マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

一粒の麦 ②

2008年09月19日 | 喜働

昭和十二年。 丸山先生が 不敬罪で留置され拷問を受ける場面が強い印象を残します。

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日本の武力進出が多くの難局を生み、政府は 『国民精神総動員』 のスローガンのもと、思想弾圧を強化します。 多くの団体が解散に追い込まれ、思想取り締まりで投獄・拷問の末に虐殺されます。

丸山先生も凄惨な拷問を受けます。 無実の罪とは言え 獄中にあることを両親に申し訳ないと心から詫びます。 壁の向こうに父母が現れ、三人で涙に包まれていきます。

ここで、先生は両親への恩愛を超える天の恵みに気付きました。 すると、自分を拷問する刑事にまで感謝することが出来たのです。

心の底から父母の慈愛を知り、かたじけなさに涙がこぼれ心のしこりが解け去っていく。 それまでは何もわかっていないことに気付いたのです。

涙の洗浄力のすごさに目覚め、体験が説得力を持つことを知ったのです。 裁判の公正な判決に期待して でっち上げの調書に署名しました。

裁判は検事側の捏造資料を採用して懲役三年、執行猶予二年の判決を昭和十七年に言い渡したのです。 上告も昭和十九年に棄却され、有罪判決が決定しました。なお、昭和二十二年に不敬罪そのものが廃止され、刑は不問に付されました。 丸山先生らを有罪にした人々が逆に戦争犯罪人として刑を受けたのです。 神渡さんが淡々と書いた文書に僅かに溜飲が下がる思いを感じました。

この不敬事件を通して、人の世の価値基準は はかないと痛感されたのでした。 獄中での異常な体験が、絶対倫理に繋がりました。

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品格の欠如

2008年09月18日 | 喜働

三笠フーズを始めとする事故米不正転売は、次々と信じ難い事実が判明してきます。

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もはや、開いた口も ふさがらない という状態です。

企業が ここまで倫理観を失うのは、何故でしょうか?

もちろん、企業活動では事業環境の変化に適応していかなければ、存続すら危ぶまれる状況になりかねません。 変えるべきものは大いに変えていかねばならないのです。

しかし。 変えてならないものは変えない。 これが大切です。 『変えてならないもの』 のトップに企業の倫理観があります。 コンプライアンス(法令や規則などを遵守する)の問題以前に、倫理やモラルを守ること。 それが 『変えてはならないもの』 だと考えます。

最近、法令さえ守ればコンプライアンスは成立するという風潮が目立っていました。 いわゆる、法の抜け穴を突くような行為です。 こうした企業のいくつかは社会の信用を失って消滅しました。

今回の事件は不正転売。 文字通りの違法行為。 長年に渡って事業を継続してきた経営者が自ら不正行為を指揮しました。 拝金主義の権化と成り下がったのでしょう。

いったい、この国の品格は どうなったのでしょうか? 丸山先生が60年も前に嘆かれた通りです。 教育が進めば進むだけ人々は悪がしこくなり、科学が発達すればするだけ、世の中は不安になっていきます。

企業には倫理が必要なのです。 コンプライアンス以前に企業倫理を大切にすべきです。 倫理観こそ変えてはならないもの、不変のものとすべきなのです。

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子育て応援

2008年09月17日 | 民生委員

北九州市の 子育て応援イベント が十一月に行われます。

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いま、主任児童委員部会は、その実施に向けて会合が重ねられています。

十一月の計画です。 先ず、16日から22日まではパネル展。 各区の活動を紹介するので、この検討と作製が佳境を迎えています。 28日には子育て応援講演会。 そして、30日には 『ふれあいフェスタ』 と続きます。

講演会は、食育がテーマです。 講師は、キムタクの お母さんの予定です。

十二月からは、作製したパネルを活用して、各区で 『パネル展』 を開催します。 7区を持ち回るので、翌年の三月まで継続して実施します。

本来ですと、2ヶ月に一回のペースで実施される 主任児童委員部会です。 しかし本年度は、この子育て応援イベント準備をするために、月に2回くらいのペースで開催されています。 毎回、戸畑で会合です。 結構、時間をやり繰りして参加しています。

確かに忙しいけれど、人から頼って頂ける内が花、なのでしょう。

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一粒の麦 ①

2008年09月15日 | 喜働

神渡 良平 さんの書かれた 『一粒の麦-丸山敏雄の世界』 を読み終えました。

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倫理研究所の創始者である、丸山敏雄先生の生涯を克明に著しておられます。

「一気に読み上げた」 という方も多いようですが、私は読破まで何日も掛かりました。 それは、書かれている内容が深く、その度に考えさせられたからです。

そして、読後の今は、大きな感動に包まれています。

多くの読者の中で幸運だと感じたことがあります。 それは、丸山先生の前半生の舞台となる豊前や小倉などに土地勘があることです。 だから、一層の愛着を持って読み進めることが出来ました。

書名ともなっている 『一粒の麦』 は、丸山先生の 『万人幸福の栞』 最終ページに書かれています。

「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん。 もし死なば、多くの実を結ぶべし。 己が生命を愛する者は、これを失い、この世にてその生命を憎む者は、これを保ちて、永遠の生命に至るべし。」    (「ヨハネ伝」)

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店が閉まる

2008年09月12日 | 喜働

昼飯は、あの店で食べよう。 久し振りやなぁ。

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そうして 久々に 行ってみると 閉店してしまっている。 そんなことが増えました。

元々、夫婦だけで 店を稼働させていて、段々と高齢化しているなぁ と感じていたような店が多いのですが。

八幡東区のラーメン屋さんも そんな店の一つ。 あっさりと閉店していました。

御主人と、とっても愛想の良い奥さん。 職人気質の御主人は奥さんの愛想の良さを差し引いて余りが出るほどに無愛想。 黙々とラーメンを作ります。 話している所さえ 殆ど見たことがありません。

この御主人が、ひたすらラーメンを食べている私に向かって、何と笑いかけてきました。 そして 一言。 「ラーメンが 美味しかろう?」

どういう意味なんじゃろか? そりゃあ、自分で作っているラーメンやから、美味しいと思うとろう。 わざわざ言わんでん 良かろうもん。

と。 そこで気付きました。 『そうか。 俺の食べ方に言いよるんばい。』

麺好きの私は、一気呵成に食べます。 大盛りで頼むと麺がノビるから、必ず替え玉。

ラーメンが出される → 食べ始める → 直ぐに替え玉注文 → 食べきった所に替え玉出される → 替え玉も一気に → ときどき 替え玉追加

御主人は、こういう私の気迫の食べっぷりを見て、「(その食べ方なら)ラーメンが 美味しかろう?」 と言ったのでした。

どおりで いつもは苦虫を噛み潰したような顔が、そのときは笑顔でした。 何年も通って、初めて見る笑顔。 自分の作ったラーメンが、そういう風に食べられることが嬉しかったのですね。

職人として、思わず笑顔になったのでしょう。

そのラーメン屋も無くなっていました。 もう、あの味には再会できません。 本当に残念です。

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