「やはり」とお思いの方も多いことでしょう。1月13日、緊急事態宣言の適用地域が拡大しました。
新たに対象となったのは、栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県および福岡県です。また、独自に緊急事態宣言を発出した県もあります。
この緊急事態宣言は2月7日までとされています。しかし、この期間が経過すれば解除されると考えないほうがよいでしょう。昨年4月の緊急事態宣言を思い出してください。最終的に解除されたのは5月25日でした。その時とは感染者数も重症患者数も違います。もう、東京オリンピックは中止でしょう。
さて、1月13日の19時58分付で朝日新聞社が「緊急事態、解除急ぐと4月に再宣言の恐れ 西浦教授計算」として報じていました(https://digital.asahi.com/articles/ASP1F6FM4P1FULBJ015.html)。見出しの通り、京都大学の西浦博教授がシミュレーションをまとめ、これを厚生労働省の会合に提出したということです。
新型インフルエンザ等対策特別措置法および同法施行令には明確な基準が定められていませんが、緊急事態宣言の解除には一定の基準があるようで、今回はステージ3の段階で解除することを想定しているようです。ステージ4が最も深刻な状況ですから、ステージ3で解除というのは甘いという気がします。上記記事によると、東京での新規感染者が1日平均で約500人以上であればステージ4、約300人以上であればステージ3です。
このシミュレーションでは、実効再生産数という基準が使われています。「感染者1人が感染させる人数」のことで「1未満であれば感染が収まっていく」のです。東京での12月下旬の実効再生産数は平均でおよそ1.1であったそうです。緊急事態宣言が発出されたために実効再生産数が0.88まで下がるならば、2月24日には1日平均で新規感染者が500人未満になるといいます(勿論、様々な前提がある訳です)。しかし、ここで気を緩めてしまうと実効再生産数が1.1に戻り、4月14日には今回の緊急事態宣言が出された時と同じ程度まで新規感染者が増えるというのです。
また、かなり希望的な観測ではないかと思うのですが、実効再生産数が0.72になるならば、2月25日までに1日平均で新規感染者が100人未満にまで下がるそうです。ここで緊急事態宣言を解除し、実効再生産数が1.1に戻って再度の緊急事態宣言が必要となるのは7月中旬になる、ということです。
記事では明言されていませんが(いや、明言も推測もされるべきではないでしょう)、少なくとも一部の専門家(厚生労働省に関係する)は緊急事態宣言の延長を想定しているであろうとうかがえます。別に専門家でなくとも、緊急事態宣言が2月7日をもって解除されることはないとお考えの方も多いのではないでしょうか。
大学教員である私の立場からすれば、2021年度に入って対面授業を原則とするという方針(?)は時期尚早ではないかと思われます(余程急速に効果を現す対策が採られるのであれば話は別ですが)。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます