サイコクヒメコウホネ
自宅近くの公園にアリマウマノスズクサが咲いていたと教えてもらったので、確認しに行くことにした。その公園が出来たのは2000年頃、だからここにはもう20年以上お世話になっているのだが、アリマウマノスズクサが自生するなどということは全く知らなかった。去年、見つけた木本のウマノスズクサが今年の開花を確認して、アリマウマノスズクサと分かったところなので驚きだ。
まずは公園の担当者に詳細を聞くと、園内の奥に自生地があり、そこから移植したものを管理棟近くに植えているとのこと。移植して4年くらい経っていて株は大きくなって花数も増えて来ているらしい。国内のウマノスズクサの研究者とは連絡はとっているのだが、社の森公園の話は聞いていないので、一応、知らせておいた。となると、自生地でアリマウマノスズクサを実際に確認しておきたいところだ。
酷暑の15日、午後から雨雲が近くを通りそうな雨雲レーダーの知らせがあり、公園に連絡を取り現地を教えてもらうことにした。公園に約束の時間に行くと担当者の若さにとてもびっくり。現地は散策路からかなり離れていて危険なので案内してくれるとのこと。途中、野池の一つに寄り説明してくれる。黄色い花はサイコクヒメコウホネ。サイコクヒメコウホネはコウホネ、オグラコウホネ、ヒメコウホネが関わった複雑な交雑の結果できたもので、いろいろな特徴の異なるコウホネの集団をいうらしい。園内の複数の池にはサイコクヒメコウホネが自生しているが特徴が微妙に異なるとか。
その他、この池にはヒツジグサとかヒルムシロ、ジュンサイなどが生えている。他の多くの池ではアメリカザリガニが入り込んだことによって、水草は消えてしまったようだ。
20年間、一度も来たことのない散策路をどんどん進み、さらに道から森の中を草を掻き分けながら進む。この木にはフクロウが営巣していた・・・、とか、今、足もとをマムシが流れ下って行ったなどと言われながら、「自生していたのはこの辺です!」。針葉樹、広葉樹が混じり薄暗い谷沿いの森。下草は1mくらいあるだろうか。30分くらい二人でアリマウマノスズクサを探して廻ったが見つからない。そもそも、ほとんど蔓植物が見当たらないのだ。諦めかけて斜面を登る途中でようやく小さな株をみつけた。
移植した株から花が咲いて同定されていなければ、アリマウマノスズクサとは分からないだろう。
担当者は若いだけあって歩くのが早いので、ついて道を登ったり下ったりするのは息が切れるし、気温も上がって苦しい。後でチェックしたら心拍数は145まで上がっていた。水分補給をしながらいろいろ説明をしてもらいながら戻った。途中、アオゲラが一声啼き、キビタキが飛んで行った。
管理棟が見える場所まで来てから絶滅危惧種のミゾコウジュを見せてくれる。
ミゾコウジュ
その脇の土手に・・・・
ウマノスズクサ??
ウマノスズクサはアリマウマノスズクサがジャコウアゲハの幼虫に食べられないように、池の周りに植えているのだとか。そのウマノスズクサは元々、自生していたものもあり、ひょっとしたら移植されたものも混じっているかもしれないらしい。
ウマノスズクサ
脱水症になりかけで、どこにピントを合わせたのか分からないような写真で失礼。雰囲気だけでも・・・・
奥の自生地まで歩かれたのですね。
もちろんわたしには未知の場所
読み進めていくうちに
わたしの心拍数もあがりました。
毎年この時期に訪れる森ですが
まだまだ知らないことがたくさんです。
マムシは嫌だけれど
そういうところも歩いてみたいなぁ~。
いろいろな意味で危険な感じ。春のうちなら下草もすくなくて歩き易いのかもしれません。結構、レアな植物も群生していたりして・・・・