金属の水滴、5個です。
黄銅器が4個、銅器は1個です。
金属の水滴は数多くあったのですが、値が付く(かろうじて)物は処分しました。
残った物のいくつかです。
いずれも取り立てての品というほどの物ではありませんので、まとめて紹介します。
水滴は、墨をするとき、硯に水を注ぐ容器です。
私は書は全くダメですので、水滴を実際に使ったことはないのですが、今回、使う立場で、5個の水滴を評価してみました。
形や大きさは様々ですが、片手で操作する関係上、大きさ(6-11㎝)と重さ(95-300g)は、そこそこの範囲におさまっています。
鍔型の水滴です。黄銅製。
8.2㎝x7.7㎝x高 2.0㎝、重さ 283g
七宝で色紅葉が表されています。
鍔の向きはこちらでしょう。
大型ですが、水がなかなか入りません。また、どういう訳か、注ぎ口から、水がなかなか出てきません。重いので、そのうちに手首が疲れてきます(^^;)
兜型の水滴です。黄銅製。
8.0㎝x8.0㎝x高 5.6㎝、重さ 276 g
水は、武将の口から出るのですが、出が悪い。強く傾けるとドッと一気に出てしまいます。そこで、指で兜の頭にある注入穴をふさごうとすると、兜の前立にあたって痛い(^^;)
オーソドックスな水注型水滴です。青銅製。
11.2㎝x7.6㎝x高 2.3(5.4)㎝、重さ 300g
安定感のある形の水滴です。上側全面に唐草模様。
水の入れ口も大きく機能的に思えるのですが、いざ使ってみると、水がなかなか出てきません(^^;
唐物とおもわれる水滴です。銅製。
8.0㎝x4.6㎝x高 6.5㎝、重さ 115 g
デザインがしゃれています。
側面には雰囲気のある文字が彫られています。
蓋をとると、穴が2つ。真ん中の穴は・・・
裏まで続いています。蓋のピンはそこへ収まります。
水を入れるのは、その横の小さな穴。ずいぶん時間がかかります。
そして、いざ、水注ぎとなっても、肝心の水がなかなか出てこない。
これはもともと別用途の物だったのでしょうか。
飾っておくには格好の品です(^^;
瓢箪形の小さな水滴です。
6.0㎝x3.9㎝x高 2.1㎝、重さ 115 g
瓢箪とマサカリに、紅葉があしらわれています。
養老の滝でしょうか。
裏側はかなり擦れていて、よく使われていたことがわかります。
水は、上の口からなんなく入ります。
肝心の水注ぎですが、片手で、すんなりと水が出ます。しかも、上の口も、親指で調整自在。さらに、瓢箪の口が少し手前を向いているので、わずかの手首の動きで、微妙に注水をコントロールすることができます。点、点、点・・・と水を落とすことも可能です。
手のひらにすっぽりと収まる大きさと形です。
このまま、手の上でころがしたくなります。
実際、数限りなく手の中で遊ばれてきたのでしょう。
まろやかな手触りです。
根付けに似ていますね。
結局、道具として、評価に値するのは、1個でした(^.^)
私も、人並みに、コレクションの過程で、李朝モドキとかを3~4点集めました。
今では、何処かに入り込んでいるのでしょうけれど、何処にあるのか分かりません(-_-;)
なるほど、水滴は、いろいろとあっても、実際に使ってみると、使い易いものは少ないんですね。
古くから伝世しているものは、造形的にも優れているし、愛らしいし、使い易いんでしょうね。
李朝の水滴、難しいですね。それほど高価な物でないので偽物が少ないのでは、と思っていたら大間違いでした(^^;
後に勉強したら、「使用痕を見よ」でした。
金物も一緒ですね(^.^)