今日もきのこ 観察日記

野山を散策したときに見かけたきのこ、草花、虫などを書きとめておきたい。いろいろ教えてください。

雨の日の松露探し 2008.11.24.

2008-11-24 20:41:00 | Weblog
 今日は、連休最後の日。前から海岸の黒松林で松露を探そうと決めていた。天気予報では、随分前からこの日だけが何故か雨となっていた。この所、天気予報はあまり当たっていなかったので、その通りになるとは思っていなかったが、本当に雨の一日となった。それどころか、雨量の予想は1㍉だったのに、ザアザアと降ってくれた。





 公園の中に黒松の林がある。かなり広い公園で、どこを歩いても黒松林だ。歩き始めて、直に雨が降り出した。予報では1㍉だからまあ、こんなものと思っていたのだが・・・。

 松露はなかなか見つからなかった。ウェブの記載では以前は沢山出たのだが、さっぱりだとか・・・。こっちは経験が無いに等しいので、松露は出ていないのか、見つけられないのか、分らない。それでもウロウロと歩いていると、一箇所だけ、数個の松露が出ている場所を見つけることができた。



ショウロ


 昨日までいい天気だったせいだろうか、乾燥してしまっているが、表皮がやや赤味を帯びている。


 おっと、これはコツブタケだ。



コツブタケ


 しかし、雨が強く振り出したので、一時撤退することにした。加古川名物のカツめしを食べ、雨の様子をみた。雨は一向に止まず、それどころかひどくなるばかり。意を決して本命の海岸の黒松林のある公園に向かった。





 この場所でも、なかなか松露は見つからなかったが、黒松が茂り日陰となって下草が少ない場所、松葉が落ちて遠目に赤っぽくみえるような場所に松露は見つかった。



ショウロ


 探せばまだまだあっただろうが、雨はひどく、夕方のような天気なので早めにやめることにした。香りのものだし、収穫はこれで十分だった。二年前から、ここにいつか松露探しに来ようと思っていたのだが、ようやく来ることができ、目論見通り見つけることが・・・・出来た。それにしてもひどい天気だったな。

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2題 イモタケとなめこの収穫

2008-11-18 07:18:15 | Weblog



 実は土曜日に淡河のS公園に行ったときに、もう一つ収穫してきたものがあった。といっても、正直なところ臭くて捨てようと思ったようなものです。上の写真に写った場所に転がっていた。それが、これ。








 相当古いようで、強烈な臭いがした。ついた泥を水で洗い流し、置いておいたら、直にコバエが何匹か飛んできた。この外側のイボイボはトリュフに似ているではないか・・・。ナイフで切ってみた。








 切り口の模様はマーブル調だが、黒くない・・・・。じゃシロトリュフ?・・・。困ったときにいつも意見を伺うH氏はイモタケだろうという意見だった。調べると正にその通り。これは「砂漠のトリュフ」という異名を持つきのこだそうだ。日本産のイモタケはむしろ、ジメジメしたところにでるようで、詳細な調査が必要である可能性があるとのことだった。



 次の話題はナメコ。16日の日曜日にほだ木1本分のなめこを収穫した。





   



なめこ


 本日の収穫・・・。






本日の収穫


たのしいね。
大きいのを選んで網で焼いて食べた。絶品!
前日に採ったクロカワもいける。


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まだ、冬眠には早すぎるか・・・・2008.11.15.

