マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

欠陥マンション ①

2006年06月02日 | マンションの管理

新聞に。 日本建築構造技術者協会(JSCA)の調査で、都市再生機構(旧都市基盤整備公団)が、東京都八王子市で1989年に分譲したマンション1棟の耐震強度が、最弱部分で基準の58%しかないことが分かったと報じています。

多摩ニュータウン。 人気の地域でした。 46棟の分譲マンション群。 売り出し当時には、百倍近い応募率があったと聞いています。

ところが。 住民は、当初から漏水に悩まされます。 公団だから、と信頼して購入したにも関わらず、欠陥だらけだったのです。 補修をしてみると、悪質な手抜き工事が判明しました。

住民は、不安から構造計算書の提出を求めました。 すると、「紛失した」 との回答。 機構の内規で 「永久保存」 になっているのに、です。 機構により作成された再計算書はミスが発覚。 そして 「再々計算書」 。 その計算書に、柱の強度の水増しなど十数件の不審点があったのです。 しかも、構造計算書の紛失は、多数あるのです。

建築確認が免除されている公的機関が建設した建物の設計で強度不足が確認されたのは初めてです。

事態を重く見た国交省は、機構の担当者から事情を聞くなど調査に乗り出す方針です。 機構および住宅の信頼性は大きく揺らぐことになります。

北側国交相は、「この事案は極めて遺憾。とんでもない手抜き工事を機構が見抜けず、保存すべき構造計算書を紛失、再計算でもミスがあった」 と数々の不手際を批判しています。

これまで、これらの欠陥補修に費やされた数十億の補修費は、公団を受け継いだ都市再生機構の費用負担で行われています。 勿論、最終的には税金で補填されるのです。