■メイン写真
井ノ口山の「ハート岩」。山頂から50m外れた好展望の場所にある。
■今回のコース
播磨高岡駅→鬢櫛山→高岡山→籾取山→井ノ口山→ハート岩→井ノ口山→伯母ヶ谷峠→
苫編山→山崎山→英賀保駅
姫路市街の西側、夢前川に沿ってJR姫新線、JR山陽本線に挟まれた小さな山塊が、
荒川山塊である。東麓の井ノ口に、郷社の荒川神社があるので、その背後の山塊と
いうことだろう。最高峰は籾取山の200.1mという、まさに低山中の低山である。
荒川山塊は、夢前川サイドの地名から、蒲田アルプスとも呼ぶ。
無人の姫新線・播磨高岡駅を下車し、南側の登山口から山に入る。
小さな私製の「鬢櫛山登山口」の白い標識が金網に取り付けてある。
すぐに鉄階段が出てくる。送電線の管理用であろう。
一枚岩の岩肌を登る。
このあたりの岩質は、調べたら「中生代白亜紀に位置づけられる相生層群伊勢塁層の
流紋岩質多結晶溶結凝灰岩を主体とし」とある。小赤壁周辺が凝灰岩質なので、やっぱり
似ていると思った。
少し登ると展望が開け、姫路城が見える。
尾根に出ても、時折、岩盤が出てくる。
早朝に少し雨が降ったらしく、油断すると滑りそうになるので、注意を払って進む。
石切りの痕跡がある。やっぱり姫路城築城の際のものかなあ。
鬢櫛(びんぐし)山の山頂に着いたと思ったら、コナラの樹液にオオスズメバチが群がっている
ではないか。みんなでお食事中である。
刺激しないように横を巻いて通り過ぎたが、隊列の末尾のほうが通るときには
カチカチとアゴを鳴らしていたというから、危なかった。
おかげで鬢櫛山山頂の分岐を過ごし、しばらく右に下ってしまった。
鬢櫛山の山頂は、それほど展望は良くない。
昔、親子の神がいて、子に陸上での用事を言いつけたまま、親が船を出してしまった。
これに怒った子が、父の船を難破させたところ、船にあった櫛笥(くしげ)がこの山に
流れ着いたという。
紅葉は全体的にまだまだといった感じで、ウルシの仲間だけが紅葉し始めていた。
すぐ先にある高岡山を通過。
明るく開けた岩尾根を、籾取山へ向かう。
籾取山には三角点がある。200.1mは、本日のルート中、最高点だ。なんという低山!!
山頂には、途中で折れた古い石碑がある。
「伏見宮貞愛親王殿採蕨之跡」明治33年4月11日のものだという。
送電線鉄塔と電波反射板がある。
ゆるやかに下りて行った先には四つ辻がある。
短い急坂を上り返したら、井ノ口山に着く。
地形図を見ると、新幹線のトンネルがこの山の直下を通っている。
荒川山塊は、縦走中ずっと、新幹線が走り抜けると騒音が響き渡る。
山頂は平凡なのだが、送電線鉄塔をくぐり、左に50m進むと、「ハート岩」がある。
ハート岩で集合写真。
ハート岩からは、夢前川が播磨灘に流れ込む河口がみえる。
苫編(とまみ)山に到着。
かつて電波表示板があった。撤去された跡はコンクリートの平地になっている。
西尾根を下り始めるとすぐに、長い露岩の尾根に出る。
大きな一枚岩でできた山なんだなと改めて感じさせる。
山崎山は、羽柴秀長が陣を敷いた場所。
地元・英賀三木家の山崎惣右衛門が大群に囲まれ討たれたという。
「城之台」と刻まれた石碑が残る。
古い駅舎の英賀保駅は、現在、絶賛建て替え工事中。
もうじき、南北に出入口がある新しい駅に生まれ変わるようだ。
帰り、いったん姫路駅で外に出て、ショウガ醤油で食べる地元グルメの
「姫路おでん」を食べに行った。山行後の熱燗、う~、美味い。