2008-11-17 07:17:45 | Weblog



 前回の扇の仙遠征から帰ってきてから、左肩の痛みがひどく、力尽きたような気がして、今年のきのこはやーめた!!と思っていたのだが、あれからまた、なめこ採りに誘っていただいたり、ハナイグチがまだ出ているぞ、などと周囲はまだまだ元気で、なかなか落ち着かない。


 自宅の庭の枯れ草、剪定した枝などを捨てに近所の焼却所まで行ったついでに、久し振りに淡河のS公園を一周した。相変わらず肩の調子は最悪で、辛いことは辛いのだが・・・。


 この季節だから、多くの事は望めないのだが、以前聞いたことのある、この公園内で出ているというシモフリシメジが確認できれば、今後に繋がるなと思っていた。公園は、流石にオフシーズンで、デイキャンプ場にはバーベキューを楽しむグループが一組いただけだった。


 シモフリシメジは、いつもは赤松の林の日当たりが比較的良好なところで見つけているのだが、以前、ウバメガシの下に出ると聞いたことがあった。そんな情報を頼りに歩いて行くと・・・・。


   



シモフリシメジ Tricholoma portentosum (Fr.) Quél.


 あっさり見つけることができた。この写真をみると松葉が一緒に写っていて、たまたま赤松の近くにウバメガシが植わっていただけかもしれない。そして、シモフリシメジの近くにはシモコシが出ていた。カメラの同一アングルでシモフリとシモコシが写っているなんで贅沢な話だ。


 その場所を過ぎて進んでゆくと、小さな赤いきのこ、傘の径は1cm程、に出会った。



Hygrocybe sp.

相変わらず、この手のきのこは分らない。この季節には似合わない赤。


 その後、夏の盛りに他の場所からきのこが消えた時もいろいろと楽しませてくれた日陰の湿地帯に入るが、目にとまったのはこの公園では見たことがない、ツクツクホウシタケだけだった。



ツクツクホウシタケ Isaria sinclairii (Berk.) Lloyd

この菌の培養液から免疫抑制物質が精製され、その誘導体から今、新しい薬が開発されようとしている。そう思うと不思議。


 湿地を抜け、歩いて行くといつも地肌が剥き出しになった赤松の林に出た。秋に小さなクロカワを見つけたところだ。まだあるかもしれないと思い、探してみた。






クロカワ Boletopsis leucomelaena (Pers.) Fayod

驚くほど白い。これではシロカワだ。それでも触ったところは黒っぽく変色してゆく。


 その近くにクマシメジ?が出ていた。



クマシメジ? Tricholoma terreum (Schaeff.) P. Kumm.


 車に戻ることにして、デイキャンプ場に戻る途中、イグチを見つけた。この時期まで出ているのはヌメリイグチと決まっている。



ヌメリイグチ Suillus luteus (L.) Roussel


 デイキャンプ場からさらに車に向かう途中、道の右手の林の中に幾つかきのこが出ているのがみえた。





   



ムラサキシメジ Lepista nuda (Bull.) Cooke

食味は好きなきのこではないが、この時期に出会えるのは有り難い。菌輪を描いていた。


 最後になって、また暖かくなり、明日は雨も降りそうだ。まだ、何かでるかな?



サルトリイバラ



ホトトギスの仲間
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なめこはどのくらいで大きくなる? 2008.11.09-15.

2008-11-16 07:15:12 | Weblog



 自宅の庭のなめこのほだ木からなめこが出始めて、今日で1週間が経った。山でなめこを見つけたときに、どのくらいの時間でなめこがどの位、大きくなるのか知りたいと思ったことはないだろうか?小さな幼菌が沢山出ていたとき、来週来たら収穫できるだろうか、不安に思ったことがある。その時の気温、湿度、降雨の有無など、影響する因子は多いとは思うが・・・


 この1週間の様子を報告する。





11月09日





11月12日(3日後)


 この日、モッコウバラの下に入れていたヒラタケのほだ木を覗き込んで驚いた。ヒラタケの大きな株が隠れていた。径30cm程の大きな株・・・・。





11月12日


そして、1週間後だ。







11月15日


 大粒のなめこの幼菌。今回は初めてなので傘が開くまで収穫は待とうと思ってはいるのだが・・・さて、どうしたものか?






菊 キク 聞く?
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遠征の翌日 自宅にて 2008.11.09.

