ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

ついにここまで 一日に1.5往復?

2018年03月17日 10時54分20秒 | 社会・経済

 今日3月17日はJRグループのダイヤ改正日です。

 大幅減便改正となったJR九州が話題となっており、大分県でも批判などが飛び交っている状況です。

 先程、日豊本線の佐伯〜延岡のダイヤを見ました。この区間は、特急の本数こそ10往復以上が確保されているものの、普通列車の本数が極端に少なく、佐伯〜宗太郎で3往復、市棚〜延岡で4往復、しかも朝夕のみという状態で、日中は10時間以上も空いていました。

 本日、普通列車のダイヤを見ると、さらに減便されていました。札沼線の浦臼〜新十津川の1往復よりは多いのですが、仮にも本線を名乗る路線としては少なすぎます。いくら特急が走ると言っても、です。特急は、佐伯を出ると延岡まで止まりません(逆も同じです)。

 まず佐伯駅です。下りの普通列車は次のようになっています。

 6時18分(2761M。延岡行き。JR九州のサイトには「グリーン車自由席」、「普通車自由席」とも書かれていたので、特急用の車両を使うのかもしれません)

 16時57分(1361M。重岡行き)

 19時4分(4657M。亀川始発の重岡行き)

 昨日までは延岡行きが3本ありましたが、ついに1本に減りました。重岡駅は大分県佐伯市にある駅ですから、宮崎県に向かう普通列車は1本しかないということになります。そればかりでなく、重岡駅の次にある、秘境駅の一つとして有名な宗太郎駅も大分県佐伯市にありますから、駅としての存在意義が従来以上に問われかねないところでしょう。

 また、この10年弱の間、佐伯〜延岡の普通列車には1両編成のディーゼルカーが充てられていましたが、列車番号からして再び電車に変えられたのでしょうか。

 次に延岡駅です。上りの普通列車は次のようになっています。

 6時10分(2760M。南延岡始発の佐伯行き)

 19時33分(2762M。佐伯行き。特急も含めて、これが上りの最終列車)

 昨日までは佐伯、大分方面に向かうのが3本、宮崎県最北・最東の駅である市棚駅までが1本でしたが、トータルで2本に減ってしまいました。

 以上から、重岡〜延岡の普通列車は下り1本、上り2本しかないということになります。宗太郎駅の時刻表は、次のようなものです。

 下り(延岡方面):6時47分(2761M。延岡行き)

 上り(佐伯方面):6時39分(佐伯行き)/20時8分(2762M。佐伯行き)

 市棚、北川、日向長井および北延岡の各駅についても同じようなものです。特急はこれらの駅に止まりませんので度外視すれば、普通列車は1.5往復しかない訳です。通学のために列車に乗ると言っても、このダイヤでは利用しづらいのではないでしょうか(もっとも、県境越えのニーズはほとんどないでしょうが)。

 大分大学に勤めていた時に、何度か佐伯市や延岡市に行きましたし、日豊本線の佐伯〜延岡を利用したこともあります。重岡駅が映画「なごり雪」の撮影に使われたことは結構知られており、同駅にもそれを記念するような看板が立てられていましたが(今はありません)、日中に1本も走らないのでは見に行きたくとも行けないというところでしょう。自家用車かレンタカーしか手段がないのです。私も重岡駅を訪れましたが、特急は止まらず、普通列車は日中になく、佐伯駅辺りからの路線バスも1日3本くらいしかないということで、自家用車を運転しました。

 この区間は、現在でこそ大分県佐伯市と宮崎県延岡市を通るのですが、平成の大合併まで、直見駅と直川駅は直川村に、重岡駅と宗太郎駅は宇目町に、市棚駅、北川駅および日向長井駅は北川町にありました。北川町はどうか知りませんが、直川村と宇目町は過疎地域に指定されていたはずです。当然、人口も少なく、その上、典型的な自動車(自家用車)社会です。重岡駅と宗太郎駅の付近には民家があまりありません(そのように記憶しています)。県境越えの経済的交流もあまりないようなので、佐伯〜延岡が閑散区間になるのは仕方がないとも言えます。

 それだけに、この区間の普通列車の意義、そして各駅の存在意義が問われるところでしょう。とくに宗太郎駅は、利用客数が一日平均で1人を下回っているそうで、こうなっては駅として存在する意味がほとんどないと言えます(ちなみに、この駅の辺りには路線バスもありません)。

 駅の無人化だけでなく、廃止なども課題になっているというところでしょうか。


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1 コメント

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追加です (川崎高津公法研究室長)
2018-03-17 11:08:25
「阪和線の沿線から」というブログに、今年の2月25日付で「2018年3月ダイヤ改正後のJR九州日豊本線・佐伯~延岡間の普通列車にまつわるお話。『下り列車のみグリーン車自由席営業』の謎に迫ってみます(JTB時刻表2018年3月号より)」という記事(http://blog.livedoor.jp/hanwa0724/archives/52201605.html)が掲載されています。
これによると、佐伯〜延岡の普通列車の全てには特急用車両が充てられるということです。道理で、「グリーン車自由席」や「普通車自由席」という表示もある訳です。
但し、乗降口は1箇所のみであるとのことです。
特急用車両を乗車券のみで利用できるのはありがたいと言えますが、これで集客できるとは思えません。しかもグリーン車に乗るにはグリーン券の購入も必要とのことで、余計に意味を疑いたくなります。
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