■メイン写真
稲村ヶ岳山荘前の夕陽
■今回のコース
9日 ごろごろ茶屋駐車場→母公堂→法力峠→山上辻(稲村ヶ岳山荘)→大日のコル→
稲村ヶ岳→大日山→稲村ヶ岳山荘[泊]
10日 稲村ヶ岳山荘→(往路を戻る)→ごろごろ茶屋駐車場⇒洞川温泉センター
稲村ヶ岳へは、たいてい日帰りで登るのだが、そこそこの健脚が求められる。
しかし、山頂近くの稲村ヶ岳山荘に泊まり、行程を2日間に分ければ、そこまでの脚力が
なくても登頂は可能になる。ということで、久しぶりに宿泊日程を組んでみた。
ごろごろ茶屋駐車場からスタート。
道を渡ったところに、ごろごろ水の湧水地がある。
この水が駐車場に引かれ、各駐車スペースに一つずつ蛇口が設置されている。
石灰岩質の地層を何年もかけてくぐってきたミネラルウォーターだ。
五代松鉱山跡の前を通る。
かつて磁鉄鉱などが産出された。1981年に閉山。
まずは登山口横の母公堂に参拝。
修験道の祖・役行者が母のために建てたと伝わるお堂で、村人が輪番で堂守をされている。
顔見知りの堂守さんが復帰されたようで、ひさしぶりに再開。
「頭がえらい白くなったね~」とおっしゃる。前にお会いしたのはコロナ前だっなあ。
さて、登山スタートである。
法力峠へ向かう登山道は、五代松新道と呼ばれる。
五代松鍾乳洞を発見した赤井五代松氏が開いた道だ。
沢を横切るところが幾つかあるが、先日の台風7号の豪雨で、岩がガラガラと
崩れてたまっているところもあった。
法力峠に到着。涼しい風が抜けるので、いい休憩スポットだ。
ここまではずっと植林だったので、景色はやや単調だった。
この先はアスナロが少しみられ、右側は自然林になって目を楽しませてくれる。
傾いたトタン小屋は、かつてのトイレ。
かつて、奈良の子供たちは数え年で15になる年に、男の子は山上ヶ岳、女の子は稲村ヶ岳に
登拝した。学校登山も多かったため、設置されたものだ。
Nの形、そして三つ編みのようになったヒメシャラ。
ふたたび植林になって退屈だなと思ったら出現する、「マンモスの木」。
今ではすっかり、中盤の人気スポットである。
ここも崩れて間もない岩屑だらけ。しばらく要注意だ。
まだまだ暑いが、あちこちでみられるさまざまなキノコをみると、秋が近づいて
いるんだなと思う。
お地蔵さん。
ここまで来たら、山上辻まであと20分ほどだ。
ガレた沢筋を渡る。鎖はかかっているが、岩が湿っていて滑りやすくなっている。
転落事故もあった場所なので慎重に通過する。
折り返して反対側に出るところも微妙な場所だ。
いくつもある頑丈な桟橋のおかげで、かなり助かっているのだが、山荘に着くまで
の間の最後の桟橋は、巨大な落石により90度傾いていて、そのまま放置されている。
見ると、土台を岩盤に打ち込まずに、岩盤の上にそのままコンクリートをかぶせただけに
なっている。確かこれでは強度は足りなかっただろう。
山上辻に到着。
屋根にソーラーネルを貼った公衆トイレと、昔ながらの風情がいい稲村ヶ岳山荘がある。
昼の時間は少し回っており、ようやくここでランチタイム。
チェックインの前に、おやじさんに挨拶だけ済ませ、山頂へと向かう。
左にシャクナゲ群落、背の低いササ原の道を進むと、海坊主のような形の大日山が
迫ってくる。
水滴がしたたる垂直の岩壁の下を抜けて、短い急坂をこなせば、大日のキレットだ。
いつの間にか大日岳の前を巻いてきたことになる。
足元はスパッと切れ落ちているが、ここは岩本谷を遡行する際に、最後に登りつく場所だ。
稲村ヶ岳の山頂に到着。
この日のお客様の中には、中学時代、学校登山で稲村ヶ岳を目指すも、バス酔いのため
断念させられた苦い思い出がある方がおらせた。約半世紀ぶりにリベンジを果たしたことになる。
感激もひとしおだろう。
山上ヶ岳は、さっきまで見えていたのに、山頂に着いたら雲がかかってしまった。
赤とんぼがいっぱい飛んでいるのはいいが、それに交じって羽アリがまとわりつき、
油断していると腕や首筋を咬むのには閉口する。
登頂の感激はどこへやら、記念写真を手早く撮って、そそくさと山頂を後にした。
日帰りで下山するとなると、このペースでは一目散に山を下るしかないが、
山小屋泊となれば時間はたっぷり。
大日のキレットで荷物をデポし、大日山に挑戦だ。
距離は短いが、非常に急峻で、長い木のハシゴは傾いたり、取れかかっている板もあって
油断ならない。
大日如来像がおられる大日山のピークに到着。
修験の世界では、ここが女人大峰の行場である。
本来は、ここが「稲叢」と呼ばれていた。
稲村ヶ岳山荘に到着。夕方、少し雨が降った。
いつもお世話になっているご主人の貴重なお話を聞きながらの夕食も楽しい。
宿泊客は我々のパーティのほかは単独行の男性が一人だけ。ゆったりした夜を過ごす。
翌朝、すがすがしい晴天。
ただ、天気予報では昼頃から雨になるかもしれないという。
ゆっくり慎重に下山し、ごろごろ茶屋駐車場で空いた水筒にごろごろ水を満たす。
温泉街で土産物を探しにぶらついたあと、11時開店の洞川温泉センターで入浴。
帰りに道の駅黒滝で買い食いを楽しむ。最後はすっかり旅行気分になってしまった。
【この日見かけた植物たち】
■シラヒゲソウ
この時期に登るのは、これが目当てでもある。
まとまって咲いていた株もある。
■オヤマリンドウ
■サラシナショウマ
■マタタビの実
■ジイソブ
■ウメモドキかなあ?
■トリカブト(カワチブシ)
■ホソバイラクサ
稲村ヶ岳山荘前の夕陽
■今回のコース
9日 ごろごろ茶屋駐車場→母公堂→法力峠→山上辻(稲村ヶ岳山荘)→大日のコル→
稲村ヶ岳→大日山→稲村ヶ岳山荘[泊]
10日 稲村ヶ岳山荘→(往路を戻る)→ごろごろ茶屋駐車場⇒洞川温泉センター
稲村ヶ岳へは、たいてい日帰りで登るのだが、そこそこの健脚が求められる。
しかし、山頂近くの稲村ヶ岳山荘に泊まり、行程を2日間に分ければ、そこまでの脚力が
なくても登頂は可能になる。ということで、久しぶりに宿泊日程を組んでみた。
ごろごろ茶屋駐車場からスタート。
道を渡ったところに、ごろごろ水の湧水地がある。
この水が駐車場に引かれ、各駐車スペースに一つずつ蛇口が設置されている。
石灰岩質の地層を何年もかけてくぐってきたミネラルウォーターだ。
五代松鉱山跡の前を通る。
かつて磁鉄鉱などが産出された。1981年に閉山。
まずは登山口横の母公堂に参拝。
修験道の祖・役行者が母のために建てたと伝わるお堂で、村人が輪番で堂守をされている。
顔見知りの堂守さんが復帰されたようで、ひさしぶりに再開。
「頭がえらい白くなったね~」とおっしゃる。前にお会いしたのはコロナ前だっなあ。
さて、登山スタートである。
法力峠へ向かう登山道は、五代松新道と呼ばれる。
五代松鍾乳洞を発見した赤井五代松氏が開いた道だ。
沢を横切るところが幾つかあるが、先日の台風7号の豪雨で、岩がガラガラと
崩れてたまっているところもあった。
法力峠に到着。涼しい風が抜けるので、いい休憩スポットだ。
ここまではずっと植林だったので、景色はやや単調だった。
この先はアスナロが少しみられ、右側は自然林になって目を楽しませてくれる。
傾いたトタン小屋は、かつてのトイレ。
かつて、奈良の子供たちは数え年で15になる年に、男の子は山上ヶ岳、女の子は稲村ヶ岳に
