本・井上荒野 「猛獣ども」

2025-02-11 06:51:54 | 図書館本 読書備忘録 

 作品紹介・あらすじ

「愛の行方」を書きながら、そもそも「愛」ってなんなのだろうとずっと考えていました。
自分にとって大切な小説になりました。
                              井上荒野

「姦通」していた男女が熊に殺された――。
閑静な別荘地で起きた事件は、愛に傷ついた管理人の男女と、6組の夫婦に何をもたらしたのか。
愛の行方の複雑さを描く傑作長編!

運命の人からきらわれたり捨てられたりすることもある。

「このふたりは姦通していた」何度読んでも笑ってしまう。まるで私宛の手紙みたいだ。 ――小林七帆

伽倻子と七帆はひと続きなのか? 結局俺は、伽倻子を愛したときから、ずっと同じことをしているだけなのか? ――小松原慎一

そりゃあそうよね。男と女のことなんて、全部間違いみたいな。 ――柊レイカ

ふたりはとんでもなくうまくいっている、幸せな夫婦なのだから、相手の挙動の変化には敏感なのだ。みどりはアトリエに忍び込むことになった。そして知った。 ――神戸みどり

テントの外には熊が、人食い熊がいるのだ。だが純一は、再び愛の体に没頭する。そう、愛に没頭するのだ。 ――野々山純一


               

 読書備忘録 

”そもそも「愛」ってなんなのだろう” に・・・ね。

私も70年生きているけれど、「愛」ってなんだ?

「姦通」していた男女が熊に殺された。で始まる長野県の八ヶ岳の別荘地の定住者たちの話

熊に殺された男女がW不倫てことでその家族と、新たに社内不倫がわかり別荘地の管理人としてやって来た七帆も加わり、なかなかどうして、面白いお話でした。

これも愛、それも愛、どれも愛・・・よくわからない愛とやらのために嘘をつくことだってあるでしょ?

まぁ、うちの別荘地も当初の活気はどこへやら、立派な管理棟も閉鎖され、そこにあったレストランも当然閉鎖、予約のなかなか取れなかったテニスコートも草ボーボー、合宿ができるほどの大きな建物もお化け屋敷みたいに放置されていたのが、気が付いたら壊されていた。それらは、県のものだから・・・

管理は市の外郭団体・・・県と市は仲が悪いのか?

車はなくても一日何本と約束はできないけれど、下の集落まで来ているバスがここまでくる予定があります。と、聞いていたけれど、予定はあくまで予定であって未定であったねー・・・

どんな人たちが定住しているのか?と少しは興味はあるけれど、案外どうでもいいと思う自分がいるわけで、以前熊が出た!と、ゴミ置き場に出ていた時には、挨拶だけですれ違う方たちとひとしきり話題にしたことがあったっけ・・・

本書は民間の別荘地って事でね、左遷できちゃったのね七帆は、その不倫相手が(どの面下げて!)やって来たけれど・・・なかなか慎一とのコンビもいい感じになって来ていたから・・・ここにも「愛」が!

そんな別荘地に替え歌を歌うYouTuberが現れ・・・

猛獣どもめ!

★★★★★