ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

熊本で三田線に再会した(続)

2012年01月25日 22時04分54秒 | 写真

 1月23日付で「熊本で三田線に再会した」という記事を掲載しましたが、今回はその続編のようなものです。

 藤崎宮前から御代志行きに乗り、北熊本で降りました。ここで上熊本行きに乗り換えます。その際に、帯の色が変えられた元都営6000形を撮影しました。

 御代志発藤崎宮前行きです。ワンマン運転のため、バックミラーが付けられています。左側の方向幕は「ワンマン」となっておりますが、三田線時代は使われたことがありません。もし、東武東上線および東急池上線・大井町線・田園都市線(どうやら、旗の台までは池上線、そこからは大井町線を経由して田園都市線の長津田まで乗り入れる予定であったようです)への直通運転が実現していたら、左側の幕には「急行」などの種別が示されていたことでしょう。

 また、現在の6000形には冷房が取り付けられていますが、三田線時代は長らく非冷房でした。

 北熊本から上熊本行きに乗りました。本来、熊本電鉄の路線は、菊池線が上熊本から御代志まで(かつては菊池まで)、藤崎線が北熊本から藤崎宮前までなのですが、運転系統は藤崎宮前から御代志まで、上熊本から北熊本までとなっています。そして、上熊本から北熊本まで、アマガエルとか青ガエルなどとして親しまれた元東急5000系(初代)が走っています。現在でも走行する姿を見られるのは熊本電鉄だけなので期待していたのですが、非冷房車だからなのか、別の理由からなのか、上の写真のように別の形式の車両が走っていました。もっとも、初代5000系は1954(昭和29)年に登場した車両で、既に50年以上も走っていますから、相当に老朽化が進んでいるはずです。

 上熊本に到着して、撮影してみました。現在は200形となっていますが、元は南海22000系で、高野線用のズームカーの一種です。南海時代は薄い緑灰色の地に緑色の帯という塗色でしたが、現在は御覧のように上が水色、下が青で赤帯が巻かれるという塗色です。元東急5000系(初代)もこの塗色に変えられていたことがあります。

 この車両は、東急車輛(大阪製作所。かつての帝国車輌)で、1969(昭和44)年に製造されています。私が生まれたのが1968(昭和43)年ですので、その翌年に造られたということになります。1969年といえば、東急8000系がデビューした年でもあります。

 200形も、製造から40年以上が経過しています。あと何年、熊本電気鉄道の線路を走行するのでしょうか。菊池線も藤崎線も、あまり状況が良くないだけに気にかかります。以前、市街地の水道町まで延長するという話もあったのですが、結局立ち消えになりました。最近では、熊電を廃止して専用バス道路に変えた上でガイドウェイバスを走らせるというような案まで出される始末です。

 何しろ、両線ともあまり便利ではありません。藤崎線のターミナルである藤崎宮前駅は、中心地から少し離れています。また、菊池線の起点である上熊本駅は、鹿児島本線や熊本市電と乗り換えられるのですが、熊電の駅は無人駅ですし、周囲に大型の商店などはありません。駅前商店街らしいものも見受けられないのです。九州新幹線が全通したことにより、鹿児島本線の特急は1往復しかなくなり、しかも上熊本駅には停まりません(新幹線が全通するまでは、全部ではありませんが上熊本駅にも特急が停まっていました)。

 現在、純粋な私鉄では熊本電気鉄道が日本最南端となるのですが、今後、予断を許さない状況と言えるでしょう。

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国の借金はあと少しで1000兆円超

2012年01月25日 10時36分25秒 | 国際・政治

 今日の朝日新聞朝刊9面14版に、小さな記事ではありますが「国の借金985兆円」という、非常に気になる記事があります。24日提出の今年度(2011年度)第4次補正予算案で明らかになりました。

 今年度末の時点における借金の残高は、これまででも1024兆円ほどと、確実に1000兆円を超えると見込まれていたようですが、第4次補正予算案で985兆3586億円という見通しが出されました。かろうじて1000兆円を下回ることになります。しかし、これも束の間のことで、2012年末には1085兆円となるということです。

 国の借金は、国債の他、様々な借入金からなります(http://kraft.cside3.jp/finanzrecht06-4.htm)。そもそも、国債という言葉にはいくつかの意味があり、広くとれば「財政上の必要による国の債務で償還期限一年以上の公債および借入金の他、資金繰りの必要による大蔵省証券等の短期証券および一時借入金をも包含する」ということになります(杉村章三郎『財政法』〔新版〕(1982年、有斐閣)64頁)。朝日新聞の記事における「国の借金」は「広義の国債」ということになるでしょう。

 2011年度中に1000兆円に達しなかったことの大きな理由として、政府短期証券があげられます。最大で165兆円と見積もられていたのが129兆円に収まるためだとのことです。また、普通国債の発行残高も4000億円ほど減るようです。

 しかし、2012年度は、復興債として2兆7000億円、それ以外の国債として44兆2000億円が発行分として予定されています。こうなると確実に残高が1000兆円を超えます。

 これまで、1975年度以来、ほぼ毎年、赤字国債が発行されています。三位一体改革などの行革が進められたとしても、残高は増える一方です。勿論、「改革が不十分であったからこうなった」という評価もあるでしょう。それは大きな原因でもあります。しかし、それだけではないはずで、税制の歪み、社会における人口構造など、複数の原因があります。IMF関係者が、日本の消費税率について15%ほどが望ましいと発言したそうですが、むしろ歳出の見直しのほうが避けられない情勢です。

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