国道を走る時にチラッと見る山の姿を一日中、見ることになるとは思わなかった。これは自分の病室からの景色なのだ。
3日前の朝、起きた時に少しお腹が痛かった。その痛さは腸風邪の時のような感染が起きているような、腹膜、腸間膜から来ているような痛みだ。
そのまま、仕事に出かけたが午後になると痛みが強くなり、雲古が出るのかと思ってトイレに行っても何もでなかった。それを何度か繰り返すうちに、痛みを我慢していればやがて痛みは去ることに気がついた。
仕事にはならないので、夕方に掛り付けの医者の所に寄り、2か月に一度貰う薬を処方してもらい帰宅した。その際に、何か他に具合の悪いところはないかと問われたが、腸風邪をひいたようでお腹が少し痛いが、明日には治っているだろうと答えた。そう、その時は本当に大したことのない風邪と思っていた。
帰宅後、ソファーでのんびりしていると暑い。変だなと思って体温を測ると37.2度。体温を測ると言うのは、最近の新型コロナ騒動で身に付いた発想だ。何故なら、ここ10年、いや20年ほど、熱が出たことがなかった。37.2度というのは新鮮な驚きだった。
その新鮮な驚きは一時間後に、新たな驚きに変わる。38.0度に急上昇した。真っ先に考えたのは、やはり新型コロナウィルスへの感染だった。お腹の痛みは相変わらずだったので、食事を摂らずに床に着いたが眠れなかった。
布団の中で体温を測ったり、体の状態をあれこれとかんがえた。体温は38.4度を最高点にして、38度台をキープ。朝方に下がり始め、37.4度となる。腹痛は下腹部に集中してきているのか、下腹部だけ痛みがましたのか。しかし、呼吸器系には異常は感じられない。やはり、新コロではない。
会社の規定では休まなければならず、別に働きたいわけではないが、連絡を入れ事情を説明して休むことにした。
最近は新型コロナウィルス感染の情報収集を担当していて、大抵の情報は分かっている。感染初期の症状にはバリエーションがあることは報告されているが、呼吸器系の異常がまったくない、とか腹痛だけと言う話はない。それよりも、発熱した状態では病院が診察を受け付けないという話は沢山聞いていた。新コロでは38度以上の熱が3日以上続けば診察を受け付けるというので、自宅で様子を見ることにした。
熱は朝の10時には38度に戻り、腹痛は良くもならず、悪くもならず、晩飯を少し食べるが味が無いことに愕然、慌てて胡瓜の漬物をは食べるとちゃんと味がある。妻が塩味を控えめにウドンをつくってくれたらしい。はっきり言って控えめ過ぎだ。
この日は随分、寝汗をかいたが結構寝れた。そしてまた、朝6時の体温は37.2度に下がったところで、あさから病院へ行くことにした。
会社にまた、休むことを伝え、かかりつけの医院に電話を入れた。微熱があることを伝えると電話口で随分待たされる。その挙句にこちらから電話するまで自宅で待機するように言われた。一時間は待っただろうか。電話があり、医院の駐車場で待つように言われた。また、30分ほど待たされて、ようやく医院の裏口から中に入った。
看護士が医師と自分の間に入り、問診。
尿検査、血液検査、腹部と胸部レントゲンを撮る。しばらく待つと、多分、新コロではないと判断したのだろう。向かい合って話を聞く。医師は同い年でもう20年くらいの付き合いで、私が何処の何物かも知っている。
CRPが20000以上、白血球が17000以上、とんでもない値だと言う。近くの中核病院を紹介するから直ぐに行くようにと言われたのだ。それほどの違和感もなく、了解し隣町の病院まで走った。道のデコボコが腹に堪えるドライブだった。
長くなり過ぎた。続く。