〔今回は、「待合室」の第388回(2010年11月10日から15日まで)として掲載した記事の再掲載です。なお、一部を修正しています。〕
松江しんじ湖温泉駅から一畑電車の北松江線に乗り、川跡駅で大社線に乗り換えます。やはり単線で、北側に山地を見ながら進むと、終点の出雲大社前駅に到着します。名称の通り、有名な出雲大社の最寄り駅です。かつてはJR大社線の大社駅もありましたが、1990年3月31日を最後に営業を終了しています。これは、大社線そのものが赤字ローカル線であり、国鉄からJR西日本に承継された後、1990年に廃止されたためです。なお、出雲大社に近いのは、立派な駅舎を有することで有名であったJR大社線の大社駅ではなく、一畑電車の出雲大社前駅です。
2番線に3000系が止まっていました。車体には痛みも見られます。それもそのはず、元は南海高野線を走っていたズームカー 、21001系で、昭和30年代に製造されたものなのです。南海時代とは全く異なる塗装を施されており、また、「しんじ湖ラムサール号」と書かれたヘッドマークをつけています。正面から見て左側の窓に「急行 松江温泉」という方向板(サボ)を掲げていますが、客を乗せていません。「松江温泉」は松江しんじ湖温泉駅の旧称です。
一畑電車の出雲大社前駅の駅舎は、国の登録有形文化財に登録されており、近代化産業遺産の指定も受けています。ここから少し離れたJR大社駅も、駅舎が残されており(観光案内所として利用されています)、重要文化財にも指定されていますが、造りは全く異なります。JR大社駅の駅舎は出雲大社を模したものといわれており、木造です。これに対し、一畑電車の出雲大社前駅の駅舎は西洋建築となっています。
多くの中小私鉄と同様に、一畑電車もワンマン運転を実施しており、また、多くの駅には駅員がいません(つまり、無人駅です)。出雲大社前駅は、一畑電車でも数が少ない有人駅、つまり、駅員が配置されている駅です。
駅舎の中に入ると、左側に改札口と窓口があり、自動券売機も置かれています。天井が高いので見上げてみると、天窓のガラスに色が付けられています。教会のステンドグラスをイメージしたものなのでしょうか。左右で同じ色のガラスが使われていますが、配置は非対称です。 この天窓のおかげで駅舎の中は明るいため、ガラスの配置には何らかの意味があるのかもしれません。
時折、大型家電店やホームセンターへ行きます。照明器具を見ることもあります。上の写真にあるような照明器具を見たような記憶もありますが、よくわかりません。それにしても、この建物の屋根によく合う形をしています。
松江しんじ湖温泉から一畑電車に乗り、この出雲大社駅にやってきたのは、勿論、出雲大社へ行きたかったからです。駅から5分ほど歩くと、出雲大社の入り口に着きます。意外だったのは、参道の人通りがあまり多くなく、店舗も少なかったことです。訪れたのが2010年8月1日(日曜日)の午後で、たしかに初詣の時期ではないので、当たり前かもしれません。しかし、それにしても閑散としていました。太宰府天満宮を訪れると、季節を問わず参拝客や観光客が多いので、それに慣れてしまっているからかもしれません。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます