現在、辺野古側での護岸工事が進んでいるが、防衛局は環境保全図書で「辺野古側は、汚濁防止膜の設置が海草藻場に損傷を与える可能性があるため、設置しない」(6-7-125)としていた。そもそも、海に投下する石材は採石場でダンプトラックに積んだ状態で十分に洗浄するので汚濁が拡がることはないというのだろう。
ところが、石材を海に投下するたびに、海がひどく白濁することが確認されている。石材は、かけた水の濁度と洗浄後の水の濁度が同じになるまで洗浄することとなっているのだが、このような実態は洗浄が全く行なわれていないことを示している。
(N3護岸造成工事による海の白濁 2018.4.25)
現在、K4護岸の造成工事が進んでいるが、すぐ近くには絶滅危惧種のヒメサンゴが残っている。防衛局は当初、護岸工事で影響を受けるとして移植のための特別採捕許可を申請した。ところが知事がそれを不許可にすると、今度は移植するという方針を改め、残置したまま工事を進めると方針変更したのである。1日当りの石材投入量を半分にし、汚濁防止枠を2重から4重にすればサンゴへの影響はないと言い出したのである。
下の写真を見てほしい。汚濁防止枠が4重になっている。ところが、汚濁防止枠に沿って白く禿げてしまっていることが分かるだろう。これは環境保全図書で、「海草藻場に損傷を与える可能性がある」としていたとおり、汚濁防止枠によって海底の海草藻場がめくり上がり砂地が出ているのだ。
(K4護岸、N5から辺野古崎に向かう現場 2018.5.4)
(K3護岸からK4護岸に向かう部分 2018.5.11)
この海の白濁、海草藻場の損傷から、いくつもの問題が明らかになる。
まず、環境保全図書に記載のなかった汚濁防止枠の設置であるから、埋立承認の際の留意事項に基づき知事の承認を得るべきであるのに、それを得ていなかったこと。また、そのために海草藻場が大規模に損傷し、環境に取り返しのつかない影響を与えたこと、さらに石材を全く洗浄していないこと----。
防衛局の違法行為は許しがたい。