2008-11-11 07:27:29 | Weblog
 間違いなく今年、最後の遠征となった扇ノ仙の翌日、なかなか寝床から出られず、やっと起き出したのはもう、昼近かった。これから、どこかに出かける元気もなく、庭をうろついた。


 いつも何かしら、花が咲いているような庭、雑草のように花が咲いている庭、そんな庭にしたいと思っているのだが・・・・。



いろんな菊が勝手に咲いている・・いや、咲かせている・・・








   





 今年は、庭の広葉樹がみんないい色をして紅葉している・・・。特に今年の欅はいい。コブシも緑から薄黄色に紅葉してきた。





 よく見ると、綺麗に紅葉したコブシの枝に足を絡めるようにして、一匹の蝉が死んでいた。きっと、全部の葉が散り落ちてもあの蝉はじっとして、そのまま枝に留まっているに違いない。気持ちが沈んでくる・・・・。


 庭のナメコのほだ木を覗く。菌打ちしてからもう3年目だ。もう、出ないものと諦めていたが、漸く出だした・・・・・・。






ナメコ


 沈んできた気持ちが、少し明るくなった。昨日、ナメコに出会えなかったのは当然だ。自宅の庭でもう、ナメコが出始めていたのだから・・・。調べてみるとほだ木、5本あるうちの3本から出始めていた。


 庭を見渡して、トマトが赤い実を沢山付けていたことを思い出した。




 



 
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ナメコは終わったの?

2008-11-09 22:40:09 | Weblog
 11月上旬だと言うのにもう、ナメコは終わりなんだろうか?雨も降ったし、また、出始めているんじゃないのだろうか?何度も行ける所ではないが、今週も3時間半かけて扇ノ仙に向かった。朝から雨。天気予報では午後も余り期待の出来ない天気だ。



ムラサキシキブ


扇ノ仙のブナ帯に着いて、道から山へ入るところにムラサキシキブが生えていた。ピンボケで申し訳ないが、紫の実と紅葉した葉の対比が好きだ。これを見ると秋の終わりを感じる。


 その後、先週歩きまわった辺り、少し高度を上げた辺りの沢の周辺を見て廻ったが、少しのヒラタケ、クリタケ、そしてムキタケが見つかっただけだった。



ムキタケ




クリタケ



 これは、なんだろう?随分古い枯れ枝から出ていた。白色タイプのモエギタケ?



モエギタケ?


 これも、クリタケではなさそう。クリタケモドキでもないし・・・。


   
不明


 金曜日までの暖かい気候とは変わって、肌寒い風が吹いていた。そして、風が吹くたびに木は残り少ない葉を落としてゆく。








 ブナ帯の秋はもうすぐ終わりだ。曇り空のせいもあるだろうが、冬は近くまで来ているように感じた。


 帰りに久し振りに日本海を眺めてから帰った。浜坂、諸寄・・・・、昔、投げ竿を担いで歩いた浜だ。
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遠征の日々の代償 2008.11.03.

2008-11-07 06:36:08 | Weblog
 今年は何となく、タイミングが終盤に来て破綻したのかな・・・。どうも、一番いい時期を外すことが続いているような気がする。去年、ひどくきのこの発生時期が遅れたことが、そのまま頭にインプットされてしまったからなのか・・・。


 今日は、これまで出会っていなかったホンシメジがどうなっているのか確認に行くことにした。ホンシメジのシロの近くに行くには友人に会わずには行けない。その友人とあまり顔を合わせたくない事情があって、ご無沙汰してしまった。それが、昨日、分らないきのこがあるから見てくれと電話があったのだ。


 朝、9時過ぎに家を出て友人宅の周りを少し散策した。



サザナミツバフウセンタケ? Cortinarius bovinus Fr.?

