウインドウについては、傾斜もそれほどきつくないし、位置自体も結構ハンドルから遠いため、あまり気にならない。サイドシルについても、やや大柄なボディのおかげか、パッセンジャーシートの広さが空間の広さを感じさせ、窮屈な感じはしない。MR-Sはやたらと空だけ高くって、まるでバスタブで移動しているような違和感があったが、S2000はオープンの爽快感を十二分に感じさせてくれる。

 正直に告白してしまうと、今まで色々書いてきた感想なんて、読まなくてもいい(笑)。素晴らしいVTECエンジンを小気味のいい6速MTを駆使しつつ堪能し、オープンの開放感を味わう・・・それがすべて。それだけで、他車と比較することすら無意味に思えてきてしまう、そんなクルマだった。いつまでも走っていたくなるような気分にさせる。走ることが楽しい!と純粋に感じさせてくれる、それがS2000だった。
 

○結論
 何だかメーカーに配慮して白黒つけられない評論家みたいな結論だが、どっちがいい、なんて結論は出せなかった。

一つ一つのファクターを抽出して比較していけば、例えば絶対的なパワーをもとめる人はRX-7、NAのリニア感をオープンの爽快さを求める人は、S2000をどうぞ!なんてありがちな結論は出せるかもしれない。でも、そんなファクターや理由はどうでもいいことだ。っていうか、両車に興味がある人の参考になれば、と思って色々書いてきたが、それすらどうでもいい。私がヒトコト言えることは、”ぜひ実際に乗って欲しい”。RX-7、S2000、どちらか一方を検討している人、スポーツカーにちょっとでも興味がある人、いや、なんならSUVを購入している人やクルマに興味がない人だってかまわない。とにかく両車に一度、乗ってみて欲しい。クルマを運転することを純粋に楽しむ、そのことに向けて、メーカーが魂を込め、本気で作ったクルマがどういうものかが分かる。そして、この2車に優劣をつける点があるとすれば、それは、もはやその人の感性にどっちがあうか。自分のドライビングプレジャーを感じる心が、どっちとシンクロするか。この方法でしか、結論は出せないと思う。もし悩んだ末にどっちかを購入したとしても、絶対に満足できる。そんなクルマだ。


 なんて言ってみたけど、上記がすべての人に当てはまるとは限らない。何だか何を言ってるんだかよく分からないと思うかもしれないが、言ってる本人もよくわからない(笑)。というのは、400万円という金額になってくれば、中古のポルシェやNSXといった、スーパーカークラスすら候補に入ってくるレベルだからだ。私はNSXにもポルシェにも乗ったことはない。当然フェラーリもない。こういったスーパーカークラスは、もしかすると、すべての面で上記2台を凌駕するかもしれない。だが、逆に言えば、そういったスーパーカークラスを除けば、つまり私が試乗してきたクルマの中では、間違いなく”買って後悔なし!”の太鼓判を押せる、これは間違いないといえる。何度も言うけど、ぜひ試乗してみて欲しい。それだけだ。
 蛇足だが、私自身の結論については・・・まだでていない。むしろ混乱する一方だ。ヒトコト言えるとすれば、S2000のtypeRが在れば、間違いなく私は今日ハンコを押していただろう。

 

*追記

結局この後、S2000初期型を購入しました。

500種類以上の車を試乗した今となっては、S2000は街中では回す機会がないので、正直それほど楽しい車とは思えません。それでも、NAで9000回転まで回るホンダのFRオープンカーというのは唯一無二の存在だと思います。人生一度は所有して後悔のない1台です、間違いありません。

 

マツダRX‐7―ロータリーエンジンスポーツカーの開発物語
小早川 隆治
三樹書房
ファイナルスペック Vol.6 S2000 (SAN-EI MOOK)
三栄書房
三栄書房