ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

JR東日本とJR西日本 最終赤字の予想

2020年09月17日 07時53分30秒 | 社会・経済

 2020年9月16日、JR東日本とJR西日本が業績予想を発表しました。いずれも、国鉄分割民営化によって誕生してから最大の赤字になるという予想です。

 JR東日本の場合、2021年3月期決算において純損益で4,180億円の赤字、営業損益で5,000億円の赤字と見込まれています。2020年3月期決算では純損益で1,984億円の黒字、営業損益で3,808億円の黒字でした。1987年4月1日にJR東日本として鉄道事業を行うようになってから初めて通期での赤字となるということになります。売上高の予想は1兆9,300億円ほどで、前期に比して34.5%減です。

 JR西日本の場合、2021年3月期決算において純損益で2,400億円の赤字が見込まれています。2020年3月期決算では893億円の黒字でした。こちらは1999年3月期決算以来の赤字で、売上高は9,200億円ほどと予想されています。これは前期に比して39.0%減ということです。

 言うまでもなく、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるところが多大であるということです。外出や移動の自粛が広がったことで、近距離も遠距離も乗客が少なくなったということでしょう。考えてみると、私も2020年4月以降、JR東日本の路線を利用したのは2回、いずれも南武線の武蔵溝ノ口駅から武蔵新城駅までたった1駅だけの区間で、しかも片道1回ずつです(記憶の限りです)。しかも、いくら昼間でもこれほどに空いている電車に乗ったことがないというほどの空き具合でした。1人で7人掛けのロングシートをゆったりと占領できるくらいで、どうかすれば真向かいも占領できるような勢いでした(勿論、そんなことはしません)。

 JRグループといえば(四国を除いて)まずは新幹線ということになるでしょうが、その新幹線も2019年(度)より7割も乗客が減ったというのです。2021年3月になっても利用客の回復の幅は小さいということになるでしょう。JR東日本に限らず駅ナカという言葉が浮かんできますが、電車の利用客が少なければ駅の構内にある店の売上げも少ないでしょう。

 JR西日本の専務が記者会見で「コロナ以前の水準」に戻らないのではないかというような趣旨を語ったそうです。その可能性はJR西日本に限らず、何処の鉄道会社でも高いでしょう。既にJR東日本は2021年3月ダイヤ改正で終電の繰上などを実施すると発表していますが、日中などの運行本数削減も考えられます。

 私は、現在住んでいる場所の関係もあって田園都市線と大井町線を利用します。両線は、緊急事態宣言の下でもほとんど運行本数は削減されていなかったのでした。勿論、乗客は非常に少なくなっています。時間帯にもよりますが、やはり7人掛けのロングシートを1人でゆったりと占領できるほどです。東日本大震災の後、しばらくの間は本数が5割程度も削減されており、その後も特別ダイヤが続いたことを思い出します。今年の緊急事態宣言の下においても運行本数が削減されておかしくなかったはずですので、田園都市線で日中に平均で5分間隔が維持されていたのは、今考えても驚きです。

 また、JR東日本、JR西日本のいずれも、多くの地方交通線を抱えています。2014年にJR東日本の岩泉線が廃止され、2018年にJR西日本の三江線が廃止されていますが、今後、他の路線で存廃論議が生ずるところも出てくるのではないかと懸念されます。また、人員削減などの「合理化」も行われるでしょう。無人駅も増加することが予想されます。

 

 話が大きく変わります。昨日、川崎市で新たに52人が新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。同市における最多です。この中の過半数は高津区の病院で発生した集団感染によるものでした。うちから1キロメートルくらい離れた所です。


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