今年の1月24日から第180回国会が開かれていますが、とにかく法律案が成立しません。6月26日付で「造反有理!?」という記事を書いた時にも、成立した法律が約3割と低かったのですが、今もほとんど同じで、停滞しています。昨日(7月27日)付の朝日新聞朝刊4面14版に掲載されている「国会、夏休み中? 延長後 法案成立やっと1本」という記事にも書かれています。
本来であれば、第180回国会は6月21日に会期が終了するはずでした。消費増税法案の件などがあり、会期は9月上旬まで延長されたのですが、ようやく7月28日に衆議院本会議で暴力団対策法改正案(先に参議院に提出されていました)が成立しただけという有様です。
今年、大東文化大学法学部で「法学特殊講義2A(財政法A)」を担当した者としては、平成24年度の特例公債法案がまだ成立していないところが気になります。平成23年度の特例公債法は、施行時期がかなり変則的で、今年の6月30日まで特例国債(早い話が赤字国債)を発行することができ、しかもそれによって得られた歳入は平成23年度に帰属するものとする、という趣旨を定めています。平成24年度分の特例国債はまだ発行されていないのです。平成24年度の建設国債(財政法第4条第1項ただし書きによる国債)を発行することはできますが、発行上限額からして特例国債のほうに緊急性があります。さらに記すならば、平成23年度の特例国債法は、既に実質的に失効しています。
こうしていくと、この平成24年度は大幅な歳入不足が生じる怖れが出てきます。消費増税法案も、現在は参議院の特別委員会で審査が行われている段階であり、法律として成立してはいません。
開会から半年が経ち、議案として提出された法律案の3割程度しか成立していないという状況には、いうまでもなく、様々な原因があります。それにしても、この割合は低すぎます。混迷を深める政治状況を、極端な形で示している事態といえるでしょう。
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