世の中で繰り広げられている公務員バッシングを見ると「馬鹿の一つ覚え」という言葉が思い浮かびます。はっきり言えばただの「ひがみ根性」でしょう。バブル期には公務員など就職先としては人気が薄かったのです。不景気になってから、安定している、給料が良い、などということで叩いているのです。仕事の内容もろくに知らないから大騒ぎができるのかもしれませんが、もう少し、実態などをよく理解して欲しいものです。こう書いたところで、バッシングを繰り返している連中には何を言ったって最初から理解の外に置いていることくらい、私もわかっていますが。
さて、今日の朝日新聞朝刊5面14版に「自治体の非正規、3割超 全国70万人■4年で2割増 財政規模小さな町村に集中」という記事が掲載されています。「官製ワーキングプア」という言葉も定着し、非正規公務員の問題はここのところ注目されるようになっていますが、今日の記事を見ると、より深刻化していると思わざるをえません。
自治労が調査したところによると、全体で3分の1が非正規の公務員ですが、その調査は全自治体を対象とした訳ではありません。それでも70万人ほどが非正規公務員と見込まれており、確実に数字は上がっています。時給900円未満、月給16万円未満、どちらのばあいも期末手当(民間で言う賞与またはボーナス)はありません(あっても僅少額です)。昇給もないという場合が多いでしょう。年間での収入は200万円を割り込みます。
上記の朝日新聞記事にはグラフがあります。これを見ると、図書館職員の非正規公務員の率は実に67.8パーセントで、学校給食関係も64.1パーセントと、3分の2を占めています。また、保育士も52.9パーセントです。
この問題をややこしくしているのは勤務時間で、正規と非正規とではそれほど変わりがない場合があります。上記の記事にも「勤務時間が正規の4分の3以上ある非正規は6割を超え」ていると書かれています。以前に読んだ本では、たったの数分しか勤務時間が違わないという非正規公務員がいるという職場があるそうです。こうなると濫用ではないかと思うのですが、財政状況の故でしょうか。
2013年4月から改正労働契約法が施行されます。しかし、公務員には適用されません。法制度の違いによるものですが、この際、行政法理論などでも見直しを進め、非正規公務員については公務員法ではなく、労働法(労働基本法など)の適用があると考える方向に改めるべきではないでしょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます