カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

GWは佐渡・金北山縦走編

2014-05-12 | ヤマのこと

2014.5.4(日) 続きです


昨夜の風は止んだだろうか・・・4:30、おそるおそる外に出ると・・・


 
朝日だ~!
目指す方向の雲はまだとれないけど、この程度の風ならいけるんじゃない?あわてて支度をする。




昨日はガスっていてなにも見えなかったドンデン高原と港が見えた。
佐渡の地形は3つに大別できる。今いるのが大佐渡山地(おおさどさんち)、港の向こうが小佐渡山地(こさどさんち)
この2つの間に穀倉地帯の国仲平野(くになかへいや・画像右手)が広がっている。想像よしてたより大きな島だ。



 
さあ出発!お世話になった山荘をあとにし、昨日歩いた「金北山縦走路入口」まで戻り、そこからは未知の道。


 

朝日を受けながら登ります。前を行くダンナに追いつけずうまいタイミングで撮れなかったのですが、
こんな風に多くの登山道脇はカタクリで囲まれていました。



 
雪の残るところもあり、ひと汗かいて登りきると目の前がぱっと広がり「マトネ(孫次郎山)」



気持ちのよさそうな縦走路が続いています。目指す方向が全部見えている場所で一回目の休憩。



 
雪がついたり無くなったりを繰り返しながら「石花越(いしげごえ)分岐」




笹原にアマナがいっぱい!でも朝早いせいか?咲いていませんでした。




このあたりから本格的な尾根歩きとなる。う~ん、目指す山頂はまだまだ遠いなぁ・・・




でも左に両津湾、右手に外海府の海を見ながらの稜線歩きはTHE島!って感じがして気持ち良いですね。
屋久島とはまた違った趣のおだやかな島、という感じがしました。



いやぁ、それにしてもなかなかな・・・




海抜0mから立ち上がる山脈は、標高1000m程度の山とは思えないダイナミックさがありました。




久々の重たいザックで疲れるけど、お花を見つけると元気になる。稜線に花はほとんど咲いていませんでしたが。



 
ほとんどは赤テープをしっかり見ていれば大丈夫だと思いますが、ついついトレースにつられ、
どうにも進めなくなった箇所がありました。木々の間を潜り抜け、しがみつき、ようやく抜けだす。
跳ね返ってくる木の枝にビンタされたり、暑くて腕まくりしていた腕に数か所擦り傷が(^_^;)
迷ったのはたぶんイモリの頭あたりだったのかな?晴れていてもやはり注意が必要ですね。



必死で抜け出たので疲れた・・・でも振り返るとドンデン山荘があんなに遠く(中央右)なってた。


 
道迷いで体力消耗したので「天狗の休場」で15分ほど休憩し栄養補給。
このあたりから雪は増え、だけど気温が高く日当たりが良い場所は雪がグズグズ、うっかりすると踏み抜きます。




いよいよ前方に今日1回目の核心部、雪の壁が現れました。
先行するグループが登っているのが見えます。
同じ時間帯に縦走していたのは私たちを含め3組と、軽装の日帰りピストン?3組ほどでした。





ステップが切ってあるのとロープもあるから大丈夫だけど、途中から上部の傾斜がスゴイ!
落ちたら這い上がってくるのが大変そう・・・(^_^;)




強く踏み込むと腐った雪が崩れるのでそーーっとそーっと、でも急ぎ足で登り・・・




登り切って安心したせいか、最上部に深さ1.5mほどの亀裂があることに気づかす(画像右下から中央へのライン)
うわっ、と慌ててまたごうとした足元の雪が崩れ、危うく頭から亀裂に落ちそうになる私(゜Д゜;)
よかった~カメラザックにしまって登ってきておいて。カメラ落としたら泣く!このままもう一度後ろに落ちても泣く~!




2度目のヒヤリ終了(笑)そこから山頂まではほとんどが雪。雪で盛り上がってしまい高度感のある場所もありました。




なんだかんだとドンデン山荘から約5時間かけて、ようやく「金北山1172m」大佐渡山脈の主峰到着です!
山頂付近は不思議な構築物がいっぱいでなんだか居心地が悪い・・・
でも眼下に広がる海、米どころ新潟の田んぼが広がる国仲平野、眺望はとても良かった。
昨日の天気が嘘のように穏やかな天気に感謝、ここまでこれて良かったね~。


 
おなかペコペコ!神社脇で休憩しているともう会えないかな?と思ってたワンゲル部君たちも到着。
全員が礼儀正しい気持ちのとっても良い爽やかな青年たちで、昨日から彼らといろいろおしゃべりして、
元気をもらいました、ホント、楽しかった、ありがとう。またどこかのお山で会えたらいいですね!


 
さてここからは今回2度目の核心部。
なぜならほとんどの登山者は白雲台へ下山(事前に防衛省への届出必要)、横山登山口へ降りる人は少ないのです。
地元の方はこちらを下山することを勧めません、雪があると道迷いしやすいからだそうです。

でもどうしてもこちらへ降りたい理由がある。
ここは予習し経験者のアドバイスを受けたり、スマホGPSもセットしたし、ガスっていないので今日は大丈夫なはず。
ピンクテープを確認し、姫ヶ沢から登ってくる方のトレースもあったので、GPSと見比べながら降りて行きました。
山頂から見ると両津港を見ながら90度雪の斜面を下り、左のピンクテープのある木々の中に入っていく感じでした。



 
次の赤テープまでの間隔が広く解りにくい個所もありましたが、トレースを辿り、振り返ればこの景色。
うん、そうだ、予習の通りだ!大丈夫。このまま進もう。


 
雪がついたりなくなったり木をくぐったりを繰り返し「天狗岩」へ到着。



 
そして、こちらに降りてきた理由は・・・




この足元のお花たち。


 
オオミスミソウのお花畑があるという道で、自生のオオスミソウを見たかったからです。


 

 
よく見るといろんな色や形、大きさもまちまち。なんて色彩豊かなのでしょう。
多分旬はもう過ぎてしまっていて数は少なかったですが、この子に会うためにはるばる来たので会えてよかった。




唯一この白い子が一番大株さんだったかな。咲き残っていてくれてありがとう。




神子岩で最後に稜線を眺め、タクシーの時間までに降りるためのラストスパート開始です。
神子岩から右手に姫ヶ沢へのルートを見(私が立っている場所から右手が姫ヶ沢)左手の樹林帯の中に降りていきます。



こちらはきれいなブナ林でした。雪の重みでしょうか?同じ方向に曲がったブナたち。



そんなに寄りかかると重いよー。


 
じゅんさい池のあたりまで来ると、ようやくナガハシスミレに会えた。マキノスミレも。
でももうザックの重みで足腰が疲れ、しゃがんで写真を撮る元気がありませんでした(笑)


 
小ぶりなタチツボスミレも白っぽい子から紫の子までのグラデーション。 しおれたアラゲヒョウタンボク


 
真っ白で葉の大きなスミレはだ~れ? 突如現るオバケ水芭蕉(*^_^*)


 
一旦沢に出て、赤テープの方向をよく見て登り返す。
オウレンの花が終わった風車が登山道の両端にわんさか出てきて、白やピンクの大岩鏡が現れると・・・


 
延々続くような下山道も終わりに近づき、スタートから9時間という長いようで短かかった一日が終わりました。
暑かっーーーーた。くーたびーれーたーーー。



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「横山登山口に降りる人はほとんどいませんが本当に大丈夫ですか?!」

と三日前に予約したタクシー会社さんに言われましたが、約束の15:30前には無事に降りてくることが出来ました。
迎えに来てもらって一安心、そこからは15分ほど走って今宵の宿へ。

 
予約しておいたのはたけさんが去年泊まった両津港から徒歩5分、貞子がでそうな「海老名旅館」
(目星を付けた宿、何ヵ所かあたるも1か月前には既に満室でした)
80歳を超えたおかみさんがしゃんしゃんしてて気さくで温かくて良い人だった~こういう安宿は私、結構好きです♪



  
お風呂で汗を流し、行動食しかとっていなかったのでお腹ペコペコ。下駄で近所の町へ夕飯を食べに行く。
町と言ってもコンビニもないし、店も数件しかないので、たまたま17時過ぎに開いていた寿司屋「魚春」にはいる。
佐渡の美味しいお魚と地酒は疲れた体に沁み渡り、夜は地元のお祭りを見に行って初めての佐渡の旅を終えたのでした。




長くてスイマセン、最終日に続きます(^_^;)







【行程】ドンデン山荘6:12→マトネ7:30→石花越分岐7:53→イモリ平8:55
    天狗の休場9:40→金北山頂11:25~11:50→天狗岩12:30→神子岩12:55
    横山登山口合流点14:05→横山登山口15:10  タクシー(¥2500位) 旅館15:30(素泊り@5000円位)



■縦走の場合、天気の良い日はかなり暑く感じるので、大目に水を持ったほうがよいでしょう。(水場は未確認)

■オオミスミソウは天狗岩と神子岩の間に集中して咲いていたので下山が横山登山口ではなく、
 姫ケ沢登山口のほうが歩行距離が短くお勧めかも知れません。姫ヶ沢登山口のほうがタクシー代かかりますが。

■GW後半は佐渡でバスケの大会?があったそうで早い時期から港に近い宿は満室。
タクシー予約も3日前に電話したのですが3社から車の手配が出来ないと断られました。焦りました。

■両津港周辺で夕食をとれる店は極端に少なく、たまたま17時に入った店で食べれましたが、
18時以降は予約で一杯でした。混雑状況にも寄りますが素泊まりの場合の食事は事前に調べたほうが良いかもしれません。

■エアリア地図に佐渡はないので、こちらで事前にトレッキングマップを送って頂きました佐渡トレッキング協議会
 登山道の状況なども解ります。

■横山登山口 携帯(docomo)アンテナ1本 ギリギリ通話可能