登拝した。学校登山も多かったため、設置されたものだ。
Nの形、そして三つ編みのようになったヒメシャラ。
ふたたび植林になって退屈だなと思ったら出現する、「マンモスの木」。
今ではすっかり、中盤の人気スポットである。
ここも崩れて間もない岩屑だらけ。しばらく要注意だ。
まだまだ暑いが、あちこちでみられるさまざまなキノコをみると、秋が近づいて
いるんだなと思う。
お地蔵さん。
ここまで来たら、山上辻まであと20分ほどだ。
ガレた沢筋を渡る。鎖はかかっているが、岩が湿っていて滑りやすくなっている。
転落事故もあった場所なので慎重に通過する。
折り返して反対側に出るところも微妙な場所だ。
いくつもある頑丈な桟橋のおかげで、かなり助かっているのだが、山荘に着くまで
の間の最後の桟橋は、巨大な落石により90度傾いていて、そのまま放置されている。
見ると、土台を岩盤に打ち込まずに、岩盤の上にそのままコンクリートをかぶせただけに
なっている。確かこれでは強度は足りなかっただろう。
山上辻に到着。
屋根にソーラーネルを貼った公衆トイレと、昔ながらの風情がいい稲村ヶ岳山荘がある。
昼の時間は少し回っており、ようやくここでランチタイム。
チェックインの前に、おやじさんに挨拶だけ済ませ、山頂へと向かう。
左にシャクナゲ群落、背の低いササ原の道を進むと、海坊主のような形の大日山が
迫ってくる。
水滴がしたたる垂直の岩壁の下を抜けて、短い急坂をこなせば、大日のキレットだ。
いつの間にか大日岳の前を巻いてきたことになる。
足元はスパッと切れ落ちているが、ここは岩本谷を遡行する際に、最後に登りつく場所だ。
稲村ヶ岳の山頂に到着。
この日のお客様の中には、中学時代、学校登山で稲村ヶ岳を目指すも、バス酔いのため
断念させられた苦い思い出がある方がおらせた。約半世紀ぶりにリベンジを果たしたことになる。
感激もひとしおだろう。
山上ヶ岳は、さっきまで見えていたのに、山頂に着いたら雲がかかってしまった。
赤とんぼがいっぱい飛んでいるのはいいが、それに交じって羽アリがまとわりつき、
油断していると腕や首筋を咬むのには閉口する。
登頂の感激はどこへやら、記念写真を手早く撮って、そそくさと山頂を後にした。
日帰りで下山するとなると、このペースでは一目散に山を下るしかないが、
山小屋泊となれば時間はたっぷり。
大日のキレットで荷物をデポし、大日山に挑戦だ。
距離は短いが、非常に急峻で、長い木のハシゴは傾いたり、取れかかっている板もあって
油断ならない。
大日如来像がおられる大日山のピークに到着。
修験の世界では、ここが女人大峰の行場である。
本来は、ここが「稲叢」と呼ばれていた。
稲村ヶ岳山荘に到着。夕方、少し雨が降った。
いつもお世話になっているご主人の貴重なお話を聞きながらの夕食も楽しい。
宿泊客は我々のパーティのほかは単独行の男性が一人だけ。ゆったりした夜を過ごす。
翌朝、すがすがしい晴天。
ただ、天気予報では昼頃から雨になるかもしれないという。
ゆっくり慎重に下山し、ごろごろ茶屋駐車場で空いた水筒にごろごろ水を満たす。
温泉街で土産物を探しにぶらついたあと、11時開店の洞川温泉センターで入浴。
帰りに道の駅黒滝で買い食いを楽しむ。最後はすっかり旅行気分になってしまった。
【この日見かけた植物たち】
■シラヒゲソウ
この時期に登るのは、これが目当てでもある。
まとまって咲いていた株もある。
■オヤマリンドウ
■サラシナショウマ
■マタタビの実
■ジイソブ
■ウメモドキかなあ?
■トリカブト(カワチブシ)
■ホソバイラクサ