
■メイン写真
花背山の家が眼下に見える「ヤッホーポイント」
■今回のコース
別所公民館→花背スキー場跡→寺山峠→一ノ谷出合→雲取山荘→雲取峠→雲取山→
雲取峠→ハタカリ峠→凌雪荘→ヤッホーポイント→寺山峠→花背スキー場跡→別所公民館
かつて京都一中の今西錦司先生たちが「一中岳」と呼んで親しんでいた雲取山。
花背峠を北に下って最初の900mを超すピークである。
その当時は稜線は背の高いミヤコザサに覆われ、彼らが「ジャンジャン」と呼ぶ
薮こぎをして登頂していたという。
今ではすっかり簡単に登れるようになったこの山を、久しぶりに訪れた。
別所公民館前にかかる橋を渡り、山行スタート。
はじめは林道歩き。花背スキー場跡の横を通り抜ける。
1929(昭和4)年にできた、日本で三番目に古いスキー場だったという。
大いににぎわったが、しだいに降雪量が減り、世の中がバブルに狂乱する
1989(昭和64)年に閉鎖された。
その先で林道は終わり、小さな沢に沿って標高を稼ぐ。
徒渉はあるが水量が少なく、いずれもたやすい。
標高740mくらいで右の尾根へ、ジグザクに上っていく。
ずっと単調な植林なので、気がまぎれずしんどい。
寺山峠に出る。作業林道が横切る。
この日は、いったん一ノ谷へと下る。
10分ほどで一ノ谷出合へに着く。
ここからは、一ノ谷に沿って、また簡単な渡渉を重ねる。
10分もしないうちに雲取山荘(非公開)に着く。
初夏にはクリンソウが咲く、のどかなところだ。
小屋の前を通らずに、沢の左岸をへつる「令和新道」で小屋を巻く。
この先も少し渡渉箇所はあるが、やはり簡単。
雲取峠の手前は、短いが強烈な急登だ。
固定ロープには、古ザイルが使われている箇所もある。
世の中には、古いガイドロープ(トラロープ)に両手で全体重をかけて
力づくで登るチャレンジャーさんも多いが、ザイルなら安心だ。
フッと出たところは、いきなり広い雪原が広がる雲取峠。
朝から曇っていたのに、ここに着いた瞬間、青空が広がったではないか!!
なお、峠の北側直下には、京都府立大ワンゲル部のりょうぶの小屋がある。
膝くらいまで積もった新雪、雲取山北峰との分岐まで、それぞれ好きなところを
歩き、楽しんでいただいた。
雲取山北峰との分岐、この日は北峰には寄らず、本峰をめざす。
木の枝に雪がついていて綺麗。
触ってみると、すぐに枝から取れて融けていく。樹氷"未満"のはかない美しさ。
山頂へのラストの登り。
三角点が埋まる山頂は、展望は今ひとつだが、
冬は自然林の葉が落ちて、合間から周りが見渡せるようになるのがいい。
しばらく、風もない山頂で休憩。まだ昼食には時間があったので、
先ほどの雲取峠まで戻り、ランチタイムをとった。
後半戦は、ハタカリ峠から尾根ルートで寺山峠に戻ることにしている。
尾根道にヤドリギの実を発見。
この実、ものすごいネバネバで、触るとえらいことになる。
ハタカリ峠から三ツ又山への分岐。
しばらく歩きやすい稜線をたどる。やがて尾根を少し下った右に、
京産大ワンゲル部の凌雪荘の前を通り過ぎる。
ふたたび尾根に出る。
花背山の家が立てた「ヤッホーポイント」の標識があり、眼下に花背山の家が見える。
「ヤッホー」と叫んでみたが、向こうの山並みが少し遠く、コダマは返ってこなかった。
寺山峠に戻り、あとは往路を戻る。だいぶ雪が減っていた。