■メイン写真
道中で遭遇したベニバナギンリョウソウ(キリシマギンリョウソウ?)
■今回のコース
牛滝山バス停→大威徳寺→錦流の滝→七丁地蔵→二十一丁地蔵→キャンプ場跡→展望台→
和泉葛城山→枇杷平→蕎原分岐→蕎原バス停
2022年11月に新種認定されたキリシマギンリョウソウなのか、
単にピンク色に変化したギンリョウソウ(ベニバナギンリョウソウ)なのか、
正確にはよくわからないが、和泉葛城山の某所に、ピンクのギンリョウソウが咲く。
昨年、現地踏査して発見し、今回、遊山トレッキングサービスの企画に取り入れてみた。
昨年ほど多くの株は見られなかったが、可憐なピンク色の花を見つけることができた。
ギンリョウソウは、葉緑体を持たない特殊な植物だ。
朽木や落葉などから栄養を得ている菌類と共生し、菌根がその菌類を分解して栄養を
得ている腐生植物なのである。
したがって、ギンリョウソソウを盗掘・移植したところで枯らすのがオチ。
見るだけにとどめて、和泉葛城山で、じわじわ増えていくのに期待したい。
登山口は、牛滝山大威徳寺。青モミジが美しい境内を抜けていく。
一の滝。朝から暑いこの日だったが、水際は水冷効果でひんやりした風が流れる。
錦流の滝。背後に砂防堰堤が迫るのが玉にキズだが、いい形の滝だ。
錦流の滝を左から高巻いて、沢を渡渉する。
林道を渡り、通称、「お地蔵さん登山道」をひたすら登っていく。
かなり蒸し暑い中、単調な植林の急登は心がくじける。
丁石地蔵の番号をひとつひとつ数え、数が増えていくのが唯一の励みである。
二十一丁地蔵で、先ほどの林道の延長地点に合流する。ここから山頂直下まで、
林道を歩くことになる。
このあたりまで登ってくると、日が陰ってきたこともあるが、涼しくなってきた。
白い、フツーのギンリョウソウも見かけた。
あずま屋があるキャンプ場跡で昼食をとり、展望台へ向かう。
展望台は、落書きがいっぱい、空き缶・空き瓶がいっぱいで悲しくなった。
やや雲が多い日ではあったが、展望台からは、遠く大峰山脈(写真)、高野山、
護摩壇山方面、龍門山、生石高原、紀泉アルプス。関西国際空港、淡路島などが見渡せた。
和泉葛城山の山頂には、2つの神社が背中合わせに建っている。
こちらは和歌山県側の八大龍王社。
こちらは大阪府側の高おかみ神社(「おかみ」の字は、雨冠に口ふたつ、下に龍)。
いずれも雨乞い系の神社である。
なお、ここは役行者が開いた葛城二十八宿の第9番経塚である。
和泉葛城山の北側直下は、ブナの天然林で、大阪府の天然記念物に指定されている。
そこを横切るボードウォークを少し歩いてみた。欄干や床板が古くなっていた箇所は、
新しく補修されていた。
すばらしいブナ。癒される。
幼木がほとんどないのが気にかかるが、古木は健在だ。
蕎原へは、通称Bコースで下山する。
玉冷泉への標石は、天保の頃のもの。湧き水は今では落ち葉が積もり、
グズグス濡れている程度になってしまっている。
この山に登り始めた頃は、まだ飲めるような感じだったのに。
一度、林道に出て、再度山道へ。
壊れた石灯籠が残る枇杷平。
塔原への分岐を左にとると、ウバメガシの純林が始まる。
ウバメガシの落ち葉は滑りやすい。慎重に、ゆっくり下る。
ノウタケを発見。ふわふわした菓子パンのようだ。
蕎原の登山口には、土日月祝日に営業しているカフェ「ポレポレ」。
「ポレポレ」は、スワヒリ語で「ゆっくり」の意味。
去年オープンしたようだ。不勉強でこの日、気づいた。
バスの時間までもう少し余裕があったら寄ったのに。次回におあずけだ。
[この日見かけた植物たち]
■ヤマアジサイ
■ウノハナウツギ
■ウメガサソウ(これは珍しいと思われる)
■タツナミソウ
■カキノハグサ(大阪府全体では珍しい部類だが、和泉葛城山にはけっこうある)
■キリシマギンリョウソウ