作品紹介・あらすじ
これぞ怪談文芸の最高峰!
怖ろしくも美しい。哀しくも愛おしい。
建物にまつわる怪現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、家屋に宿る気持ちを鮮やかに掬いあげる。
我が家は安心……だから危うい。
恐怖と郷愁を精緻に描いた全6編を収録。
「待ち伏せの岩」
渓谷で起きた水難事故で若者が亡くなる。彼は事故の直前、崖上に建つ洋館の窓から若い女に手招きされていた。一方、洋館に住む多実は、窓の外に妖しい人影を見る。
「火焔」
イビリに耐えて長年介護してきた順子には、死後も姑の罵詈雑言が聞こえる。幻聴だと思っても、姑の携帯番号から着信を受け、誰もいない家の階段で肩をつかまれ……。
「歪む家」
温かい家庭を知らない弥生は、幸せな家族を人形で再現しようとする。しかしドールハウスを作り込むうちに些細なきっかけで「歪み」が生じ、やがて異変が起こる。
「誰が袖」
典利は戸建てを新築し、第一子の出産を控えた妻と母親が暮らしている。以前に住んでいた屋敷には幽霊がいた。当時を思い返した典利はふと、あることに気付く。
「骸の浜」
河口付近の家にひとりで暮らす真琴。荒れ果てた庭の向こうには、低い垣根越しに海が見える。この街の沖で水難に遭った死体は、靄と共にこの庭にやってくるのだ。
「茨姫」
死んだ姉を偏愛していた母親が他界し、響子にとって辛い思い出が募る実家が残った。荒れ果てた家を整理するため、ツルバラで覆われた庭の小屋に入ると……。
読書備忘録
どれもこれも、そんなのやだー!なお話 だ・け・ど・・・
「待ち伏せの岩」 を、読んでいて思い出したことは・・・写真もあるし、そこには行けるのに絶対に行かなかった。のに、写真は見たがった。それは移築して公開していた建物で、係のその人が夕方閉めるために見回っていた時に、ふわふわと遊んでいるんだねきっと!って、写真が出て来るんだけれど、みんなして柱に入って来ちゃったんだなーって!フツーに話していたのにびっくりした。あちこちで見てんのか?しょっちゅう!って思ったのでした。
「火焔」 義母は、着物や宝石をたくさん残して逝った。お嫁さんなんだからもらっちゃいなさい!って仲の悪い姉妹が狙っていたのを、近所のお友達が言ったのだけれど、何ひとつもらわなかった。なんで?って聞かれたから、死んでまでイジワルされるのは嫌ですから・・・まさかネックレスしたら首がしまっちゃうとか、帯でも?・・・そうそうそれです。・・・まぁわからないでもないね。と・・・
「歪む家」 お人形は怖いと思うから手元に置いたことはないからこのお話を読んでいて、わわわ!
「誰が袖」 納戸に幽霊がいたから納戸はきらい!そりゃそう!迷信と言ったって身重の妻がいる身だからね。
「骸の浜」 雨戸を叩いて知らせる死者!
「茨姫」 庭の小屋にぶら下がっている姉の姿に白い二本の足!でも、でもなのです。いいお話だなぁー、美味しい珈琲が飲めますように!
最後のお話で登場した堂原とすべてのお話を解決する営繕屋の尾端とも不思議な人・・・これからお庭の時は堂原かも?
ぞわぞわ読んでいても尾端がいるから、どうやって解決するのだろうと楽しみでもあった。
その四が楽しみ!
★★★★★