いつも、ショウゲンジが沢山出ている場所だ。もう、盛りはとっくに過ぎていたが、まだ幾つかショウゲンジは出ていた。その中で形の良い幼菌の写真を撮った積りだったが、今、確認してみるとショウゲンジではなかったようだ。


 そのまま、斜面を登り、ホンシメジのシロを見て廻った。かろうじて、育ちすぎたホンシメジを一本だけ見つけた。しかし、それ以外、老菌も見当たらない。誰かが採って行ったのだろう。



ホンシメジ Lyophyllum shimeji (Kawamu.) Hongo

傘径15cmくらいはあるが・・・・。


 友人のところでしばらく話をした。見てもらいたいきのこというのは・・・ほとんどがホンシメジだった。どういうこっちゃ?それと、シャカシメジが数株。ことしはシャカシメジが遅くまで出ていたようだった。


 その後、車で例の定点に向かった。本当は来年のために違う山の様子を見たかったのだが、この時期では間違って止め山に入ってしまってはシャレにならない。


 車を停めて山に向かう途中、アマニタが出ていた。傘の色は茶色がかった薄黄色。傘の模様は・・・こんなの見たことない。ツバは膜質、薄黄色だ。









Amanita sp. (シロコタマゴテングタケ近縁種?)

特徴から、シロコタマゴテングタケのバリエーションとした。H氏によるとシロコタマゴテングタケにはバリエーションが多くあるということだ。幼菌が2つ顔を出していた。


 この場所を過ぎてから、山を登って行くのだが、今回は川沿いに出来るだけ進み、そこから急な斜面をよじ登ることにした。新しい場所を歩けば新しい出会いがあるはずだと思ったからだ。川沿いを進む。日が余り差し込まない林。その中の斜面に白く結構大きなきのこがかなり出ていた。






ホンシメジ老菌?

場所としてはホンシメジのでる場所と言うイメージはないのだが、林の中で唯一、落ち葉が積もらない斜面に出ているというのは意味がある。きのこはかなりの老菌であったが、ホンシメジ、シロフの老菌を思わせる。かなりの数だ、もっと早く来ていれば・・・・。来年の楽しみにしよう。


 そこには、この辺りでは珍しいクリタケも少々出ていた。



クリタケ Hypholoma sublateritium (Schaeff.) Quél.


 そこから、急斜面を登り、前にコウタケに沢山出会った場所まで高度を上げた。周囲を探したが、流石に新しいシロには出会えなかった。戻る途中で道の脇にハタケシメジを見つけた。



ハタケシメジ Lyophyllum decastes (Fr. ) Sing.


 下って行く途中にムラサキシキブの木があった。





   
ムラサキシキブとリンドウ




リンドウ


 また、赤松の林を分け入り、辺りを探す。






ホンシメジ老菌 Lyophyllum shimeji (Kawamu.) Hongo


 やっぱり、タイミング悪い!!


 冴えないねぇ、ズレだしたらとまらない・・・。



ツリガネニンジン






ツルリンドウ


 
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AS渓谷でウォーキング(2)  2008.11.02. (2)

2008-11-06 07:19:05 | Weblog
 ヒメサクラシメジと出会ってから、もう随分歩いてきた。それでも、この渓谷はたいした高低差もなく、まだ、奥へと続いている。


 川沿いの道の脇に随分と朽ちた、おそらく広葉樹だっただろう、枯木が立っていた。その木から茶色のきのこが幾つか出ていた。周囲をみると、周りの地上からも同じきのこが出ている。








 木から出ている比較的若い個体にはさほどのヌメリは感じなかったが、地表から出ていた老菌は明らかにヌメッていた。そのヌメッた傘の匂いを嗅ぐと、ナメコのような弱い肉桂の匂いがした。しかし、いくらなんでも地表からなめこは出ないだろう。ヒダの色はクリタケに近い。でもチャナメツムタケだってそれほど変わらない。クリタケモドキという意見もあったが、大きいもので傘径7cm、柄も細くはない。


 ということで、結局分らなかった。モエギタケ科は間違いないだろう。


 そのちかくの杉の木の根元付近からはミイノモミウラモドキが出ていた。



ミイノモミウラモドキ Entoloma conferendum var. conferendum (Britzelm.) Noordel.


 苔の間から、顔を出しているきのこは・・・



ミネシメジ Tricholoma saponaceum var. squamosum (Cooke) Rea

臭いを嗅ぐと、微かに特徴的な臭いがした。ミネシメジ。


 川原に横たわった広葉樹の倒木から薄黄色の菌が出ていた。また、マスタケかなと思ったのだが、丸い。見たことがないので分からないのだが・・・ヒラフスベだろうか?それとも、やはり、マスタケ幼菌?








 また、しばらく進むとナラタケの大群生に出会った。相棒と黙々と採ったのだが、この所、ナラタケには随分出会っていたこともあり、写真を撮らなかった。今思えば、今年出会ったナラタケ群生のなかで、一番だったのだから、写真に撮っておくべきだったと思う。それも、後の祭りだ。


 その代わり、ナラタケの脇にでていたキララタケの写真は撮ることが出来た。






キララタケ Coprinellus micaceus (Bull.) Vilgalys, Hopple & Jacq. Johnson






 その少し先、風で川に倒れこんだのだろう、浮き上がった大木の根元付近からクリタケが無数に出ている。






クリタケ Hypholoma sublateritium (Schaeff.) Quél.

鋏を使って、片っ端から収穫した。どれも小振りの個体ではあったが、籠はすぐ一杯になった。


 それからも歩き続け、行き止まりになるまで歩いた。最後にミネシメジの群生に出会った。


その後、車まで歩いて戻り、弁当を食べた。4時間近く歩いていたことになる。結構、疲れた。そう、この渓谷の紅葉の見頃は、まだ、先のようだった。


今回の食用きのこはというと、ナラタケ、クリタケが山ほど採れ、見たことのないきのこにも出会えたのは良かった。まあ、満足の一日だった。
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AS渓谷でウォーキング  2008.11.02.

2008-11-05 07:14:09 | Weblog
 遠征ばかり繰り返していて、身近に出るキノコの様子がチェックできていない。特に気になっていたのはシモコシ、ホンシメジだ。そろそろ?もう、遅い?ナメコ探しの翌日、足腰が多少痛むがまたきのこを求めて家を出た。


 まず、自宅から車で5分ほどのシモコシのポイント。このポイントでは、先週は、まだ出ていないことを確認はしていたが、H氏によれば先週に姫路周辺ではシモコシが大量発生し、随分と収穫したらしい。と、なるとこのポイントでもそろそろ出始めなければおかしいのだった。

 
 目的の場所に到着し、車を降り、若い赤松が生える急斜面を眺めて行く。シモコシは、やはり出始めていた。









シモコシ Tricholoma equestre (L.) P. Kumm.


 そして、例年、シモコシと同じ時期に出る、クマシメジ。ひょっとしたらハマシメジかもしれないが、傘の色に褐色は混じらず、つねに黒灰色だ。






クマシメジ Tricholoma terreum (Schaeff.) P. Kumm.


 そして、これもこの時期に毎年見ていて、アカヤマタケの真っ黒なヤツと思ってきたのだが、今日は相棒がじっくりと眺めていて、紺色に変色する・・・という。そう言われてよくよく見ると柄の傷つけた部分は紺色に変色してから、黒変するようだった。そして、さわった指も黒くなっていた。初心、忘るべからず。決め付けてきのこを観てはいけない。





   
Hygrocybe sp.

どうやら、アカヤマタケではないようだ。Hygrocybe sp.で、紺色に変色するものがあるという話を聞いたことがある。それが、これなのかも知れなかった。


 さて、ここから、高速に乗り、宍粟まで走った。どこに行くかは決めていなかったが、高速を走りながら、高低差のほとんどなく紅葉のきれいなAS渓谷へ行くことにした。去年の経験では、ブナは自生しないものの、きのこについては変わったものや、食用となるものが結構でるという印象だ。


 国道から左に折れ、川を渡ったところで右に入る。そのまま、川の上流へ向けて走った。渓谷の入り口には何かあったときに進入禁止にするためなのか、コンクリートの柱が道の両脇に2本立っていた。その先で車を停め、きのこの籠を下げて上流へ向けて歩いた。


 最初のきのこは道から一段下の川原に落ち葉が積もった辺りに出ていた。



コムラサキシメジ Lepista sordida (Fr.) Sing.

