■メイン写真
ホテルスメールから見上げる飯盛山。"飯高のマッターホルン"だ。
■今回のコース
松阪わんわんパラダイス・森のホテルスメール→飯盛山北峰→飯盛山→唐谷林道分岐→
迷岳→唐谷林道分岐→唐谷林道終点→ホテルスメール
昨日の桧塚に引き続き、台高山脈の支稜の名山に登る。
この日は迷岳へ。南側の大台町から登ると楽だが、飯高側からは、手前にそびえたつ
飯盛山の岩峰をこなさなければならない、なかなかの健脚ルートである。
飯盛山は、ホテルから見ると見事なとんがり頭で、"飯高のマッターホルン"と
呼んでもいいと思う。
本物のマッターホルン(写真)と比べるとだいぶ違うのだが、実際に見上げるとそう思う。
昨日は、登山口のすぐ近く、松阪わんわんパラダイス・森のホテルスメールに宿泊。
夕食は春メニューの懐石で、じつに美味かった。
朝は少し早めに出立するので、弁当をお願いした。
満開のサクラを見ながら、登山口に向かう。
唐谷川にかかる橋の手前が登山口だ。
最初だけ川沿いの道だが、すぐに急登が始まる。
岩場ではないので、却ってきついかも。
植林帯を抜けて自然林に変わっても、とんでもない急坂が続く。
根っこを頼りに登る。
尾根に出ても、飯盛山北峰まで、変わらぬ急登。少し岩場が増えてくる。
いつ、誰が張ったかわからないトラロープは、あまり頼らないほうが身のためだ。
三点確保と、確実なムーブが鍵となる。焦らず、急がず。
歩いた距離のわりに、ずいぶん登ってきた。
歩行距離約1.3kmで、標高差500mを登った。
スリングを一度だけ樹に巻いたが、ロープは出さずに済んだ。
難路の途中だが、ミツバツツジが目を楽しませてくれる。
狭い飯盛山北峰のピークは、樹林に囲まれていて展望なし。
それでも、無事に到達できた達成感が味わえる。
少し先から、蓮ダムが樹の間から覗けた。
両側がスパッと切れ落ちた狭い岩尾根が続く。
芸術的な枝ぶりの木。知られざる苦労があったのだろう。
根は大きな岩を抱くように伸びていた。
飯盛山の本峰に到着。
ここもシャクナゲに囲まれていて、展望はゼロ。
時折、山を彩るのはタムシバ。
山道に落ちている花びらを拾い、指先で軽く揉むと、甘酸っぱい芳香がただよう。
難易度はかなり落ちてくるが、それでも、まだまだヤセ尾根は続く。
唐谷林道への分岐。この日の下山路はこちら。また、あとでね。
迷岳までは、ブナやヒメシャラなどの明るい尾根道になるが、最後の標高差50mが
地味にしんどいのである。
山頂に到着!!
ほんの3日前までは、雨の天気予報が出ていたが、晴れてよかった。
ちょうどお昼時。ブナの山稜に、しばしくつろぐ。
ヒガラかコガラか、カメラを向けた瞬間、飛び立たれてしまった。
先ほどの分岐まで戻り、唐谷林道へのルートに入る。
これがまた、強烈な下り坂の連続である。
ずっと単調な植林なので、これを逆向きでたどると面白くないだろうな。
ヒノキゴケのかわいい群落があちこちでみられた。
小さな黄色い花は、トウゴクサバノオ。
唐谷川の枝沢を渡渉する。一つ目は。ガイドロープが渡してあるが、
たるんたるん状態なので、あてにしてはいけない。
はるか下を流れる唐谷川の本流。三ノ滝が轟音を立てる。落差60mと言われる。
二度目の枝沢の渡渉。こちらはたやすい。
路傍にシロバナヤマルリソウを見つけた。これは案外、珍しい気がする。
ここの群落は、ほとんどが白花種だった。
本流の流れを見ると、美しいナメが続いていた。
金属製の橋が2か所あった。
二ノ滝は35mとされるが、迫力満点だ。
二ノ滝を見下ろしてほどなく、唐谷林道の終点に出る。
まだまだ距離は残っているが、ここまで意外に骨が折れるルートが続いていたので、
心からホッとする。
林道から飯盛山を見上げる。よくあんな山、登れたなぁ。
前方には遠く、三峰山が見える。
リフレッシュパークの跡地を迂回して、最後にその遊歩道跡をたどると、
ホテルスメールの裏に出てくる。
この日は気温が高く、すっかり皆さん、汗だくになっていたので、ここの温泉で
サッパリ。風呂上りはアイスクリームやビールなど、それぞれ"仕上げ"を楽しんだ。
累積標高は1400mを超えていたようで、長丁場、おつかれさまでした!!