11/14、雨の土曜日、行きたかった映画「THIS IS IT」へ。
これは私が持っていたアルバム。もちろんレコードで。
これが出た当時はホントにマイケルブームがあって、誰もがムーンウォークの練習をし、
その後誰もがスリラーのダンスを真似た時代。
LPをテープに録音して、ウォークマンで擦り切れるほど毎日聞いていたあの頃、懐かしい。
ワタシは熱狂的なファンだったわけではないけど、マイケルの音楽は大好きだった。
前職(アパレル)の関係で、1988年のマイケルの東京ドームツアーを、
幸運にもアリーナの前から10番目あたりで見せてもらった。
触れられそうな位置にいたマイケル、それはそれはド肝を抜かれるほど素晴らしいステージ。
それまで日本のROCKのステージしか見たことのなかった私は、
本場のアメリカのパフォーマンスって桁違い!と思ったものだった。
そして日本のアリーナのファンもすごかった。
小学生までもがみなソウルで「マイコゥ~!マイコゥ~!」と叫んでいた。
ファンの声がうるさすぎて「もうちょっとおとなしくしてよ」と思ったっけ(笑)
・・・だけど今日、映画を見て現実のものとなった、
「もう、あの素晴らしいステージは二度と見れないんだ。」
この数年、日本では彼の奇行ばかりが取り上げられていたけれど、
常に世界の頂点であり続けることの重さは、
誰もマイケルになったことがないのだから、理解してあげられるはずもなく。
その精神的な重さを考えると、奇行と思えることも無理もなかったのかな、と感じた。
そして、こんなことになる前に、奇行じゃなくて世界レベルのパフォーマンスを広く知ってもらっていたら・・・
いつも人は失ってから気づくんだよね、
とつい思ってしまう・・・本当に残念、惜しい人を失いました。
映画が終わって出口へ歩いていた時、
「マイケルってあんなに優しい声なんだね」
と話していた若者。
ああ、そのレベルでしか知られていなかったのが現実なんだなー、と思いました。
今日の観客は私たちのようなマイケル世代とマイケル知らない世代が半々。
でもどちらもこのステージの完成した姿、
”続きを見たい・・・”
と思ったと思う、そうに違いない・・・でももう続きはそれぞれの胸の中へ。
私の中ではバブル期の象徴だったようなマイケル、
最近景気の悪化で元気のない世の中だけど、
また音楽の世界でこれほどの影響力を与えられる人物が、
私が存在している間に現れるのだろうか?
お金に糸目を付けず、常に最高のステージを魅せることだけを考え、
自分という仮の姿で、誰かに幸福と愛と夢を訴え続けることが出来る選ばれし人・・・。
数々の名曲に酔いながらもなんだか切なくて・・・
そして色んな思いが込み上げて来る映画でした