この時期に出会ったことがない・・・・。


 その近くには傘も柄も小型のlactarius sp. ひだは垂生、傘に条線がある。



lactarius sp.


 この渓谷は実にモミの大木が多い。秋の紅葉の時期以外に来たことがないが、梅雨時、秋の早い時期に来ても楽しめそうだ。そのモミの枯れ枝からオレンジの菌が出ていた。去年の冬、フェムスジョウタケに興味を持ち、いろいろな写真を見比べていた時、これと同じようなものを見ていた。妙にチヂレがあるのが特徴だ。



unknown...


 ツチグリ・・・



ツチグリ Astraeus hygrometricus var. hygrometricus (Pers.) Morgan


 川原が広くなった場所があった。そこに横たわる枯木からマスタケが出ていた。食用にするには大きくなりすぎだ。






マスタケ Laetiporus miniatus (Jungh.) Overeem


 隣の枯木からは小さな、ヒダを持つきのこが・・・・



Pholiota sp.???


 そして、モミ樹下に出る・・・・。



ヒメサクラシメジ Hygrophorus capreolarius (Kalchbr.) Sacc.


 初めて出会った。サクラシメジよりはるかにおいしい、と図鑑に書いてあったが、ほとんど収穫していなかった。

(つづく)
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扇ノ仙でナメコさがし(2) 2008.11.01.

2008-11-04 07:14:55 | Weblog
 最初の場所で沢山採って、余裕で他の場所を探すという、目論見は粉砕されてしまった・・・。去年はこの時点でコンビニ袋5杯だったのになぁ・・・


 一度車に戻り、次の谷を下ることにした。その戻り道で・・・大きなクリタケの株に出会った。






クリタケ Hypholoma sublateritium (Schaeff.) Quél.


 少し車で下り、再度ネマガリザサをかき分けて入ってゆく。細い流れを覗き込むと、何という名前かは知らないが、小さなサンショウウオがいる。捕まえようとしたが、のそのそと歩いて岩の間に入っていってしまった。



サンショウウオ


 本日、3度目のナメコとの遭遇・・・。少ないが、大きなブリブリの幼菌だ。こういうのに沢山出会わないといけないのだけれど・・・



ナメコ Pholiota microspora (Berk.) Sacc.


 さらに進んでいくが、出会ったのはまたもやクリタケ・・・。









クリタケ Hypholoma sublateritium (Schaeff.) Quél.


 幾つかのブナの倒木が横たわっている場所があった。薄いピンク色のゼラチン質のきのこが沢山付いている。





   
ニカワチャワンタケ Neobulgaria pura var. pura (Pers.) Petr.


 そして、白い容姿のきれいなキノコ・・・・ブナシメジだ。









ブナシメジ Hypsizygus marmoreus (Peck) Bigelow


 そして、そのブナの倒木の下には・・・・。



マメザヤタケ Xylaria polymorpha (Pers.) Grev.


 新しいクチキトサカタケも出ていた。



クチキトサカタケ Ascoclavulina sakaii Y. Otani


 ヒラタケも出ている。小さくて薄っぺらいけれど、ヒラタケだ。






ヒラタケ Pleurotus ostreatus (Jacq.) P. Kumm.


 ナメコに遭遇できないまま、何箇所かを探索したが、今回はこの位にしてやろうか・・・、と車に戻りながら相棒と話した。





 川を横切るたびに周囲を覗きながら、車で山道を下って行く。


 倒木にツキヨタケの痕跡が残っていた。そして、溶け落ちそうな老菌。






ツキヨタケ(痕跡、老菌) Omphalotus guepiniformis (Berk.) Neda


 そして・・・・



ヌメリツバタケモドキ Oudemansiella venosolamellata (Imazeki & Toki) Imazeki & Hongo


 まだ、2時半だと言うのに、何度も言うが、紅葉の山に来ていると、山が夕焼けに染まっているようで落ち着かない。帰ろう。








 帰宅は17時30分、運転6時間、散策4時間30分の旅だった。やっぱり、遠いね。
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扇ノ仙でナメコさがし 2008.11.01.

