作品紹介・あらすじ
「だって人は誰でも、失敗をする生きものですものね。だから役者さんには身代わりが必要なの。私みたいな」
金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ「ラ・シルフィード」。
交通事故の保険金で帝国劇場の「レ・ミゼラブル」全公演に通い始めた私が出会った、劇場に暮らす「失敗係」の彼女。
お金持ちの老人が自分のためだけに屋敷の奥に建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活することになった私。
演じること、観ること、観られること。ステージの彼方と此方で生まれる特別な関係性を描き出す、極上の短編集。
読書備忘録
「指紋のついた羽」 縫製工場で働く縫子さんと父子家庭の従業員の子供が一緒にバレエを観に行って・・・
「ユニコーンを握らせる」 入試のために泊ったおばさんの家でのお話。おばさんは昔、女優だった人。食器の底にはセリフが・・・
「鍾乳洞の恋」 口の中から白い生き物が生まれちゃったのよね。節まで数える?小さいのに・・・
「ダブルフォルトの予言」 劇場で暮らしているのね。しかも”私”以外誰にも見えない。それはもうホラーでしょう。
「花柄さん」 出演者が出てくるのを待ってサインをもらっていた。花柄さんは、いつも花柄のスカートをはいていたのです。(過去形)ベッドの下にはサインをもらったパンフレットが詰まっていました。
「装飾用の役者」 コンパニオンと言うお仕事。それは大変。N老人の私邸の劇場で装飾用の役者と言うのが今回のお仕事。
「いけにえを運ぶ犬」 おばあちゃんの話は何の前触れもなく始まる。おばあちゃんは双子だった。子宮の中にいる時・・・おばあちゃんが弟を飲みこんじゃったから一生外にでられなくなった。だからおばあちゃんは弟に話を聞かせていると。
「無限ヤモリ」 保養所の管理人夫婦はヤモリを育てて売っている。無限ヤモリだ!その保養所の近くの床屋さんは精巧なジオラマがある。ようやく授かった子宝をなくしてしまい、まるでジオラマの中にいるかのような・・・えー!・・・ホラー。
何といいますか、久しぶりの小川洋子さんの作品ですから心して読み始めました。
心して読んではいたものの、あん?と初めに戻って・・・そして、あー・・・ちょっと気が散っていると置いて行かれているから私には飛び切りの集中が必要でした。