平舘海峡の穏やかな海を右にみながら
列車は北へ北へと進む。
ここを通るとき、かならず曇っている。
もちろん、そのような気候の場所ではないのだが。
私の運が悪いのかな。
でも、この海峡には曇り空が合うような気がする。
そして、そんな天気でも波は穏やかに寄せては返している。
かつてN君が、赤い猫脚の大きいお膳に蟹を小山のように積み上げて
太宰…いや、この場合は「津島修治」と言った方がいいかもしれない…
を待ち受けていた蟹田の風景を眺める。
鉄道連絡船こそ無くなってしまったが
沖には青函を結ぶフェリーが浮かぶ。
中小国という小さな駅。
ここから三厩へ向けて、津軽線が分岐する。
青函トンネルに向かう線路はここからJR北海道。
列車はどんどん加速する。
ローカル線から一気に高速鉄道に入ったように
本州の北端を更に北へ加速する。
どんなに目を凝らしたって、
「あとは海にころげ落ちるばかり」の断崖は見えないし、
見知らぬ客が「ごらん、あれが竜飛岬。北のはずれ…」と
指を指すこともない。
列車は北へ北へと進む。
ここを通るとき、かならず曇っている。
もちろん、そのような気候の場所ではないのだが。
私の運が悪いのかな。
でも、この海峡には曇り空が合うような気がする。
そして、そんな天気でも波は穏やかに寄せては返している。
かつてN君が、赤い猫脚の大きいお膳に蟹を小山のように積み上げて
太宰…いや、この場合は「津島修治」と言った方がいいかもしれない…
を待ち受けていた蟹田の風景を眺める。
鉄道連絡船こそ無くなってしまったが
沖には青函を結ぶフェリーが浮かぶ。
中小国という小さな駅。
ここから三厩へ向けて、津軽線が分岐する。
青函トンネルに向かう線路はここからJR北海道。
列車はどんどん加速する。
ローカル線から一気に高速鉄道に入ったように
本州の北端を更に北へ加速する。
どんなに目を凝らしたって、
「あとは海にころげ落ちるばかり」の断崖は見えないし、
見知らぬ客が「ごらん、あれが竜飛岬。北のはずれ…」と
指を指すこともない。