2008-11-03 07:45:26 | Weblog
 いよいよ、ナメコの季節がやってきた。いや、季節はかなり前から来ていたことは知っていたのだ。9月28日の芦生の合宿のときにナメコの幼菌を既に見ていたのだから・・・。それが、ハシリであったとしても、あれから一ヶ月が経過している。気にはなっていたが、やっと腰を上げたというのが正直な所だ・・・。


 朝、7時に自宅を出発し、高速道路を利用して2時間半後、ようやく扇ノ仙への登り口に到着した。そこからブナ林帯まで登って行く途中、杉林の中に白いものを見かけた。スギヒラタケなのだろう。車を降り、確認に行った。別に珍しくもないのだが、今年、綺麗なスギヒラタケに出会っていなかったのだ。



スギヒラタケ

近づいてみると、杉林の中、杉を間引いた切り株からスギヒラタケが出ていたのだが、今朝にかなりひどい雨が降ったのだろう、泥が跳ねて傘にかかっていた。その周りには山葵が植えてあり、栽培をしているようだった。


 杉林を越えてから、道は急な上り坂となり、やがて周囲には紅葉の木々が増えていった。日が差し込んだ山肌の紅葉が、日陰から鮮やかに浮き上がって見えた。





 そして、山全体が紅葉の木々に覆われた光景。自宅周辺の里山の風景とは違うスケールの大きさだ。

 空には青空が広がり始めた。今日は一日、良い天気になりそうだ。





 高度を上げるにつれ、やがて周囲にはブナの木が多く交じるようになる。まず、去年、ナメコがビッシリ出ていた場所から見てみることにした。


 目印のブナの木のポイントから、ネマガリザサをかき分けて山に入る。少し、下っていったところの細い倒木から、幸先良く、ナメコがでているのを見つけた。



ナメコ Pholiota microspora (Berk.) Sacc.


 さらに細流に沿って下る。




 去年の倒木は直ぐに見つかった・・・。ナメコはやはり大量に発生していた・・・。でも、ひどい老菌で、とても収穫の対象とは言えなかった・・・。1週間は早く来なければならなかっただろう・・・。今年のナメコの発生は去年と比べると1ヶ月近く早かったということになるのか。ショックの余り、写真を撮ることを忘れていた・・・・・。


 気を取り直し、また、探し始めた。細い倒木に去年も見たクチキトサカタケをでていた。



クチキトサカタケ Ascoclavulina sakaii Y. Otani


 そして、その反対側には若いナメコが・・・・。



ナメコ Pholiota microspora (Berk.) Sacc.


 そして、



(ニオイ)アシナガタケ Mycena polygramma (Bull.) Gray

はっきりした判別法を知らない・・・臭い以外は。その臭いに自信が持てないのだ。


 そして、大好物のムキタケ・・・。



ムキタケ Panellus serotinus (Schrad.) Kühner


 近くの倒木には初見参のニカワツノタケと思しききのこが出ている・・・。



ニカワツノタケ Holtermannia corniformis Kobayasi,


 そして、ブナハリタケが大量に出ている場面に遭遇した。少し、古めでオレンジピールのような特有の匂いが強かった。特に、ブナの枯木がらでるブナハリタケは匂いがきついように思うのだが・・・・。



ブナハリタケ Mycoleptodonoides aitchisonii (Berk.) Maas Geest.




ブナハリタケ Mycoleptodonoides aitchisonii (Berk.) Maas Geest.


 その脇にユキザサの宝石のような赤い実が成っていた・・・。



ユキザサ

(つづく)
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