このブログに、8月22日付で「近鉄内部線・八王子線が廃止される可能性」を投稿しました。コメントも多数いただくことができ、感謝しております。
それで、書いたままで実際に乗ったことがないままというのでは話にならないだろうと考え、大学祭のための休講(というより休校)日を利用して乗車することとしました。今日、実行した訳です。
東急田園都市線、横浜市営地下鉄ブルーライン、東海道新幹線、近鉄名古屋線(急行松阪行き)を乗り継いで近鉄四日市駅に着いたのは11時14分でした。ここで内部線に乗り換える訳ですが、同じ近鉄線であるのにいったん改札を出なければなりません。名古屋線と湯の山線は高架ホームなのですが、内部線・八王子線のホームは高架橋の下の地上ホームで、西口の外れの階段を上ったかと思うとまた降りて、別の改札に行かなければならないのです。名古屋線などに乗り継ぐには不便な構造です。また改札口があり、切符を入れて到着を待ちます。
3両編成の電車が到着して、お客さんが降りてきました。数えた訳ではないのですが、何十人かはいました。もっと少ないかと思っていたのです。これだけでも「廃止はもったいないかな」と感じました。
この3両編成は、おそらくはパステルカラーということなのでしょうが、全部色が違っています。これはどうかと疑わしくなります。南武線の国鉄時代末期のような、寄せ集めのイメージが湧いてしまうのです。1両目が薄い緑、2両目が青緑、3両目が紫がかった青で、別の編成では紫+緑+黄などもありました。
発車して、全線にわたってほぼ住宅地と言える所を走り抜けます。途中の追分あたりまでは、電車から見える道路の幅も狭く、バスの代替など効くのだろうか、などと思いました。赤堀で顕著でしたが、民家を見ると昭和の時代から何十年も経過しているような建物が多く見受けられます。小古曽あたりでは自動車の通行量が少なくないため、内部線には厳しいかと思われます。速度計を見ていたら時速45キロメートルが最高で、この程度なら自家用車のほうが速いでしょう。信号に引っかからなければ、自家用車のほうが速く移動できます。内部駅前バス停の時刻表を見たら平日の日中では1時間に1本という程度ですので、バスでも厳しいように思われるのです。
しかし、内部線を廃止するには、乗客は少なくないほうではないでしょうか。全線を通して乗る客は少なくとも、途中の泊あたりから近鉄四日市までは、昼間でもそれなりの利用者がいるのです。北勢線よりは恵まれた環境にあるとも言えます(だから北勢線と違って内部線・八王子線は近鉄線のままなのですが)。八王子線の西日野駅も、乗客が少ないという割には駅前の駐輪場には自転車が多く、私が見た限りでは「もう停めるのが難しいかな」というくらい、満杯に近い状況でした。この駅は元々が途中駅であったため、いかにも中途半端な所にある終着駅という感じがします。
北勢線のほうは、とくにいなべ市などが現在も存続および活性化に熱心であるようで、三岐鉄道も力を入れているように感じられます。それに対し、内部線・八王子線のほうは、近鉄もあまり力を入れていないようですし、四日市市も存続に向けての対策などを講じているのか、よくわかりません。少なくとも目に見える形では行われていないようにも見受けられます。
11月6日、交通調査が実施されます。この結果次第で内部線・八王子線の運命が直ちに決まるという訳でもないでしょうが、存続か廃止かを判断する際の重要な資料になることに違いはありません。速度の点などを改善すれば、生き残る可能性はあるでしょう。ただ、それには距離が短いでしょうか。
http://kraft.cside3.jp/wartesaal02.html