夜明け

2006年07月20日 | 
再び車を走らせる。
右に噴火湾を眺めながら
深更のドライブ。

漆黒の海の彼方には
白く眩い光を放つ
イカ釣り漁船の漁り火。

豊浦から国道230号線を登ってゆく。
信号もない峠道。
すれ違うのはたまにすれちがうトラックだけ。
いけない。このままでは眠ってしまう。
自分が星になるには、まだ早い。

留寿都に着く。
明るければ左に大きく羊蹄山が望めるはずだ。
道の駅で仮眠をとる。

夏であっても、ここは北海道。
しかも峠のサミット近く。
4時。あまりの寒さに目が覚める。
一面真っ白。車のガラスが曇っている。
急いで暖房をつける。

空はいつの間にか明るくなり始める。
車の外にでて、体を伸ばす。
高原の空気が、鼻の奥を通って
体全体に充満する。

車を発進して、いよいよ中山峠を下る。
ギアをニュートラルにし、九十九折りの道を走る。
次第に空はピンクに染まり始める。

道に寄り添うように豊平川が流れる。
札幌はもうすぐ。
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