Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2009年10月3日(土) 鈴鹿・宮妻峡カズラ谷にお手ごろ沢登り

2009年10月04日 | 沢登りの記録
さすがに10月にもなったら、ヒルも減ってくるだろうと読んで、
今年最後(かな?)の沢登りは、鈴鹿山系・宮妻峡のカズラ谷にした。

メンバーは、Mr.Dash、ともちゃん、F山さん、キッシー、
G嬢、K菅クン、そして沢は初体験となるK阪さんの7人だ。

鈴鹿インターを降りてすぐのコンビニで待ち合わせ。
奈良を出発するときは小雨がパラつき、肌寒い天気。
「こんな中を沢登りするの?寒いなぁ」と思いつつ、一応、行くことに。
しかし、鈴鹿の天気はみるみる晴れてきて、青空が広がってきた。

車3台で宮妻峡キャンプ場の上のほうにある路肩の駐車場に停める。
ヒルへの注意を一通り説明して、身支度を整え出発。

鎌ヶ岳へ向かう登山道をしばらく利用する。間ノ谷が分かれ、左に
薄暗い15m滝のあるところで、右の堰堤に出て、ここから遡行スタートだ。
もうひとつ堰堤を越えたら、いきなり両側が立ってきて、なかなか幽谷の
気配漂うゴルジュが出現。これは期待できるゾ。


初体験のK阪さんのために、4m滝で、早速お助け紐を出す。
これがK阪さん、沢でザイルをつないだ記念すべきシーンである!


沢は初めてとはいえ、クライミングの度胸は六甲の蓬莱峡でいきなり
大屏風を登り切っただけあり、なかなかのもの。

廊下は、5m未満の小滝が連続する。それぞれに釜があり、10月というのに
G嬢やキッシーは泳いでいる。


この人たちは、沢では本当にとことん楽しみ尽くすが、これが周りに伝染する。

すべて直登を楽しめたゴルジュが終了すると、沢はしばらく落ち着く。
ナメ滝を過ぎると、最初の10m滝だ。あまり角度を感じなかったので、
滝身のすぐ左を直登。水量が少なかったので、何人かは流芯を中央突破した。

途中の小滝で、うまく避けて右からよじ登ればいいのに、
K阪さんは流芯をそのまま突っ切ってきた。
頭からたっぷり冷たい水を浴び、これで何かが吹っ切れた様子。
沢の世界に、ようこそ。

右に枝谷を3つ見送り、2段8m滝はラクラク。
続く10m滝が若干クセモノで、いろんな資料でも左側のルンゼから巻いている
人が多いところ。



しかし、ホールドは小さいものの。滝身のすぐ左から巧妙にルートを見出せ、
直登できた。リードとしては非常に嬉しい瞬間だ。
上部の立ち木にビレイして30mザイルを出して準備していたら、
キッシーとF山さんがフリーで上がってきた。このお二人、度胸満点である。

G嬢は左から巻き始めたが、却って危険な様子で立ち往生している。
キッシーとF山さんに、上部からお助け対応してもらえるよう頼んだ。

あとのメンバーは、一人ひとりザイルで引き上げ。K菅クンは、
なんと滝芯の右側にルートを求め、見事に登り切った。
彼は沢の経験はまだ2本目だが、クライミングゲレンデで、そのセンスは
アピール済みだ。

続く9m滝はたやすく、みんな笑顔で登ってくる。
この上部の陽だまりで昼食。幸い、昼ごはん中に、我々がヒルのごはんに
なることはなかった。温かいスープバスタがありがたかった。

黒い岩の2段8mも直登。流れは一気に細くなり、スラブ岩の間隙をトユ(樋)状に
流れ始める。


そして問題の12m斜瀑。足、手とも、手がかりに欠ける。
今にも抜けそうな残置ハーケンにシュリンゲをかけ、その遠心力も試すが、
かなりリスキーだ。
しばらく、てこずっていたら、F山さんが来て「肩を貸すよ」。
かかとを2度、補助してもらってようやくクリア。上で細い枝にビレイし、
F山さん、キッシー、K菅クンが順々に這い上がってくる。
女性陣3人は、ともちゃんの導きで左岸から高巻きし、文字通り「高みの見物」。
「みんな、男のコになってた」とK阪さん。
どーせ普段はおっさんですよー(笑)。
でも、沢はこうしてみんなで童心に帰れるのがいいのデス。

K菅クンは見事にスリップしたが、直前に予感がして肩がらみのザイルに
テンション。彼はなんとかザイルに助けられた。沢での初スリップ。
無事でよかったし、フリーのシーンで発生しなくてよかった。
技術的には、ここが核心部であった。

ここからしばらく、滑りやすいスラブの斜瀑群が続き、このあたりで標高を
一気に稼ぐ。岩間にダイモンジソウが可憐に咲いていた。

もう水もほとんどないが、三俣は、真ん中を取る。険しいガリー。
ほとんどクライミングだ。右から15m滝の飛沫が降り注ぐ中、
脆い岩場を登る。


トップのMr.Dashの足元が崩れ、
電気炊飯器以上電子レンジ未満サイズの岩が、キッシーの足元に転がった。
幸い、直撃せずにすんだが、冷や汗である。

ここも女性陣は右岸の小尾根に取り付いて高巻き。
上部で我々も尾根に逃げ、遡行終了。
炭焼き釜の跡を見つけ、あとは尾根目がけて一直線。たやすく登山道に出た。

まずは全員でヒルチェック。ともちゃんのスパッツで右往左往している
チビヒルを発見、退治。
いつもはアプローチシューズに履き替えたり、上着を脱いだりするメンバーも、
今日は”変身”ナシで、肌を露出させない。

足首の負傷あがりのG嬢に、ともちゃんがガイド協会の講習で習ってきた
テーピングを施し、一気に下山した。

もとの駐車場に戻り、ふたたび身辺チェック。キッシーの靴から
小さなヒルが出てきたり、合わせて2匹が出てきた。キッシーは
足首に小さな赤い点。ほんの少し噛まれたようだが、この程度で済んでよかった。
ヒルはその場で確実に始末。
よく、ヒルを見つけて慌てて払う人がいるが、それではヒルの分布域を
人為的に拡大するだけ。見つけたら、その場で始末しよう。

帰りに片岡温泉に寄る。源泉かけ流しの、いい湯である。
リニューアルしてから、さらに良くなって、お気に入りの温泉だ。
G嬢はご当地の炭酸水を「高い」と言いつつ買っていた。
天然のマイナスイオンをたっぷり浴びて、最後に温泉。
最高の1日だった。

鈴鹿の沢は、4月、せいぜい5月上旬までと、それから10月以降で
なければヒルの餌食になる。
従い、年間2-3本ずつしか消化しきれないが、手ごろでいい沢が多い。
これからも少しずつ征服していきたい。

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